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COP25開幕かいまく 温室おんしつ効果こうかガス削減さくげん対策たいさく強化きょうか機運きうんたかまる

2019-12-01 20:08:47

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地球ちきゅう温暖おんだん対策たいさく話し合はなしあ国際こくさい会議かいぎ、「COP25」がにち、スペインで開幕かいまくします。国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょう記者きしゃ会見かいけんひらき、各国かっこくに対にたいし、温室おんしつ効果こうかガス削減さくげん目標もくひょう引き上ひきあげるなど対策たいさく強化きょうか表明ひょうめいするようもとめました。
「COP25」は国連こくれん主導しゅどうひらかれる地球ちきゅう温暖おんだん対策たいさく話し合はなしあ会議かいぎで190をえるくに地域ちいき参加さんかして、日本にっぽん時間じかんにちよる、スペインのマドリードで開幕かいまくします。

開幕かいまくまえに、グテーレス事務じむ総長そうちょう現地げんち記者きしゃ会見かいけんひらき、自然しぜん災害さいがい頻度ひんどし、人的じんてき経済けいざいてき被害ひがいおおきくなっているとして「気候きこう変動へんどう長期ちょうきてき問題もんだいではない。いままさにわたしたちは危機きき直面ちょくめんしている」と指摘してきしました。
そのうえで「各国かっこくいまのままの努力どりょくでは不十分ふじゅうぶんなのはあきらかだ。りないのは政治せいじてき意思いしだ。会議かいぎでは、各国かっこく責任せきにんかんとリーダーシップをせてもらいたい。約束やくそく引き上ひきあげるような明確めいかく行動こうどう期待きたいしている」とべ、温室おんしつ効果こうかガス削減さくげん目標もくひょう引き上ひきあげるなど具体ぐたいてき対策たいさく強化きょうか表明ひょうめいするようもとめました。

会議かいぎでは、地球ちきゅう温暖おんだん対策たいさく国際こくさいてき枠組わくぐみ「パリ協定きょうてい」が来年らいねんからはじまるのをまえに、実施じっし必要ひつようルールうち協議きょうぎつづいている一部いちぶについて合意ごうい目指めざことになります。

また開幕かいまく先立さきだ世界せかい全体ぜんたい温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつりょうつづけていることがあきらかになったほか世界せかいだい温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつこく、アメリカがパリ協定きょうていからの離脱りだつ正式せいしき通告つうこくしたことによる影響えいきょう懸念けねんされていて、温室おんしつ効果こうかガスの削減さくげんけて対策たいさく強化きょうかする機運きうんたかまるかが焦点しょうてんとなります。

「COP25」は今月こんげつ13にちまでひらかれ、日本にっぽんからは小泉こいずみ環境かんきょう大臣だいじん出席しゅっせきする予定よていほかスウェーデンの16さい、グレタ・トゥーンベリさん参加さんかすることになっています。

1.5への機運きうん

今回こんかいのCOPでは、各国かっこく温室おんしつ効果こうかガス削減さくげん目標もくひょう引き上ひきあげる機運きうんたかまるかが焦点しょうてんひととなります。

そのさいにポイントとなるのが「1.5」という数字すうじです。

去年きょねん10つき世界せかい科学かがくしゃなどでつくる国連こくれんIPCCあいぴ-し-し-=「気候きこう変動へんどうに関にかんする政府せいふかんパネル」が特別とくべつ報告ほうこくしょ発表はっぴょうし「世界せかい平均へいきん気温きおんは2017ねん時点じてん産業さんぎょう革命かくめいまえくらべておよそいち上昇じょうしょうしている。いまのままでは、はやければ2030ねんには1.5上昇じょうしょうし、異常いじょう気象きしょうがさらに増加ぞうかする」と予測よそくしました。

それでも上昇じょうしょうした場合ばあいくらべれば生態せいたいけいへの影響えいきょうかなりひく」としたうえで、各国かっこくがいまかかげている目標もくひょうでは、世界せかい平均へいきん気温きおんおよそさん上昇じょうしょうしてしまう指摘してきしたのです。

日本にっぽんふく世界せかい各地かくちで、洪水こうずい高潮こうちょう猛暑もうしょなど地球ちきゅう温暖おんだん影響えいきょうしているとみられる災害さいがい相次あいつぐなか、この予測よそく関係かんけいしゃ危機ききかんつよめ、温暖おんだんせめて1.5おさえることが、世界せかいてき意識いしきされるようになりました。

国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょうは、ことし9月くがつ国連こくれん総会そうかいわせて温暖おんだん対策たいさくサミットをひらき、これまでの対策たいさく上回うわまわ具体ぐたいさく提示ていじするよう各国かっこくもとめました。

国連こくれんによると、これまでにフランスやドイツなど70ちかくにが2050ねんまでに温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつりょう実質じっしつゼロにすることを約束やくそくするなど、対策たいさく強化きょうかするうごひろがっているということです。

一方いっぽうで、日本にっぽん中国ちゅうごく、インドといった主要しゅよう排出はいしゅつこくは2050ねんまでに排出はいしゅつりょう実質じっしつゼロにすることを約束やくそくしていないなど温度おんどあるほかアメリカのパリ協定きょうてい離脱りだつによる影響えいきょう懸念けねんされています。

合意ごういみのルールのこ課題かだい

「パリ協定きょうてい」を実施じっしするために必要ひつようなルールは、おおくが去年きょねん、ポーランドでひらかれたCOP24で採択さいたくされました。

途上とじょうこくふく、すべてのくに温室おんしつ効果こうかガス削減さくげん実施じっし状況じょうきょうくわしく報告ほうこくし、専門せんもんねんいち検証けんしょうする方法ほうほうまったほかねんごとに国連こくれん提出ていしゅつする削減さくげん目標もくひょうは、削減さくげんするガスの種類しゅるい具体ぐたいてき計画けいかくくわえて、そのくに実情じつじょうらして適正てきせい十分じゅうぶんたか目標もくひょうといえるのか、その根拠こんきょなどくわしくしめことになりました。

また途上とじょうこくおこな資金しきん支援しえんでは、対象たいしょうなるくに支援しえん程度ていど目的もくてきなど可能かのう範囲はんい国連こくれん事務じむきょくねんいち報告ほうこくすることが先進せんしんこく義務ぎむづけられ、その内容ないよう専門せんもん検証けんしょうします。

そして各国かっこく状況じょうきょう定期ていきてき確認かくにんしてねんごとに目標もくひょう引き上ひきあげ、温暖おんだん対策たいさく段階だんかいてき強化きょうかする道筋みちすじ明確めいかくされました。

一方いっぽうで、合意ごういいたらなかったてんのこされています。

他国たこくへの技術ぎじゅつ支援しえんなど削減さくげんできた温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつりょうを、自国じこく削減さくげんぶんとして計算けいさんする仕組しくや、そのさいにダブルカウントをけるためのルールなどです。

今回こんかいのCOP25では、こうしたのこされた項目こうもくについて合意ごういいたことができるのかが、もうひと焦点しょうてんとなります。

パリ協定きょうていとは

「パリ協定きょうてい」は、地球ちきゅう温暖おんだん対策たいさく国際こくさいてき枠組わくぐみで、来年らいねんから本格ほんかくてき動き出うごきだすことになっています。

よんねんまえの2015ねんにフランスのパリでひらかれた「COP21」で採択さいたくされ、翌年よくねん11つき発効はっこうおよそ180のくに地域ちいき批准ひじゅんしています。

世界せかい平均へいきん気温きおん上昇じょうしょう産業さんぎょう革命かくめいまえくら未満みまんたもとともに、1.5おさえる努力どりょくをすることや、世界せかい全体ぜんたい温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつりょう今世紀こんせいき後半こうはん実質じっしつてきにゼロにすることを目標もくひょうかかげています。

先進せんしんこくだけに排出はいしゅつ削減さくげん義務ぎむづけた「京都きょうと議定ぎていしょ」とはことなり、発展はってん途上とじょうこくふく、すべてのくに削減さくげん取り組とりくことをさだめています。

来年らいねん以降いこう各国かっこくねんごとに削減さくげん目標もくひょう国連こくれん提出ていしゅつし、取り組とりくみの状況じょうきょう報告ほうこくすることが義務ぎむづけられています。

専門せんもん日本にっぽん最大限さいだいげん努力どりょくしめ必要ひつよう

「COP25」について地球ちきゅう温暖おんだん対策たいさくくわしい専門せんもんは、日本にっぽん会議かいぎ役割やくわりたすには、温室おんしつ効果こうかガス削減さくげんけて最大限さいだいげん努力どりょくをしているとしめすことが必要ひつようだと指摘してきしています。

温暖おんだん対策たいさく国際こくさい交渉こうしょうくわしい東京とうきょう大学だいがく高村たかむらゆかり教授きょうじゅは「COP25」の焦点しょうてんについて、世界せかい各地かくち気候きこう変動へんどう一因いちいんかんがえられる自然しぜん災害さいがいつづ危機ききかんたかまるなか、今回こんかい会議かいぎひらかれることから「各国かっこく目標もくひょう見直みなおしや引き上ひきあげにけて機運きうんたかめること、そのためになんらかの合意ごういをすることが期待きたいされている」とはなしています。

そして、「日本にっぽん長期ちょうき戦略せんりゃくなかで、今世紀こんせいき後半こうはんのできるだけはや時期じきだつ炭素たんそ社会しゃかい実現じつげん目指めざとしている。その目標もくひょうけて“2050ねん排出はいしゅつゼロ”に相当そうとうする努力どりょくをしているとしめことが、世界せかい期待きたいこたえることになるおも」として、日本にっぽん会議かいぎ役割やくわりたすためには、最大限さいだいげん努力どりょくをしているとしめすことが必要ひつようだと指摘してきしました。

一方いっぽうで、石炭せきたん火力かりょく発電はつでんしょ利用りようつづける日本にっぽんに対にたいして、国際こくさいてき批判ひはんたかまっていることについて「だつ炭素たんそ社会しゃかい目指めざなかで石炭せきたん火力かりょく発電はつでんしょをどうしていくのか、長期ちょうきてき方針ほうしん計画けいかくえてこない。どうらしていくのかを国際こくさい社会しゃかいしめ必要ひつようある」とはなしていました。
ソース:NHK ニュース