Show Furigana
COP25「温暖化で積雪残る期間短く生態系に影響」 研究報告
2019-12-04 19:44:31

スペインで開かれている「COP25」で、国連の専門機関の研究者が、温暖化によって雪が残る期間が短くなり生態系に影響が出始めていると報告しました。
これは世界各国の科学者などでつくる国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」の研究者らが報告しました。
IPCCはことし9月に公表した報告書の中で、温暖化によって積雪が残る期間が平均して10年で5日短くなっており、2050年までのおよそ20年間には2005年までの同じ期間と比べて、積雪の深さが最大で40%減少するおそれがあるとしています。
研究者らは、すでに高山地域で動植物の数や分布が変化してきていると指摘したほか、今後、雪が少ないことで水不足を引き起こしたり、雪崩や地滑りが起きやすくなったりといった影響が出てくるおそれがあると訴えていました。
そして「雪や氷河に覆われてきた地域は気候変動に対して、驚くほどぜい弱だ。今後、下される決断は、将来の影響の度合いを決めることになる」と述べて、少しでも早く行動するよう求めました。
IPCCはことし9月に公表した報告書の中で、温暖化によって積雪が残る期間が平均して10年で5日短くなっており、2050年までのおよそ20年間には2005年までの同じ期間と比べて、積雪の深さが最大で40%減少するおそれがあるとしています。
研究者らは、すでに高山地域で動植物の数や分布が変化してきていると指摘したほか、今後、雪が少ないことで水不足を引き起こしたり、雪崩や地滑りが起きやすくなったりといった影響が出てくるおそれがあると訴えていました。
そして「雪や氷河に覆われてきた地域は気候変動に対して、驚くほどぜい弱だ。今後、下される決断は、将来の影響の度合いを決めることになる」と述べて、少しでも早く行動するよう求めました。
冬の五輪・パラにも影響
地球温暖化が進むと、冬のオリンピック・パラリンピックに影響が出ると指摘する研究もあります。
カナダやアメリカ、それに中国の大学の研究者たちは、1924年から2022年までの冬のオリンピック・パラリンピックの開催地21か所を例に、今後、温暖化が進んだ場合の影響を予測しました。指標としたのは、開催地の組織委員会がIOC=国際オリンピック委員会に提出した報告書です。
多くの開催地が、日中の最低気温が0度以下にとどまり、30センチ以上の積雪を保つことができるという2点が、競技を問題なく進めるために大切だと指摘していたということです。
世界の平均気温が今世紀末に、産業革命前に比べておよそ4度上がった場合、この2点がともに90%以上の確率で成立すると予測できる場所は「信頼できる開催地」、いわゆる適地に、一方でも75%未満となる場所は「信頼できない開催地」、いわゆる不適地、そして、一方だけ90%以上だったり、両方とも75%と90%の間と予測されたりする場所は「リスクが高い開催地」と分類しました。
その結果、2050年ごろには21か所のうち、バンクーバーやソチなど6か所が不適地になり、適地は12か所に減ると予測しています。2100年には長野市やオスロなど11か所は不適地になり、適地は8か所しかなくなるとしています。
さらにパラリンピックは3月に開催されるため、より影響を受け、適地は2050年ごろには8か所にまで減り、2100年には4か所しかなくなると予測しています。札幌市も2100年には開催が危ぶまれるとしています。
研究チームの代表で、カナダにあるウォータールー大学のダニエル・スコット教授は「オリンピックはこれまで1か国で開催してきたが、条件が整う複数の国で競技を行うことも考えなければいけなくなるかもしれない。今よりコストもかかるようになるだろう」と話しています。
カナダやアメリカ、それに中国の大学の研究者たちは、1924年から2022年までの冬のオリンピック・パラリンピックの開催地21か所を例に、今後、温暖化が進んだ場合の影響を予測しました。指標としたのは、開催地の組織委員会がIOC=国際オリンピック委員会に提出した報告書です。
多くの開催地が、日中の最低気温が0度以下にとどまり、30センチ以上の積雪を保つことができるという2点が、競技を問題なく進めるために大切だと指摘していたということです。
世界の平均気温が今世紀末に、産業革命前に比べておよそ4度上がった場合、この2点がともに90%以上の確率で成立すると予測できる場所は「信頼できる開催地」、いわゆる適地に、一方でも75%未満となる場所は「信頼できない開催地」、いわゆる不適地、そして、一方だけ90%以上だったり、両方とも75%と90%の間と予測されたりする場所は「リスクが高い開催地」と分類しました。
その結果、2050年ごろには21か所のうち、バンクーバーやソチなど6か所が不適地になり、適地は12か所に減ると予測しています。2100年には長野市やオスロなど11か所は不適地になり、適地は8か所しかなくなるとしています。
さらにパラリンピックは3月に開催されるため、より影響を受け、適地は2050年ごろには8か所にまで減り、2100年には4か所しかなくなると予測しています。札幌市も2100年には開催が危ぶまれるとしています。
研究チームの代表で、カナダにあるウォータールー大学のダニエル・スコット教授は「オリンピックはこれまで1か国で開催してきたが、条件が整う複数の国で競技を行うことも考えなければいけなくなるかもしれない。今よりコストもかかるようになるだろう」と話しています。
ソチ五輪では「危険だ」の声も
2014年、ロシアのソチで開かれた冬のオリンピックでは、2月に入っても平年より気温が高く、スキーコースの雪が溶けて選手たちから「危険だ」という声が上がりました。
IOC=国際オリンピック委員会は「気候変動はほとんどの人間の活動に影響し始めていて、スポーツもその例外ではない。気候変動による結果を考慮し、大会を計画していく」としています。
IOC=国際オリンピック委員会は「気候変動はほとんどの人間の活動に影響し始めていて、スポーツもその例外ではない。気候変動による結果を考慮し、大会を計画していく」としています。
ソース:NHK ニュース