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相模原殺傷事件 来月初公判 傍聴席に遮蔽板設ける異例の措置
2019-12-05 19:08:35

3年前、相模原市の知的障害者施設で入所者19人を殺害した罪などに問われている29歳の元職員の裁判員裁判が来月から始まります。この裁判で横浜地方裁判所が傍聴席の中に遮蔽板を設け、遺族や被害者の家族などがほかの傍聴者から見えないようにする異例の措置をとる準備を進めていることが関係者への取材でわかりました。

平成28年7月、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者が次々と刃物で刺され19人が殺害されるなどした事件では、殺人などの罪に問われた施設の元職員、植松聖被告(29)の裁判員裁判が来月8日から横浜地裁で始まります。
この事件では、警察が遺族の意向だとして通常とは違って亡くなった19人の名前を公表しなかったほか、裁判でも遺族などの意向に応じて被害者が特定される情報は伏せて審理されることが決まっています。
この事件では、警察が遺族の意向だとして通常とは違って亡くなった19人の名前を公表しなかったほか、裁判でも遺族などの意向に応じて被害者が特定される情報は伏せて審理されることが決まっています。

こうした中、来月から始まる裁判では、裁判所が傍聴席に遮蔽板を設置し、およそ3分の1のスペースに座る遺族や被害者の家族などがほかの傍聴者から見えないようにする異例の措置をとる準備を進めていることが関係者への取材でわかりました。遺族らの要望を受けた対応で、出入り口などもほかの傍聴者と分けるということです。
遮蔽された席では「被害者参加制度」を使って裁判に加わる遺族らも傍聴する見通しです。
これについて元裁判官で法政大学法科大学院の水野智幸教授は「傍聴席を囲いで区切ることは異例だ。遺族や被害者に配慮した結果だと考えられる」と指摘しています。
そのうえで「こうした運用が拡大し遮蔽される傍聴席が増えると傍聴できる人が限られるなどし公正さや信頼性を保つために重要な『裁判を公開する原則』という点からも問題になりかねない」としています。
遮蔽された席では「被害者参加制度」を使って裁判に加わる遺族らも傍聴する見通しです。
これについて元裁判官で法政大学法科大学院の水野智幸教授は「傍聴席を囲いで区切ることは異例だ。遺族や被害者に配慮した結果だと考えられる」と指摘しています。
そのうえで「こうした運用が拡大し遮蔽される傍聴席が増えると傍聴できる人が限られるなどし公正さや信頼性を保つために重要な『裁判を公開する原則』という点からも問題になりかねない」としています。
ソース:NHK ニュース