News
Show Furigana

緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんから1ねん らし経済けいざいへの影響えいきょうは?

2021-04-07 11:14:51

avatar
1度目どめ緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんてから1ねんわたしたちのらし経済けいざいへの影響えいきょうをまとめました。

航空こうくう会社かいしゃ 歴史れきしてき落ち込おちこ

深刻しんこく影響えいきょうけた代表だいひょうてき業種ぎょうしゅひと航空こうくう鉄道てつどうなど交通こうつう機関きかんです。
国内こくない航空こうくう会社かいしゃ運航うんこうする旅客機りょかくき利用りようしゃは、歴史れきしてき落ち込おちことなりました。国内線こくないせんは、1度目どめ緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん去年きょねん4つきは96まんにん、5つきは60まんにんと、いずれまえとしくらべて9わり前後ぜんご減少げんしょうとなりました。その後そのごは7つきはじまったGo Toトラベルなど持ち直もちなおし、11つき利用りようしゃは520まんにんと、減少げんしょうはばは44%にまで縮小しゅくしょうしました。しかしふたた感染かんせんしゃえた12つきには、54%へと拡大かくだいし、としけて2度目どめ緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんた1つきは、75%の落ち込おちことなりました。
国際線こくさいせんも、去年きょねん4つきは5まん2000にんまえとしから97%減少げんしょうし、5つきは3まん3000にんと、98%の減少げんしょうとなり、その後そのご減少げんしょうはばは90%をえています。

こうしたきびしい状況じょうきょうけて、航空こうくう大手おおて2しゃ昨年度さくねんど業績ぎょうせき予想よそうで、ANAホールディングスが5100おくえん日本にっぽん航空こうくうが3000おくえんといずれ巨額きょがく最終さいしゅう赤字あかじ見込みこんでいます。両社りょうしゃ経営けいえい悪化あっかするなか雇用こようまもため、一部いちぶ従業じゅうぎょういん外部がいぶ企業きぎょう出向しゅっこうさせる対応たいおうをとっています。

鉄道てつどう会社かいしゃ 本格ほんかくてき回復かいふく見通みとおたたず

鉄道てつどう会社かいしゃ経営けいえいへの影響えいきょう深刻しんこくです。

出張しゅっちょう旅行りょこうでの利用りようおおかった新幹線しんかんせんとく影響えいきょうおおきく、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん去年きょねん4つき利用りようしゃは、まえとしくらべて、JR東海とうかいが90%、JR西日本にしにほんが88%、JR東日本ひがしにっぽんが87%といずれ大幅おおはば減少げんしょうしました。

去年きょねん11つきには、3しゃとも減少げんしょうはばはおよそ50%に回復かいふくしましたが、2度目どめ緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんたことし1つきには、JR東海とうかいが75%、JR東日本ひがしにっぽんとJR西日本にしにほんが73%と、ふたたおおきく落ち込おちこんでいて、本格ほんかくてき回復かいふく見通みとおはたっていません。

JR各社かくしゃ主要しゅよう私鉄してつ各社かくしゃ昨年度さくねんど決算けっさん軒並のきな最終さいしゅう赤字あかじおちい見通みとおで、安全あんぜん支障ししょうのない範囲はんい設備せつび投資とうし先送さきおくしたり、人件じんけん削減さくげんしたりといった対応たいおう余儀よぎなくされています。

JR西日本にしにほんは7にち東京とうきょう記者きしゃ会見かいけんひらき、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょう昨年度さくねんど鉄道てつどう事業じぎょう収入しゅうにゅうは、まえ年度ねんどくらべて51.8%減少げんしょうしたと発表はっぴょうしました。
またはじめて緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんから7にちで1ねんとなったことについて、JR西日本にしにほん長谷川はせがわ一明いちめい社長しゃちょうは「経営けいえい想像そうぞう以上いじょう影響えいきょうがありおおきな転換てんかんてんになった1ねんだった。仕事しごとらしかた変化へんかはコロナの収束しゅうそくのこ需要じゅよう創出そうしゅつすることが重要じゅうようだ」とべました。

ホテル旅館りょかん だい規模きぼ合理ごうり相次あいつ

東京とうきょうオリンピック・パラリンピックで国内外こくないがいからの旅行りょこうしゃによる需要じゅようをあてこんでいたホテルや旅館りょかんなどおおきな打撃だげきけました。
観光かんこうちょうによりますと、去年きょねん1年間ねんかん国内こくないホテル旅館りょかんなど利用りようした宿泊しゅくはくしゃは、3おく479まんにんと、まえとしから一気いっき48%減少げんしょうし、比較ひかく可能かのうな2010ねん以降いこうもっとすくなくなりました。とく緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん去年きょねんの4つきと5つきは、80%をえる大幅おおはば落ち込おちことなりました。

その後そのご回復かいふく傾向けいこうつづき、減少げんしょうはばは、11つきには30%に回復かいふくしましたが、感染かんせんしゃえた12つきには、40%に拡大かくだいしました。

きびしい環境かんきょうつづなか先月せんげつには、全国ぜんこくで18のホテル運営うんえいする「ビスタホテルマネジメント」が、自力じりきでの経営けいえい行き詰いきづまり、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょ民事みんじ再生さいせいほう適用てきよう申請しんせいしました。

だい規模きぼ合理ごうり相次あいつぎました。

関西かんさい大手おおて私鉄してつでは、「近鉄きんてつグループホールディングス」が所有しょゆうするホテルの3ぶん1にあたる8か所かしょアメリカ投資とうしファンドとつくるしん会社かいしゃ売却ばいきゃくすることをめたほか、「阪急はんきゅう阪神はんしんホールディングス」は、東京とうきょう大阪おおさかある6つのホテルの営業えいぎょう終了しゅうりょうする方針ほうしんあきらかにしました。

ワシントンホテルなど全国ぜんこく展開てんかいする「藤田ふじた観光かんこう」は、大阪おおさかある宴会えんかい施設しせつで、2019ねんのG20大阪おおさかサミットでは、閣僚かくりょう会合かいごう会場かいじょうにもなった「太閤園たいこうえん」を売却ばいきゃくし、6月末げつまつ営業えいぎょう終了しゅうりょうすることになりました。

依然いぜんとして感染かんせん収束しゅうそくのめどがたない苦境くきょうつづなか、ホテル業界ぎょうかいでは、すこでも利用りようしゃ確保かくほしようと、割安わりやす料金りょうきんでホテルを“生活せいかつ”として提供ていきょうする長期ちょうき滞在たいざいがたのプランを販売はんばいするうごひろがっています。

居酒屋いざかやチェーン 営業えいぎょう時間じかん短縮たんしゅく休業きゅうぎょうで…

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいともな緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんで、おも居酒屋いざかやチェーンのことし2つき時点じてん店舗てんぽすうが1ねんまえくらべて17%あま減少げんしょうしたことが業界ぎょうかい団体だんたい調査ちょうさでわかりました。

営業えいぎょう時間じかん短縮たんしゅく休業きゅうぎょう飲食いんしょくてん経営けいえい深刻しんこく影響えいきょうおよぼしています。

日本にっぽんフードサービス協会きょうかいのまとめによりますと、全国ぜんこくおも外食がいしょくチェーンの去年きょねん1年間ねんかん売り上うりあは、まえとしよりも15.1%減少げんしょうしました。落ち込おちこはばは、リーマンショックの2009ねん上回うわまわ過去かこ最大さいだいとなりました。
なかでもよる営業えいぎょう中心ちゅうしんとする居酒屋いざかややビアホールなどへの影響えいきょうおおきく、去年きょねん売り上うりあまえとしくらべて49.5%減少げんしょうほぼ半減はんげんしました。また、ことし2つき時点じてん居酒屋いざかやチェーン31しゃ店舗てんぽすうが1ねんまえくらべて17.7%減少げんしょうしました。

おもなチェーンでは、「あま太郎たろうなど展開てんかいするコロワイドがおよそ200店舗てんぽ閉店へいてんしたほか、ワタミは、居酒屋いざかや100店舗てんぽあま閉店へいてん比較ひかくてき売り上うりあ回復かいふくはやとされる焼肉やきにくてん業態ぎょうたい転換てんかんしています。

居酒屋いざかやチェーン各社かくしゃは、夜間やかん売り上うりあ減少げんしょうおぎなためランチ営業えいぎょう強化きょうかするなどあらサービス模索もさくしていますが、アルバイトなど正規せいきはたら従業じゅうぎょういんおお業種ぎょうしゅだけに雇用こよう維持いじ課題かだいとなっています。

外食がいしょく業界ぎょうかい拡大かくだいする「宅配たくはい

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだい外食がいしょく業界ぎょうかいでは、店内てんないでの飲食いんしょく大幅おおはば一方いっぽう宅配たくはい売り上うりあおおきくび、消費しょうひしゃのライフスタイルが変化へんかしていることをうかがわせていて、企業きぎょうがわ宅配たくはい事業じぎょう展開てんかいちかられています。

民間みんかん調査ちょうさ会社かいしゃ「エヌピーディー・ジャパン」は全国ぜんこく13まんにん消費しょうひしゃからあつめた毎日まいにち支出ししゅつデータをもとに外食がいしょく産業さんぎょう市場しじょう規模きぼ推計すいけいしています。それによりますと、去年きょねん1年間ねんかん外食がいしょくぎょう全体ぜんたい売り上うりあは、おととしよりも27.2%減少げんしょうしました。
このうち店内てんないでの飲食いんしょく」は、まえとしくらべて34.1%減少げんしょうしましたが、「宅配たくはい」の売り上うりあプラス49.7%と大幅おおはば増加ぞうかしていて、消費しょうひしゃのニーズが、外食がいしょくから自宅じたくでの食事しょくじうつっていることをうかがわせています。

消費しょうひしゃのライフスタイルの変化へんか企業きぎょうがわ対応たいおういそいでいます。

ファミリーレストランのデニーズは、去年きょねん10つき宅配たくはいやテイクアウトの専門せんもんてんはじめて東京とうきょう 新宿しんじゅく出店しゅってんしました。従来じゅうらい店舗てんぽくらべてみせ賃料ちんりょう人件じんけんなどのコストをおさえることができるとしていて、都内とない埼玉さいたまけんで、さらに2店舗てんぽ出店しゅってんしています。

またステーキチェーンの「いきなり!ステーキ」は、キッチンカーによる移動いどう販売はんばいをことし2つきから都内とないはじめています。外食がいしょくひかえる消費しょうひしゃのニーズを取り込とりこねらいで、今後こんご車両しゃりょうやすことも検討けんとうしています。

品薄しなうすだったマスク

国内こくないはじめて緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんされた去年きょねんはるごろは、全国ぜんこくてきにマスクや消毒しょうどくえきなど品薄しなうすとなっていました。
とくマスクは買い占かいし転売てんばいなど社会しゃかい問題もんだいとなりましたが、この1ねん生産せいさん体制たいせい強化きょうかされるなどして国内こくない流通りゅうつうりょうは、感染かんせん拡大かくだいまえの5ばいちかえたということです。

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいした影響えいきょうで、マスク去年きょねん1つき下旬げじゅんごろから全国ぜんこくてき品薄しなうすとなり、販売はんばいするみせ長蛇ちょうだれつができたり、たか転売てんばいされたりと社会しゃかい問題もんだいとなりました。

このため政府せいふは、去年きょねん3つき法律ほうりつ転売てんばい禁止きんししたほか、4つきには全国ぜんこくのすべての世帯せたいに、ぬのマスク配布はいふする方針ほうしんしめしました。

厚生こうせい労働ろうどうしょう経済けいざい産業さんぎょうしょうによりますと、くに補助ほじょ事業じぎょう去年きょねん3つきごろからマスク生産せいさんするメーカーえるなど、国内こくない生産せいさん能力のうりょく向上こうじょうしたことにくわえ、その後そのごは、停滞ていたいしていた海外かいがいのマスクの流通りゅうつう次第しだい回復かいふくし、状況じょうきょう改善かいぜんかったということです。厚生こうせい労働ろうどうしょうは、一般いっぱんマスク品薄しなうす状態じょうたい解消かいしょうしたのは7月末げつまつ段階だんかいだとしています。

1か月かげつ平均へいきんマスク流通りゅうつうりょうは、去年きょねんあきごろのデータで、国内こくない生産せいさんぶんが2おく9000まんまい感染かんせん拡大かくだいまえの3ばい以上いじょう海外かいがいからの輸入ゆにゅうりょうが14おくまいと5ばい以上いじょうになりました。国内こくない全体ぜんたい流通りゅうつうりょうは5ばいちか増加ぞうかしているとしています。

また業界ぎょうかい団体だんたいの「全国ぜんこくマスク工業こうぎょうかい」によりますと、一般いっぱんようのマスクを生産せいさんする国内こくないメーカーこの1ねんすくなくとも3ばい以上いじょうえ、確認かくにんできるだけで100しゃ以上いじょうにのぼるということです。

アルコール消毒しょうどくえき

経済けいざい産業さんぎょうしょうによりますとマスク同様どうよう品薄しなうすとなったアルコール消毒しょうどくえきは、国内こくない生産せいさんりょうおととしの1か月かげつ平均へいきんで96まんリットルでしたが、国内こくないメーカー設備せつび拡充かくじゅうするなどした結果けっか去年きょねん5つきには600まんリットルをえ、品薄しなうす状態じょうたい解消かいしょうかったということです。

需要じゅようたか状態じょうたいいまつづき、ことし2つきも500まんリットルえる生産せいさんりょうとなっています。
ソース:NHK ニュース