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マリオがヒゲをやすワケ 生みの親うみのおや 宮本みやもとしげるさんに直撃ちょくげき

2023-04-27 10:30:48

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1985ねん発売はつばいされた人気にんきゲーム「スーパーマリオブラザーズ」。

特徴とくちょうあるひげに、「M」のマークのついたあか帽子ぼうしそして躍動やくどうかんのあるジャンプ

「マリオ」は、いま世界中せかいじゅうあいされる存在そんざいとなりました。

キャラクターのデザインなどがけた「生みの親うみのおや」である任天堂にんてんどうゲームクリエイターの宮本みやもとしげるさんがNHKのインタビューおうじました。

宮本みやもとさんに、時代じだいえて活躍かつやくひろげるマリオとその未来みらいについてきました。

京都きょうと放送ほうそうきょく 記者きしゃ 山崎やまざき麻未あさみ

最初さいしょ名前なまえがなかった…

京都きょうとある任天堂にんてんどう本社ほんしゃのほどちかにある開発かいはつとうでインタビューにおうじた宮本みやもとさん

マリオ作品さくひん登場とうじょうするアイテム「スーパースター」のバッジえり取り付とりつけたあと、まずかたってくれたのがマリオ誕生たんじょう裏側うらがわでした。
漫画まんが手塚てづか治虫おさむさん赤塚あかつか不二夫ふじおさんにあこがれてそだち、かれのように「自分じぶんのキャラクター」をそだてたいとおもっていた宮本みやもとさん。

漫画まんがになりたかった工業こうぎょうデザイナー”として、ゲームつくはじめたそうです。

意外いがいなことに、当初とうしょはマリオという名前なまえはついていなかったといいます。
「『ドンキーコング』という、女の子おんなのこをさらっていったゴリラを男の子おとこのこいかけてたすゲームつくったんですね。そこで男の子おとこのこどうつくろうかと。ドットで16×16のマスえがいたをイラストレーションでこしてえがいていって、まだマリオという名前なまえはついていなかったんですが、それ最初さいしょのキャラクターです」
「ドンキーコング」のつぎ作品さくひん「マリオブラザーズ」で、男の子おとこのこおとうととともにはじめて名前なまえあたえられたそうです。
男の子おとこのこが2にん協力きょうりょくしたりたたかったりするという『マリオブラザーズ』をつくって、マリオのいろちがのルイージというおとうとつくったんです。つぎ、マリオが青空あおぞらのもとで陸海空りくかいくうというアドベンチャーアクションをつくろうというので、スーパーマリオになった」

さいわちゃんとしたキャラクターになりましたが、ひょっとしたらおまけのようなキャラクターのままでわったかもしれませんね」
イラストからかたちづくられていったマリオ。

当時とうじゲーム技術ぎじゅつではその姿すがた詳細しょうさいには表現ひょうげんしづらいなか個性こせい特徴とくちょうにこだわって作り上つくりあげたといいます。
ぼく理屈りくつっぽいですから、マリオのことを『キャラクター』ってんでいるわけですよね。それなのに、個性こせいがないのはおかしいと。キャラクターと以上いじょうは、だれてもかる個性こせいっているものをえがのがぼく仕事しごとということで。ドットの制限せいげんはありましたが、はなおおきくして、ひげをつけて、帽子ぼうしをかぶらせて、みたいなつくったんですね」

ゲームからテーマパーク、そして映画えいが

こうしてまれたマリオは、ゲームの普及ふきゅうとともに、国内こくないがい認知にんちされる存在そんざいになりました。

2021ねんには、大阪おおさかのテーマパークのUSJ=ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに、マリオをテーマにしたエリアもオープン
つぎ展開てんかいとしてえらんだのが「映画えいが」でした。

宮本みやもとさん映画えいが共同きょうどうプロデューサーをつとめた、今回こんかい作品さくひん

アメリカなど先行せんこう公開こうかいされ、ぜん世界せかいで1168おくえん興行こうぎょう収入しゅうにゅう記録きろく好調こうちょう滑り出すべりだせています。(今月こんげつ24にち時点じてん

日本にっぽんでも28にちから公開こうかいされます。

しかしなぜあえて映画えいがというコンテンツをえらんだのでしょうか。
理由りゆうは、結構けっこう物理ぶつりてき動機どうきで、ゲームっていないひとというのはゲームをたことがないじゃないですか。コンテンツをもっとひろげていくという意味いみでも、映像えいぞうコンテンツはやってみたいとおもいました」

映画えいがゲームちがも…

製作せいさくにかけた期間きかんおよそ6ねん

そのなか宮本みやもとさん一番いちばんこだわったのは、マリオをっているひとらないひとたのしめる作品さくひんにすることだったといいます。
ゲームは、あそんでいるひと自身じしん積極せっきょくてきはいっていって、自分じぶんから魅力みりょくつくっていくコンテンツだとおもんです。だからまずは、マリオをよくってくれているひとたちが『これわたしもとめていたマリオだ』とおもってもらえるかどうかがありました」

一方いっぽうで、映画えいがは、1時間じかんはんとか2時間じかんとかつづけるわけですよ。映画えいがはひたすら(製作せいさくしゃがわが)かたらないとダメ。そこ意識いしきして、ゲームらないひとてもらっても、たのしんでもらえるようにしています」
このため映画えいがでは、ゲームにてくるキャラクターにも、映画えいがではちがった魅力みりょくたせるよう、工夫くふうしたといいます。
やっぱりキャラクターそのものが人間にんげんらしく、どんな生活せいかつをしているひとかっていうのがからないとダメで、それぞれあじがほしい。モンスターにも魅力みりょくがほしい」

「ピーチは、ゲームではかりやすい『たすけられるシンボル』でしたが、女性じょせい社会しゃかい活躍かつやくするようになってなが時間じかんがたっているので、映画えいがでは、たたか女性じょせいになっているし、クッパもただ悪役あくやくじゃなく、かわいいところもある職場しょくば部下ぶかからどんなふうにられているのかというところもほしいじゃないですか。そういうところもしてつくっていきました」

マリオはとても幸運こううんな“ども

ゲームからリアル、そして映画えいがへと活躍かつやくひろげてきたマリオ。
なるのが、その未来みらいです。

マリオをどう展開てんかいしていくのか、宮本みやもとさんいてみました。
ここまでみなさんにマリオをってもらえて、とても幸運こううんな『ども』で、ラッキーな存在そんざいとしかえないんですが、ぼくからしたら、マリオはなにかアイデアがたときに、一番いちばん自由じゆう使つかえる役者やくしゃさんみたいな存在そんざいなんですよね」

「マリオはデジタルでまれたので、デジタルの技術ぎじゅつとともに進化しんかしていったらいいなとおもっています。USJでと、AR(拡張かくちょう現実げんじつ)という技術ぎじゅつに、アトラクションや建造けんぞうぶつのテーマパークというのが組み合くみあわされた。そういう意味いみでは、またあたらしい技術ぎじゅつはいってきたとき、まずマリオを使つかってみようというふうになるので、ぼく自身じしんどこからないんですよね」

おもしろい」を追求ついきゅうせよ!!

インタビュー最後さいごに、今後こんご日本にっぽんからマリオのようなコンテンツを発信はっしんするためになに必要ひつようか、宮本みやもとさんと、きびしいこたかえってきました。
日本にっぽんから発信はっしんとかっている時点じてんで『ローカルだな』とおもんですよ。はじめは『ドンキーコング』も、アメリカれるためにどうつくろうかというよりも、アメリカのひとたちをモニターしながらつくったんですよ。だからグローバルというのはあまり意識いしきしていないんです。最初さいしょから世界せかいつくっているんです」

日本にっぽんかとか、過去かこどんなものがれたとか関係かんけいなく、『ここおもしろいんですよね』という、自分じぶんなかにある、おもしろいものを一生いっしょう懸命けんめいかってもらうためにゲーム映画えいがつくっていけば、それはおのずとグローバルにつうじるので、かたちかられずにものつくったほうがいいとおもんです」
「おもしろい」を追い求おいもとめた結果けっか世界せかいてきなキャラクターにまで成長せいちょうしたマリオ。

宮本みやもとさん自身じしん予測よそく不能ふのうつぎ展開てんかい着地ちゃくちてんはどこなのか、はなせません。
ソース:NHK ニュース