“再生さいせい医療いりょうの副作用ふくさよう 正まさしく報告ほうこくされていない可能かのう性せい” 調査ちょうさ結果けっか

美容びよう目的もくてきなどで自由じゆう診療しんりょうで行おこなわれている再生さいせい医療いりょうについて、国立こくりつがん研究けんきゅうセンターなどのグループは、副作用ふくさようなどの報告ほうこくが大幅おおはばに少すくなく、正まさしく報告ほうこくされていない可能かのう性せいがあるなどとする調査ちょうさ結果けっかを発表はっぴょうしました。

この調査ちょうさ結果けっかは国立こくりつがん研究けんきゅうセンター研究けんきゅう支援しえんセンターの一家いっか綱つな邦くに部長ぶちょうらのグループが国際こくさい的てきな科学かがく雑誌ざっしの「ステム・セル・リポーツ」で発表はっぴょうしました。

美容びよう目的もくてきなどで培養ばいようした細胞さいぼうを注射ちゅうしゃするなどの「再生さいせい医療いりょう」は、国くにの承認しょうにんを受うけずに自由じゆう診療しんりょうで行おこなわれるケースが増ふえていますが、重おもい副作用ふくさようなどの疑うたがいがあった場合ばあいは、民間みんかんの審査しんさ委員いいん会かいに報告ほうこくする必要ひつようがあります。

再生さいせい医療いりょうは年間ねんかんおよそ10万まん回かい、実施じっしされていますが、グループが全国ぜんこくおよそ150の審査しんさ委員いいん会かいのうち議事ぎじ録ろくが確認かくにんできたおよそ90の委員いいん会かいについて2020年度ねんどに寄よせられた副作用ふくさようなどの報告ほうこく件数けんすうを調しらべたところ、10件けんにとどまっていたということです。

グループでは報告ほうこく件数けんすうが大幅おおはばに少すくないことから副作用ふくさようなどの情報じょうほうが正ただしく報告ほうこくされていない可能かのう性せいがあると指摘してきしています。

一方いっぽう、再生さいせい医療いりょうでも国くにの承認しょうにんを受うけている3つの製品せいひんでは、使用しよう3回かいから4回かいあたり、1件けん程度ていどの報告ほうこくがあったということです。

一家いっか部長ぶちょうは「正まさしく報告ほうこくされないと患者かんじゃが治療ちりょうについて判断はんだんできなくなってしまう。医師いしの性善説せいぜんせつを信しんじてきたが、新あらたな仕組しくみが必要ひつようではないか」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース