埼玉さいたま 立たてこもり医師いし殺害さつがいの裁判さいばん 68歳さいの被告ひこくに無期むき懲役ちょうえき判決はんけつ

2022年ねん1月つき、埼玉さいたま県けんふじみ野ふじみの市しの住宅じゅうたくに立たてこもり、医師いしを散弾さんだん銃じゅうで殺害さつがいした罪つみなどに問とわれた68歳さいの被告ひこくに、さいたま地方ちほう裁判所さいばんしょは「一方いっぽう的てきに恨うらみを募つのらせた強固きょうこな殺意さついに基もとづく冷酷れいこくな犯行はんこうだ」として無期むき懲役ちょうえきの判決はんけつを言い渡いいわたしました。

2022年ねん1月つき、ふじみ野ふじみの市しの住宅じゅうたくで弔問ちょうもんに訪おとずれて人質ひとじちになった医師いしの鈴木すずき純一じゅんいちさん（当時とうじ44）が散弾さんだん銃じゅうで殺害さつがいされ、一緒いっしょにいた理学りがく療法りょうほう士しも大だいけがをさせられた事件じけんでは、およそ11時間じかん立たてこもった渡邊わたなべ宏ひろし 被告ひこく（68）が殺人さつじんなどの罪つみに問とわれました。

争点そうてんは殺意さついの有無うむで、検察けんさつは狭せまい室内しつないで散弾さんだん銃じゅうを発射はっしゃするなど強つよい殺意さついがあったと主張しゅちょうした一方いっぽう、被告ひこくの弁護士べんごしは、けがをさせようとしたもので殺意さついはなく傷害しょうがい致死ちし罪ざいが相当そうとうだと主張しゅちょうしていました。

12日にちの判決はんけつで、さいたま地方ちほう裁判所さいばんしょの小池こいけ健治けんじ 裁判さいばん長ちょうは「至近しきん距離きょりで胸むねに向むけて銃弾じゅうだんを発射はっしゃしたのは非常ひじょうに危険きけんなもので、被告ひこくが事件じけん直前ちょくぜんに書かいたメモなどからも高たかい計画けいかく性せいがあり強固きょうこな殺意さついに基もとづく冷酷れいこくな犯行はんこうだ」などと指摘してきしました。

そのうえで「死亡しぼうした母親ははおやの蘇生そせい措置そちを断ことわられたことに一方いっぽう的てきに恨うらみを募つのらせた犯行はんこうは理不尽りふじんというほかない」などとして求刑きゅうけい通どおり無期むき懲役ちょうえきの判決はんけつを言い渡いいわたしました。

裁判さいばんのあと、被告ひこくの弁護士べんごしは「主張しゅちょうが認みとめられず残念ざんねんだ。控訴こうそするか検討けんとうしたい」と述のべました。

裁判さいばん長ちょう「先生せんせいの家族かぞくや被害ひがい者しゃをどれだけ苦くるしめたのか 分わかって」

さいたま地方ちほう裁判所さいばんしょの小池こいけ健治けんじ 裁判さいばん長ちょうは、判決はんけつを言い渡いいわたしたあと被告ひこくに対にたいして「あなたが介護かいごを頑張がんばり、母親ははおやを亡なくした悲かなしさの大おおきさは分わかるが、銃じゅうを使つかって不満ふまんを晴はらすことは決けっして許ゆるされない。あなたは母親ははおやを十分じゅうぶんにみとることができた一方いっぽう、鈴木すずき先生せんせいは前日ぜんじつにわずかに妻つまや子こどもと話はなしをするのみで、十分じゅうぶんに話はなしができず突然とつぜん銃弾じゅうだんを受うけ、どれだけ無念むねんだったか。あなたは鈴木すずき先生せんせいの命いのちを奪うばった深刻しんこくさや重大じゅうだいさについて、いまだ見みつめ直なおせていないように思おもう。いかに愚おろかな判断はんだんをして冷酷れいこくな犯行はんこうをしたのか、鈴木すずき先生せんせいの家族かぞくや被害ひがい者しゃをどれだけ苦くるしめたのか分わかってほしい。そこからあなたの償つぐないが始はじまると思おもう」と語かたりました。

ソース：NHK ニュース