大谷選手は道徳の教科書にも…担当者は入団会見どう見た?
2023-12-15 08:48:14

大谷選手の活躍は英語や社会などさまざまな教科書に掲載されていて、このうち光村図書の小学5年生の道徳では「夢を実現するためには」という内容で紹介されています。
大谷選手が小学3年生の時から「プロ野球選手になりたい」と言い続けてきたことや、具体的な目標を決めて練習してきたことを取り上げ、マンダラチャートと呼ばれる高校時代に活用していた「目標達成シート」も紹介しています。
教科書は、大谷選手がメジャーリーグに挑戦した2018年から使われています。
当時、編集長を務めていた渋谷恵さんは「大谷選手が夢を持って自分の強い意志で成し遂げていく姿を通して、子どもたちに夢を持って、目標に向かって頑張りたいと感じてほしい」という思いを込めたといいます。
15日の会見を見た渋谷さんは、「いろいろな人への感謝を述べた上で自分の思いを語る姿が大谷選手らしいと思いました。今後の活躍すべてが楽しみです」とその人柄を称賛していました。
またメジャーでも活躍を続けることについて「どんどん実績が上書きされて名声が高まっていると感じます。ただ、大谷選手のようになることが大事なのではなく、子どもたちがそれぞれどんな風になりたいか、どんなことをやっていけばいいのか、自分なりに考えてもらおうと教科書に掲載しました。大人になった時に、目標達成シートを書いて頑張ったことを思い出してもらえたら」と話していました。
大谷選手の教科書の内容は来年4月からも引き続き掲載されるということですが、写真はドジャースではなく日本ハム時代のままだということです。
スーパー「ドジャース」で二刀流にちなんだ特製弁当 秋田
秋田県では、大リーグの大谷翔平選手が入団記者会見を開いた球団と同じ名前のスーパー「ドジャース」で、店を訪れる客が増え始め、ことし7月の記録的な大雨で被害を受けるなど厳しい経営が続く中、意外な効果だとして、関係者からは喜びの声があがっています。
秋田県内で6店舗を展開するこのスーパーは、40年ほど前に前身となる会社を引き継いだ際、大リーグのドジャースにちなみ、店の名前を同じにしていて、店員のジャンパーやエプロンも球団と同じ青色です。
ことし7月の記録的な大雨では、秋田市の一部の店舗が床上浸水の被害を受けて休業を余儀なくされるなど厳しい経営状況が続いていましたが、大谷選手の移籍が決まってから店を訪れる人が増え、15日も店内はおおぜいの買い物客でにぎわっていました。
スーパーでは、この人気にあやかろうと、15日からフランクフルトとたこ焼きをバットとボールに見立てた総菜や大谷選手の二刀流にちなんで肉と魚を一緒にした特製弁当などの販売も始め、店の売り上げの回復とともに、大谷選手の新天地での活躍を応援したいとしています。
スーパーを経営する会社の挽野泰次 会長は「大谷選手は隣の岩手県の出身で、親しみのある人も多く、客足が伸びたのだと思います。大雨だけでなく、県内の人口減少も影響して厳しい経営環境が続いていますが、少しでも明るい話題ができて良かったと感じています」と話していました。
奥州市のファン「世界一実現に向けて引き続き応援したい」
大リーグ、ドジャースと10年契約を結んだ大谷翔平選手の記者会見を見た出身地の岩手県奥州市のファンからは今後の活躍への期待の声が聞かれました。
このうち、奥州市で美容室を営む菅野広宣さんは大谷選手がプロ野球・日本ハムに入団したころからグッズを集め始め、店内だけでもおよそ200点が展示されています。
15日午前8時すぎに大谷選手の入団会見が始まるとドジャースを選んだ理由などに耳を傾けていました。
菅野さんは「きょうの会見でワールドチャンピオンへの扉が開いたような気がします。ドジャースと大谷選手の思いは一致していると思うので、世界一実現に向けて引き続き応援していきたい」と話していました。
菅野さんの美容室には地元の人だけにとどまらず全国各地、さらに世界から大谷選手のゆかりの地をめぐるいわゆる「聖地巡礼」の場所の1つとして多くの人が訪れています。
店内にはこれまで所属していたエンジェルスカラーの赤色のグッズが多くなっていますが、今後はドジャーブルーのグッズを増やしていきたいということです。
菅野さんはドジャース入団が発表されてからすぐに背番号「17」が入った大谷選手のユニフォームは購入したということで「ドジャースのユニフォームを壁の真ん中に置くためにグッズのレイアウトも変えようと思います。ユニフォームがアメリカから到着するのは来年1月ごろになるとみられ心待ちにしています」と話していました。
大谷選手の出身地にある道の駅でも期待の声 岩手
大谷翔平選手の顔出しパネルが設置されている岩手県奥州市の道の駅の関係者からは2年連続のホームラン王を期待する声が聞かれました。
大谷選手の出身地、奥州市水沢にある「道の駅みずさわ」には大谷選手を応援しようと、バッティングの姿をした顔出しパネルが2019年から設置されています。
道の駅の菊池郁子駅長によりますと、設置以来、東北の人たちを中心に道の駅に立ち寄った際には写真を撮るなどしているということです。
15日の入団会見について菊池駅長は「大谷選手の勝ちたいという思いが伝わってきた。ことし以上にドジャースでホームランを打って、2年連続でのホームラン王を期待したい」と話していました。
顔出しパネルはこれまで所属していたエンジェルスの赤色のヘルメットやユニホーム姿をしているため、菊池駅長は「もうエンジェルスカラーは見られないので名残惜しい気持ちもあります。すぐに変えられるものではありませんが、ゆくゆくはドジャーブルーに変えていけたらと思います」と話していました。
「道の駅みずさわ」の前でキッチンカーを営んでいるという男性は大谷選手が近所に住んでいたということで、15日は最近購入したというドジャースのパーカーを着ていました。
男性は「大谷選手は小さいころからあいさつをする時も律儀に正面に回ってあいさつをしてくれる子どもでした。今となっては雲の上の存在です。親心として、試合でケガをしないか心配してしまいますが、今後は青一色で応援していきたいです」と話していました。
大谷選手が「応援大使」務めた月形町から応援の声 北海道
日本ハムは北海道内の市町村について、選手を「応援大使」に任命する取り組みを行っていて、大谷選手は大リーグへの挑戦を表明した2017年には札幌市からおよそ50キロ離れた月形町の「応援大使」でした。
大谷選手はエンジェルスへの入団が決まる前の2017年11月に月形町を訪れて、地元の小学生とキャッチボールをしたり、町内の体育館で700人を前にトークショーを行ったりしました。
大谷選手がドジャースに入団して新たなスタートを切ったことについて、当時、トークショーなどを担当した月形町企画振興課の村瀬潤一 参事は「月形町に来た際には、予定になかった老人ホームにも訪問してもらい、本当に優しく対応してもらいました。自分も含めて町民は大谷選手に親しみを持っているので、みんな応援しています」と話していました。
また、大谷選手が町を訪れた当時、小学3年だった伊藤櫂さんは「大谷選手とキャッチボールをしたのは自分を作る大切な思い出です。大谷選手のボールは優しいけど、強くズッシリしたボールでした。大谷選手の活躍は励みになるので、ワールドシリーズで優勝する姿を見たいです」と話していました。