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“残された時間多くない” 拉致被害者家族 シンポジウムで訴え
2023-12-16 09:12:46

北朝鮮による拉致問題の解決に向けたシンポジウムが東京で開かれ、参加した被害者の家族は帰国を待つ親世代の高齢化が進み「残された時間は多くない」としてすべての被害者を帰国させるため日朝首脳会談の実現を求めました。
シンポジウムは北朝鮮の人権侵害問題を考える啓発週間に合わせて政府が開いたもので、14日拉致問題担当大臣に就任した林官房長官も出席しました。
この中で被害者の家族会代表で、46年前に拉致された横田めぐみさんの弟の拓也さんは「母、早紀江は現在87歳で、体の衰えを隠すことができません。また、被害者の有本恵子さんの父親の明弘さんは95歳で、本日も、遠路から参加されています。自分の家族、子どもと再会したい取り戻したいという一心で、戦っています」と訴えました。
そのうえで「絶対に負けられない命のかかった戦いです。速やかに日朝首脳会談を開催し、全拉致被害者が日本に帰国し、家族と再会できるよう動いてほしいです」と日本政府に求めました。
また、1歳の時に母親の田口八重子さんを拉致された飯塚耕一郎さんは「拉致被害者はただ孤独を感じ、ただ子どもを思い、ただ日本を思い出し、暮らしていると思います。今も、夢や希望を奪われ続けています。キム・ジョンウン(金正恩)総書記は、全拉致被害者の即時一括帰国の決断をしてください。真の解決のためのタイミングは今ここしかないのです」と訴えました。
拉致問題をめぐっては、岸田総理大臣が日朝首脳会談を実現させるためみずからが直轄するハイレベル協議を始めたいという考えを示していますが、これまでに目に見える動きはなく家族の間では残された時間は多くないという焦りが強まっています。
シンポジウムのあと、拓也さんは「私たちが求めているのは親世代が健在なうちに被害者を取り戻すことです。日本政府も北朝鮮政府も時間的制約のある問題だということを心から受け止めてほしい」と話しました。
ソース:NHK ニュース