トランプ次期大統領とバイデン大統領が会談 ホワイトハウス
2024-11-13 23:28:23

トランプ氏 約4年ぶりのホワイトハウス訪問
アメリカ大統領選挙で勝利した共和党のトランプ次期大統領はバイデン大統領の招待を受けて13日、日本時間の14日未明、首都ワシントンのホワイトハウスの大統領執務室を訪れて、会談しました。
トランプ氏がホワイトハウスを訪れるのは、前回の大統領の任期を終えたとき以来、初めてで、およそ4年ぶりとなります。
会談の冒頭、2人は握手を交わし、バイデン大統領は「次期大統領のドナルド、おめでとう。スムーズに政権の移行を進めることを楽しみにしている。おかえりなさい」と述べました。
これに対しトランプ氏は「ありがとう。政治は厳しいもので多くの場合、すてきな世界ではないが、きょうはすてきな世界だ。円滑な政権移行についてジョーにとても感謝する」と述べ、2人は笑みも見せました。
ホワイトハウスによりますと、会談はおよそ2時間にわたり、ザイエンツ大統領首席補佐官とトランプ氏が自身の首席補佐官に起用するワイルズ氏も同席し、アメリカが国内外で直面する問題について意見を交わしたということです。
また、バイデン大統領はウクライナに対する支援を継続することは、アメリカの安全保障上の利益にかなうという考えをトランプ氏に強調したということです。
トランプ次期大統領は大統領選挙の勝利からおよそ1週間で次期政権の閣僚などの人事を次々と発表しており、今後、来年1月の政権発足に向けた準備をさらに進めていくものとみられます。
会談に先だちトランプ氏 大統領選以降初めて公の場で発言
アメリカ大統領選挙で勝利した共和党のトランプ氏は13日、ホワイトハウスを訪れるのに先だって首都ワシントンで開かれた共和党の下院議員が集まる会合に姿を見せ「勝つのはいつも良いことだ。われわれはあらゆる点で勝った。7つの激戦州すべてで、大差でだ。最高だ」と述べました。
トランプ氏が公の場で発言するのは、今月6日に支持者を前に勝利宣言をして以降初めてです。
ホワイトハウス周辺にトランプ氏支持者など約50人
トランプ氏を乗せた車列を一目見ようと、ホワイトハウスのまわりには、支持者などおよそ50人が集まっていました。
支持者の1人は「トランプ氏への支持を示すためにここに来た。彼が再び戻ってきたことに興奮している。彼はアメリカを助け、経済がよくなると思う」と話していました。
また別の支持者は「バイデン政権には満足していない。この国を苦しめることをしてきたと思う。国民のために働くよりよい政権に期待したい。トランプ氏は国民のために働く」と話していました。
【解説】双方のねらいは
Q.トランプ氏としては、どんな思いで会談に臨んだのか?
A.4年前の選挙で、敗北を認めないまま、ここホワイトハウスを去ったトランプ氏にとっては、まさに凱旋となり、その表情からは自信が伝わってきました。
トランプ氏は前日までに、実業家のイーロン・マスク氏の起用をはじめとした、これまでの常識を覆す政権人事を相次いで発表しており、今度こそワシントンの政治を根底から変えようという強い意志表示だと受け止められています。
会談の直後には、議会下院の選挙でも、共和党が多数派となることが確実となり、大統領職と上下両院すべてを共和党が掌握する、いわゆる「トリプルレッド」が実現することになりました。
さらに、トランプ氏を起訴した議会乱入事件を担当している特別検察官が、近く起訴を取り下げて辞任するとの報道も重なり、“トランプ劇場の第二幕”の始まりを象徴するような1日となっています。
Q.バイデン大統領としてのねらいはどこにあったのか?
A.4年前に自分を招かなかったトランプ氏をあえて招くことでみずからが考える民主主義の規範を示すとともに、これまで積み上げてきた成果を損うことがないよう、くぎを刺すねらいがありました。
バイデン大統領は、トランプ氏の働きかけによってウクライナでの戦闘がロシアに利する形で終結することを懸念していて、ウクライナへの支援継続の重要性を伝えたということです。
バイデン氏は15日、APECなどの国際会議に出席するため南米に向けて出発します。
ただ、そこでも各国の関心を集める影の主役はトランプ氏になりそうです。