「JPドラゴン」幹部 移送し逮捕の方針 ルフィグループと接点も
2024-11-18 03:05:02

警視庁が逮捕状を取って捜査しているのは、フィリピンを拠点にした日本人の犯罪グループ「JPドラゴン」の幹部の小山智広容疑者(50)です。
捜査関係者によりますと、2019年、特殊詐欺の電話を受けた都内の50代の女性からキャッシュカードを受け取り、現金およそ70万円を引き出したとして、窃盗の疑いが持たれています。
小山容疑者はことし1月、詐欺に関わった疑いでフィリピンの当局に拘束されていましたが、強制送還されることになり、警視庁は19日、日本に移送して逮捕する方針です。
容疑者は、一連の広域強盗事件を起こした「ルフィグループ」の指示役の今村磨人被告(40)が警視庁に逮捕され、警察署の留置施設にいた当時、弁護士を通じてテレビ電話をつなぎ、被告と会話していたことも明らかになっています。
警視庁は詳しい経緯を調べるとともに、日本と海外の犯罪組織の関係やそれぞれの役割などについて、実態解明を進める方針です。
「JPドラゴン」とは
「JPドラゴン」は日本の元暴力団員らがフィリピンを拠点に立ち上げた犯罪グループです。
捜査関係者によりますと、フィリピン国内での違法賭博などに深く関与しているとみられるほか、メンバーの一部はフィリピンに拠点を移した日本の犯罪グループと結びつき、詐欺などを繰り返している疑いがあるとして、日本の警察当局が捜査を続けていました。
おととしから去年にかけて、日本国内で一連の広域強盗事件を起こした「ルフィグループ」と、「JPドラゴン」との接点も明らかになっていて、NHKは、「JPドラゴン」の幹部である小山容疑者と日本の警察署の留置施設にいた「ルフィグループ」の指示役の今村磨人被告が弁護士を通じてテレビ電話をつなぎ、会話していた際のものとされる画像を入手しています。
「JPドラゴン」に詳しい関係者は、取材に対し、「今村被告ら指示役が逮捕されたあとも、ルフィグループの残りのメンバーと、JPドラゴンが一緒に詐欺を続けていた」と証言しています。
NHKが関係者から入手したフィリピンの詐欺の拠点で、今村被告らの逮捕後に撮影されたという動画では、複数の男が警察官をかたり、だましの電話をかけています。
この拠点に小山容疑者が指示役として出入りしていたということです。
このほか日本国内の被害者から詐欺でだまし取ったカネをフィリピンに運んでいたとみられる「JPドラゴン」のメンバーを、福岡県警などが逮捕しています。
日本の警察当局は闇バイトなどを実行役にした国内の犯罪グループと、海外を拠点にした組織が協力関係を築きながら、「匿名・流動型犯罪グループ」の一翼を形成しているとみて、実態解明を進めています。