「仁徳にんとく天皇陵てんのうりょう」共同きょうどう調査ちょうさ 埴輪はにわや石いし敷しき見みつかる

「仁徳にんとく天皇陵てんのうりょう」として管理かんりされ、「大山おおやま古墳こふん」とも呼よばれる国内こくない最大さいだいの前方後円墳ぜんぽうこうえんふんで、宮内庁くないちょうが地元じもとの大阪おおさか 堺さかい市しと共同きょうどう調査ちょうさを行おこなった結果けっか、墳丘ふんきゅうを取り囲とりかこむ堤つつみの部分ぶぶんから、築造ちくぞう当時とうじのものとみられる一いち列れつに並ならべられた埴輪はにわや石いしが敷き詰しきつめられた跡あとが見みつかりました。

この調査ちょうさは、宮内庁くないちょうが今後こんごの保全ほぜん整備せいびに向むけて、古墳こふんがある大阪おおさか 堺さかい市しと先月せんげつ下旬げじゅんから行おこなっているものです。

天皇てんのうなどが葬ほうむられたとして宮内庁くないちょうが管理かんりしている陵墓りょうぼは「静せい安やすと尊厳そんげんの保持ほじが重要じゅうよう」だとして、外部がいぶの立ち入たちいりなどが厳きびしく制限せいげんされていますが、初はじめて共同きょうどう調査ちょうさとして行おこなわれました。

調査ちょうさは墳丘ふんきゅうを３さん重じゅうに取り囲とりかこむ濠ほりと濠ほりの間まにある２ふたつの堤つつみのうち、内側うちがわにある堤つつみの３さんか所かしょを掘り下ほりさげて行おこなわれました。その結果けっか、いずれの場所ばしょでも、堤つつみの外側そとがわの部分ぶぶんで、筒つつの形かたちをした円筒えんとう埴輪はにわなどが濠ほりに沿そうように一いち列れつに並ならべられていた様子ようすが確認かくにんされました。

また、近ちかくには人間にんげんの拳こぶしほどの大おおきさの石いしが敷き詰しきつめられた石敷せきふきが見みつかりました。いずれも５ご世紀せいきに古墳こふんが造つくられた当時とうじのものと考かんがえられ、埴輪はにわを一定いっていの深ふかさまで埋うめたあと、その周まわりに石いしを敷き詰しきつめた跡あとと考かんがえられるということです。石いし敷しきは周辺しゅうへんのほかの古墳こふんでは見みつかっていないということです。

宮内庁くないちょうの徳田とくた誠まこと志こころざし陵墓りょうぼ調査ちょうさ官かんは「出土しゅつどした埴輪はにわなどからは、古墳こふんが造つくられた時期じきなど、これまでの見解けんかいを大おおきく変かえるような特徴とくちょうは見みつかっていないが、ほかの古墳こふんでも同おなじような石敷せきふきの例れいがないかなど確認かくにんを進すすめていきたい」と話はなしています。

共同きょうどう調査ちょうさは来月らいげつ上旬じょうじゅんまで行おこなわれ、調査ちょうさの結果けっかは報告ほうこく書しょとしてまとめられるということです。

この調査ちょうさは、宮内庁くないちょうが今後こんごの保全ほぜん整備せいびに向むけて、古墳こふんがある大阪おおさか 堺さかい市しと先月せんげつ下旬げじゅんから行おこなっているものです。

天皇てんのうなどが葬ほうむられたとして宮内庁くないちょうが管理かんりしている陵墓りょうぼは「静せい安やすと尊厳そんげんの保持ほじが重要じゅうよう」だとして、外部がいぶの立ち入たちいりなどが厳きびしく制限せいげんされていますが、初はじめて共同きょうどう調査ちょうさとして行おこなわれました。

調査ちょうさは墳丘ふんきゅうを３さん重じゅうに取り囲とりかこむ濠ほりと濠ほりの間まにある２ふたつの堤つつみのうち、内側うちがわにある堤つつみの３さんか所かしょを掘り下ほりさげて行おこなわれました。その結果けっか、いずれの場所ばしょでも、堤つつみの外側そとがわの部分ぶぶんで、筒つつの形かたちをした円筒えんとう埴輪はにわなどが濠ほりに沿そうように一いち列れつに並ならべられていた様子ようすが確認かくにんされました。

また、近ちかくには人間にんげんの拳こぶしほどの大おおきさの石いしが敷き詰しきつめられた石敷せきふきが見みつかりました。いずれも５ご世紀せいきに古墳こふんが造つくられた当時とうじのものと考かんがえられ、埴輪はにわを一定いっていの深ふかさまで埋うめたあと、その周まわりに石いしを敷き詰しきつめた跡あとと考かんがえられるということです。石いし敷しきは周辺しゅうへんのほかの古墳こふんでは見みつかっていないということです。

宮内庁くないちょうの徳田とくた誠まこと志こころざし陵墓りょうぼ調査ちょうさ官かんは「出土しゅつどした埴輪はにわなどからは、古墳こふんが造つくられた時期じきなど、これまでの見解けんかいを大おおきく変かえるような特徴とくちょうは見みつかっていないが、ほかの古墳こふんでも同おなじような石敷せきふきの例れいがないかなど確認かくにんを進すすめていきたい」と話はなしています。

共同きょうどう調査ちょうさは来月らいげつ上旬じょうじゅんまで行おこなわれ、調査ちょうさの結果けっかは報告ほうこく書しょとしてまとめられるということです。

甲子園こうしえん球場きゅうじょう12個こ分ぶんの広ひろさ

宮内庁くないちょうが「仁徳にんとく天皇陵てんのうりょう」として管理かんりしている古墳こふんは大阪おおさか 堺さかい市しにある国内こくない最大さいだいの前方後円墳ぜんぽうこうえんふんで、古墳こふんがある場所ばしょの地名ちめいや古こ文書ぶんしょの表記ひょうきから「大山おおやま古墳こふん」や「大仙だいせん陵りょう古墳こふん」などとも呼よばれています。

５ご世紀せいきに造つくられたと考かんがえられ、鍵穴かぎあなの形かたちをした墳丘ふんきゅうの長ながさは486メートル、周囲しゅういを３さん重じゅうに取り囲とりかこむ濠ほりを含ふくめた面積めんせきはおよそ47万まん平方メートルへいほうめ-とるで、甲子園こうしえん球場きゅうじょう12個こ分ぶんの広ひろさです。

古墳こふんを造つくるには１いち日にちに2000人にんが働はたらいても15年ねん以上いじょうかかったという試算しさんもあります。

周辺しゅうへんには多おおくの古墳こふんがあり「百舌鳥もず・古市ふるいち古墳こふん群ぐん」として、国くにはユネスコの世界せかい文化ぶんか遺産いさんへの登録とうろくを目指めざしています。

確認かくにんされたものは

今回こんかいの共同きょうどう調査ちょうさは、鍵穴かぎあなの形かたちをした墳丘ふんきゅうを３さん重じゅうに取り囲とりかこむ濠ほりと濠ほりの間まにある２ふたつの堤つつみのうち、「第だい１いち堤つつみ」と呼よばれる内側うちがわの堤つつみで行おこなわれています。

堤つつみの南東なんとう部ぶの３さんか所かしょに、幅はば２にメートル、長ながさ28メートルから31メートルの調査ちょうさ用ようの穴あなが掘ほられました。

その結果けっか、調査ちょうさ用ようの穴あなの３さんか所かしょすべてで、堤つつみの外側そとがわの濠ほりに沿そうように埴輪はにわが一いち列れつに並ならべられた様子ようすが確認かくにんされました。

埴輪はにわは直径ちょっけい35センチほどの円筒えんとう埴輪はにわなどで、宮内庁くないちょうは堤つつみを一周いっしゅうする埴輪はにわの列れつがあったと見みています。聖せいなる世界せかいと外そとの世界せかいを分わけることや神聖しんせいな部分ぶぶんを守まもる目的もくてきで、埴輪はにわが並ならべられていたのではないかということです。

今回こんかいの調査ちょうさでは、このほかにも朝顔あさがおの形かたちをした埴輪はにわの破片はへんなどが見みつかりましたが、宮内庁くないちょうはいずれも古墳こふんが造つくられた当時とうじのものと見みて、築造ちくぞう年代ねんだいなどについて従来じゅうらいの見解けんかいを大おおきく変かえるような状況じょうきょうは確認かくにんされていないとしています。

立ち入たちいり制限せいげんも保全ほぜん目的もくてきで調査ちょうさ

天皇てんのうや皇后こうごう、皇族こうぞくが埋葬まいそうされているとして、宮内庁くないちょうが管理かんりしている陵墓りょうぼは「静せい安やすと尊厳そんげんを保たもつ必要ひつようがある」として、外部がいぶの研究けんきゅう者しゃなどの立ち入たちいりが厳きびしく制限せいげんされています。

これに対にたいして、歴史れきし学がくや考古こうこ学がくの研究けんきゅう者しゃの団体だんたいは、陵墓りょうぼが持もつ文化財ぶんかざいとしての価値かちを訴うったえて公開こうかいを求もとめ、平成へいせい20年ねんからは年としに１いちか所かしょから２にか所かしょ、研究けんきゅう者しゃの立ち入たちいりが行おこなわれるようになりましたが、土器どきなどの採集さいしゅうや測量そくりょうは認みとめられていません。

今回こんかいの「仁徳にんとく天皇陵てんのうりょう」での調査ちょうさは、濠ほりの水みずの影響えいきょうで浸食しんしょくが進すすむ墳丘ふんきゅうの保全ほぜんが目的もくてきで、宮内庁くないちょうは調査ちょうさの質しつを高たかめるため、初はじめて地元じもと・堺さかい市しとの共同きょうどう調査ちょうさに踏み切ふみきりました。

付近ふきんの古墳こふんなどでの調査ちょうさ経験けいけんが豊富ほうふな堺さかい市しの学芸がくげい員いん１いち人にんが、連日れんじつ現場げんばに入はいりました。宮内庁くないちょうの徳田とくた誠まこと志こころざし陵墓りょうぼ調査ちょうさ官かんは「出土しゅつどした石いしが地元じもとのものかどうかなど、具体ぐたい的てきな意見いけんをその場ばでもらっている。現場げんばの調査ちょうさだけでなく、今後こんごの報告ほうこく書しょの作成さくせいを含ふくめて地元じもとの協力きょうりょくを得えられる意義いぎは大おおきい」と話はなし、今後こんごも堺さかい市しと共同きょうどうで堤つつみの調査ちょうさを続つづけたい考かんがえを示しめしています。

専門せんもん家か「状態じょうたいよく驚おどろき」

古墳こふんの共同きょうどう調査ちょうさが進すすめられている現場げんばには、考古こうこ学がくや歴史れきし学がくに関にかんする16の団体だんたいの40人にん余あまりの研究けんきゅう者しゃも入はいり、およそ１いち時間じかん半はんほど見学けんがくしました。

見学けんがくのあと、日本にっぽん考古こうこ学がく協会きょうかいの杉井すぎい健けん理事りじは「堤つつみの上うえの面めんが非常ひじょうによい状態じょうたいで残のこされていることに驚おどろきました。列れつになって見みつかった埴輪はにわは、装飾そうしょくや墳丘ふんきゅうを守まもる意味いみがあったのかもしれません。今後こんごも共同きょうどう調査ちょうさを続つづけてもらい、市民しみん向むけの映像えいぞう報告ほうこく会かいなど、調査ちょうさ結果けっかの伝つたえ方かたも工夫くふうして行いってほしい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース