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中国ちゅうごく “ゲノム編集へんしゅう双子ふたご誕生たんじょう” の動画どうが 倫理りんりてき手続てつづ不明ふめい

2018-11-26 21:20:55

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中国ちゅうごく研究けんきゅうしゃが「ゲノム編集へんしゅう」とばれる遺伝いでん情報じょうほう自在じざい書き換かきかえる技術ぎじゅつ使つかって、エイズウイルスに感染かんせんしないようヒトの受精卵じゅせいらん操作そうさし、実際じっさい双子ふたごあかちゃん誕生たんじょうしたと主張しゅちょうする動画どうがを26にち公開こうかいしました。研究けんきゅうしゃ所属しょぞくする大学だいがくは、事実じじつとすれば倫理りんりじょう問題もんだいあるとして調査ちょうさ乗り出のりだし、中国ちゅうごく政府せいふ地元じもと担当たんとう部門ぶもん調査ちょうさ指示しじしました。
中国ちゅうごく南部なんぶ広東かんとんしょう深センしんせん※にある南方なんぽう科技かぎ大学だいがくけんじゅん教授きょうじゅは、「ゲノム編集へんしゅう」という技術ぎじゅつ使つかって、エイズウイルスに感染かんせんしないようヒトの受精卵じゅせいらん遺伝子いでんし操作そうさし、今月こんげつ双子ふたごあかちゃん誕生たんじょうしたと主張しゅちょうする複数ふくすう動画どうが日本にっぽん時間じかんの26にち、インターネットの動画どうがサイトに投稿とうこうしました。

ヒトの受精卵じゅせいらんのゲノム編集へんしゅう遺伝いでんせい病気びょうき治療ちりょうにつながると期待きたいされる一方いっぽう影響えいきょう予測よそくしきれないことなどから倫理りんりじょう問題もんだいあるという指摘してきがあり、アメリカでは、将来しょうらいてきには透明とうめいせい確保かくほしたうえですう世代せだいにわたって追跡ついせき調査ちょうさおこななどきびしい条件じょうけんのもとでのみ容認ようにんしうる、としています。

今回こんかい研究けんきゅう内容ないようをまとめた論文ろんぶんしめされておらず、倫理りんりてき手続てつづあきらかになっていません。

南方みなかた科技かぎ大学だいがくは「じゅん教授きょうじゅ研究けんきゅう学術がくじゅつにおける倫理りんり規範きはんいちじるしく違反いはんしている」とする声明せいめい発表はっぴょうし、事実じじつとすれば問題もんだいあるとして調査ちょうさ乗り出のりだしました。

中国ちゅうごく政府せいふも、研究けんきゅう本当ほんとうおこなわれたのか調査ちょうさ結果けっか公表こうひょうするよう、広東かんとんしょう担当たんとう部門ぶもん指示しじしました。

※「セン」は土偏つちへんかわ

生命せいめい倫理りんり研究けんきゅうしゃ「とてつもない人権じんけん問題もんだい

生命せいめい倫理りんり専門せんもん北海道ほっかいどう大学だいがく石井いしい哲也てつや教授きょうじゅは「まれたどもにどのような健康けんこう問題もんだいしょうじるのか検証けんしょうがされていないので、悪影響あくえいきょうたときには取り返とりかえしがつかず、とてつもない人権じんけん問題もんだいなる中国ちゅうごく国内こくない指針ししんでもこうしたことは禁止きんしされているはずで、どのような手続てつづおこなわれたのか検証けんしょうする必要ひつようある。こうした人体じんたい実験じっけんのようなことは国内こくないでも海外かいがいでもおこなべきではない」とつよ非難ひなんしています。

ゲノム編集へんしゅう開発かいはつしゃ安全あんぜん対策たいさくできるまで停止ていしすべき」

ゲノム編集へんしゅう技術ぎじゅつ開発かいはつしたカリフォルニア大学だいがくのジェニファー・ダウドナ教授きょうじゅは「中国ちゅうごく研究けんきゅうしゃ主張しゅちょう本当ほんとうだとしたら、世界中せかいじゅう科学かがくしゃが、慎重しんちょうに、透明とうめいせい確保かくほしたうえで取り組とりくみをすすめるなか逸脱いつだつした行為こういだ」とするコメントしました。

一方いっぽう、ヒトの細胞さいぼうでのゲノム編集へんしゅう世界せかいはじめて成功せいこうしたアメリカのブロード研究所けんきゅうじょのフェン・チャン博士はかせは「ゲノム編集へんしゅう使つかわなくてもどもへのエイズウイルスの感染かんせんふせ効率こうりつてき方法ほうほうはすでに確立かくりつされている。今回こんかいのように受精卵じゅせいらん遺伝子いでんし操作そうさすることは、メリットよりもリスクのほうがはるかにおおきい十分じゅうぶん安全あんぜん対策たいさくできるまではヒトの受精卵じゅせいらんへの応用おうよう停止ていしすべきだ」とするコメントしました。

アメリカ代表だいひょうする研究けんきゅうしゃつく「アメリカ科学かがくアカデミー」は2017ねん、ゲノム編集へんしゅう応用おうようどこまでみとめるべきか、中国ちゅうごく研究けんきゅうしゃくわわってねんちかにわたり議論ぎろんしたうえで報告ほうこくしょをまとめました。

報告ほうこくしょでは、ゲノム編集へんしゅうのヒトの受精卵じゅせいらんへの応用おうようについて、影響えいきょう世代せだいえて受け継うけつがれるなど倫理りんりてき懸念けねんある一方いっぽう遺伝いでんせい病気びょうき治療ちりょうにつながる可能かのうせいがあることから、将来しょうらいてきにはほか治療ちりょう選択肢せんたくしがない場合ばあい透明とうめいせい確保かくほし、すう世代せだいにわたる追跡ついせき調査ちょうさおこななどきびしい条件じょうけんのもとで実施じっし容認ようにんしうるとしています。
ソース:NHK ニュース