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税制改正大綱固まる 未婚の一人親支援で大詰めの調整
2018-12-12 09:20:35

自民党税制調査会は、来年10月の消費税率引き上げに伴う景気対策として、自動車や住宅に関する減税措置の拡充などを盛り込んだ来年度の税制改正大綱の内容をおおむね固めました。一方、未婚の一人親に対する支援策をめぐっては自民・公明両党の意見の隔たりが埋まっておらず、大詰めの調整が続いています。
自民党は12日、税制調査会の会合を開き、来年の消費税率引き上げに伴う景気対策などを盛り込んだ、来年度の税制改正大綱の内容をおおむね固めました。
消費税率引き上げ対策 自動車と住宅が柱
今回の税制改正では、来年の消費税率引き上げの影響を大きく受ける、自動車と住宅の販売の落ち込みを防ぐ対策が柱となります。
(自動車税の減税)
このうち自動車については、車を所有する人が毎年、課税される「自動車税」を排気量に応じて4500円から1000円の範囲で恒久的に引き下げます。消費税の増税が行われる来年10月以降に新車を購入した人が対象です。
具体的な税額は、
▽排気量が1000CC以下の最も小さなクラスの車で年2万9500円から2万5000円に、
▽排気量が1500CCの場合、年3万4500円から3万500円に、
▽2000CCの場合、年3万9500円から3万6000円に
▽2500CCの場合、年4万5000円から4万3500円にそれぞれ引き下げられます。
一方、軽自動車を所有する人が毎年、課税される「軽自動車税」については、年1万800円の税額がそのまま維持されます。
(環境性能割の引き下げ)
自動車を購入する際にかかる税金も期間限定で軽減されます。
今の「自動車取得税」に代わって、来年10月に導入される燃費性能を基準とした「環境性能割」について、最大3%となっている税率が、最初の1年間に限って1%引き下げられ、最大2%となります。
(エコカー減税は縮小)
一方で、燃費のよい車を対象に、車検の際に課税される自動車重量税などを軽減する「エコカー減税」と、自動車税や軽自動車税を軽減する「グリーン化特例」は、対象車種や減税幅が絞られます。自動車税の減税に必要な財源を確保するための措置です。
(住宅ローン減税延長)
住宅については、ローンの残高に応じて所得税が減税される「住宅ローン減税」が拡充されます。
現在の仕組みでは、最大で年間50万円が10年間、減税されますが、消費税率の引き上げ以降に戸建て住宅やマンションを購入した人は、減税を受けられる期間が3年間延長されます。
延長された期間は、最大で建物の価格の2%分を減税し、実質的に消費税率引き上げによる負担増をなくす仕組みになっています。
(自動車税の減税)
このうち自動車については、車を所有する人が毎年、課税される「自動車税」を排気量に応じて4500円から1000円の範囲で恒久的に引き下げます。消費税の増税が行われる来年10月以降に新車を購入した人が対象です。
具体的な税額は、
▽排気量が1000CC以下の最も小さなクラスの車で年2万9500円から2万5000円に、
▽排気量が1500CCの場合、年3万4500円から3万500円に、
▽2000CCの場合、年3万9500円から3万6000円に
▽2500CCの場合、年4万5000円から4万3500円にそれぞれ引き下げられます。
一方、軽自動車を所有する人が毎年、課税される「軽自動車税」については、年1万800円の税額がそのまま維持されます。
(環境性能割の引き下げ)
自動車を購入する際にかかる税金も期間限定で軽減されます。
今の「自動車取得税」に代わって、来年10月に導入される燃費性能を基準とした「環境性能割」について、最大3%となっている税率が、最初の1年間に限って1%引き下げられ、最大2%となります。
(エコカー減税は縮小)
一方で、燃費のよい車を対象に、車検の際に課税される自動車重量税などを軽減する「エコカー減税」と、自動車税や軽自動車税を軽減する「グリーン化特例」は、対象車種や減税幅が絞られます。自動車税の減税に必要な財源を確保するための措置です。
(住宅ローン減税延長)
住宅については、ローンの残高に応じて所得税が減税される「住宅ローン減税」が拡充されます。
現在の仕組みでは、最大で年間50万円が10年間、減税されますが、消費税率の引き上げ以降に戸建て住宅やマンションを購入した人は、減税を受けられる期間が3年間延長されます。
延長された期間は、最大で建物の価格の2%分を減税し、実質的に消費税率引き上げによる負担増をなくす仕組みになっています。
住宅ローン減税の詳細は
住宅ローン減税は、10年以上のローンを組んで住宅を新築したり増改築したりした人に対し、所得税を減税する制度です。
今の制度では、年末のローン残高の1%にあたる金額が最大で年間50万円、10年間、減税されます。
今回の税制改正では、10%の消費税率で新築や増築をした人に対し、減税を受けられる期間を3年間延長します。
延長された期間、つまり11年目から13年目までの期間の減税の額は、最大で建物の価格の2%分として、実質的に、増税による負担の増加をなくす仕組みです。
その際には、建物価格の2%を3年間で分割した金額と、年末のローン残高の1%にあたる金額とを比べ、どちらか少ないほうが減税の額となります。
例えば、建物価格が3000万円の住宅の場合、11年目以降3年間の減税額は、最大で2%にあたる60万円、1年あたり20万円ですが、11年目の年末のローン残高が1000万円になっていると、その年の減税額はそれよりも少ない10万円になります。
今の制度では、年末のローン残高の1%にあたる金額が最大で年間50万円、10年間、減税されます。
今回の税制改正では、10%の消費税率で新築や増築をした人に対し、減税を受けられる期間を3年間延長します。
延長された期間、つまり11年目から13年目までの期間の減税の額は、最大で建物の価格の2%分として、実質的に、増税による負担の増加をなくす仕組みです。
その際には、建物価格の2%を3年間で分割した金額と、年末のローン残高の1%にあたる金額とを比べ、どちらか少ないほうが減税の額となります。
例えば、建物価格が3000万円の住宅の場合、11年目以降3年間の減税額は、最大で2%にあたる60万円、1年あたり20万円ですが、11年目の年末のローン残高が1000万円になっていると、その年の減税額はそれよりも少ない10万円になります。
住宅ローン減税拡充に住宅販売の現場は
「住宅ローン減税」が拡充されることについて、住宅の購入を検討しているからは、減税の詳しい内容を見たうえで買うタイミングを見極めたいという声が聞かれました。
東京 新宿区にある住宅展示場を訪れていた53歳の男性は、「消費税率の引き上げは気にはしています。税制の面で優遇もあるので、増税前後で費用がどうなるのか比較をしっかりしたいなと考えています」と話していました。
一方、夫や子どもと訪れていた女性は、「政策の中身で買うタイミングを決めるということはなく、自分たちのペースで決めたいと思います。タイミングがあえば減税も利用するかなという感じです」と話していました。
この展示場の運営会社によりますと、ことしの10月は、安倍総理大臣が予定どおり消費税率を引き上げる考えを示したこともあって、来場者が多かったということですが、先月以降は、例年どおりの水準に戻っているということです。
運営会社の喜多川好史さんは「前回の消費税率の引き上げの時ほど駆け込みがおきていないのは、やはり税制の優遇が意識されているのかなと思います。いままでは住宅の購入は『増税前に』と話しをするケースが多かったですが、今後はタイミングを見て消費税率の引き上げ後も、ローン減税がありますよとPRしていこうと思っています」と話していました。
東京 新宿区にある住宅展示場を訪れていた53歳の男性は、「消費税率の引き上げは気にはしています。税制の面で優遇もあるので、増税前後で費用がどうなるのか比較をしっかりしたいなと考えています」と話していました。
一方、夫や子どもと訪れていた女性は、「政策の中身で買うタイミングを決めるということはなく、自分たちのペースで決めたいと思います。タイミングがあえば減税も利用するかなという感じです」と話していました。
この展示場の運営会社によりますと、ことしの10月は、安倍総理大臣が予定どおり消費税率を引き上げる考えを示したこともあって、来場者が多かったということですが、先月以降は、例年どおりの水準に戻っているということです。
運営会社の喜多川好史さんは「前回の消費税率の引き上げの時ほど駆け込みがおきていないのは、やはり税制の優遇が意識されているのかなと思います。いままでは住宅の購入は『増税前に』と話しをするケースが多かったですが、今後はタイミングを見て消費税率の引き上げ後も、ローン減税がありますよとPRしていこうと思っています」と話していました。
地方法人税や教育資金贈与なども改正
今回の税制改正には、相続税や贈与税、それに法人税などの改正も盛り込まれます。
(地方法人税の偏在是正)
都市と地方との税収格差を是正するため、企業が自治体に納める地方法人税のうち、法人事業税を国が徴収し、地方に再配分する仕組みが導入されます。
企業が多く集まる東京都については、新たにおよそ4200億円が地方に再配分されることになり、すでに決まっていた法人住民税の再配分と合わせて、およそ9000億円が東京都から地方に移されます。
(教育資金贈与の所得制限)
祖父母や親から教育や結婚、子育てにかかる資金を援助してもらう際、一定の金額までは贈与税が非課税になる措置は、今年度末までだった期限を2年間延長します。
ただ、格差の固定につながっているという批判もあるため、援助を受ける側の人に所得制限を設け、年間の所得が1000万円以下の人に対象を絞ります。
(その他)
商店などを経営する個人事業主が、事業用の土地や建物を後継者に引き継ぐ際、相続税や贈与税の支払いを事業を継続する場合に限って、猶予する制度も新たに設けられます。
このほか、研究開発への投資を増やしたベンチャー企業の法人税の負担を軽くする制度や、災害に備えた計画を作った中小企業が排水ポンプなどの防災設備を導入した場合、税の優遇などを受けられる制度も導入されます。
(未婚の一人親に対する支援策)
一方、未婚の一人親に対する支援策をめぐっては、公明党が配偶者と死別したり離婚したりした一人親と同様に税負担を軽減するよう求めているのに対し、自民党内では「税ではなく予算で対応すべきだ」といった意見や、「税負担を軽減する場合でも限定的にすべきだ」という主張もあり、双方の隔たりは埋まっていません。
このため、両党の税制調査会長らによる大詰めの調整が行われていて、13日に予定されていた税制改正大綱の決定は、14日以降にずれ込む見通しとなりました。
(軽減税率の穴埋め)
一方、来年10月以降、食料品などに限って消費税率を8%に据え置く「軽減税率」の導入で、税収が減る分の穴埋めについても一定のメドをつけました。
すでに決まっているたばこ税の増税や、所得税の見直しによる増収、それに事業者の納税額を正確に把握するため、税率や税額を記載する「インボイス」と呼ばれる請求書の導入で、消費税の税収が増える分を充てることになります。
さらに社会保障費を見直すことで捻出した予算もあて、めどが付いていなかったおよそ6000億円を確保する方針です。
(地方法人税の偏在是正)
都市と地方との税収格差を是正するため、企業が自治体に納める地方法人税のうち、法人事業税を国が徴収し、地方に再配分する仕組みが導入されます。
企業が多く集まる東京都については、新たにおよそ4200億円が地方に再配分されることになり、すでに決まっていた法人住民税の再配分と合わせて、およそ9000億円が東京都から地方に移されます。
(教育資金贈与の所得制限)
祖父母や親から教育や結婚、子育てにかかる資金を援助してもらう際、一定の金額までは贈与税が非課税になる措置は、今年度末までだった期限を2年間延長します。
ただ、格差の固定につながっているという批判もあるため、援助を受ける側の人に所得制限を設け、年間の所得が1000万円以下の人に対象を絞ります。
(その他)
商店などを経営する個人事業主が、事業用の土地や建物を後継者に引き継ぐ際、相続税や贈与税の支払いを事業を継続する場合に限って、猶予する制度も新たに設けられます。
このほか、研究開発への投資を増やしたベンチャー企業の法人税の負担を軽くする制度や、災害に備えた計画を作った中小企業が排水ポンプなどの防災設備を導入した場合、税の優遇などを受けられる制度も導入されます。
(未婚の一人親に対する支援策)
一方、未婚の一人親に対する支援策をめぐっては、公明党が配偶者と死別したり離婚したりした一人親と同様に税負担を軽減するよう求めているのに対し、自民党内では「税ではなく予算で対応すべきだ」といった意見や、「税負担を軽減する場合でも限定的にすべきだ」という主張もあり、双方の隔たりは埋まっていません。
このため、両党の税制調査会長らによる大詰めの調整が行われていて、13日に予定されていた税制改正大綱の決定は、14日以降にずれ込む見通しとなりました。
(軽減税率の穴埋め)
一方、来年10月以降、食料品などに限って消費税率を8%に据え置く「軽減税率」の導入で、税収が減る分の穴埋めについても一定のメドをつけました。
すでに決まっているたばこ税の増税や、所得税の見直しによる増収、それに事業者の納税額を正確に把握するため、税率や税額を記載する「インボイス」と呼ばれる請求書の導入で、消費税の税収が増える分を充てることになります。
さらに社会保障費を見直すことで捻出した予算もあて、めどが付いていなかったおよそ6000億円を確保する方針です。
課税逃れ対策は
税制改正大綱には、課税逃れを防ぐための新たな対策も盛り込まれます。
(仮想通貨・シェアエコ対策)
このうち、インターネットを通じた取り引きのため実態を把握しにくかった、民泊やフリーマーケットなどの「シェアリングエコノミー」や、仮想通貨について、国税当局が取り引きを仲介する企業に情報を照会できる仕組みが導入されます。
ただ情報を紹介する対象は、大口の申告漏れや、違法な取り引きが疑われる場合などに限られます。
(金の密輸対策)
消費税の仕組みを悪用して利ざやを稼ぐ金の密輸の対策強化も盛り込まれます。
貴金属店などの買い取り業者に対し、金を売りに来た人を免許証やパスポートで確認し、その写しを保存するよう求めます。
来年10月に消費税率が10%に引き上げられると、利ざやが拡大し、密輸がさらに増加することが懸念されており、売り手側の本人確認を徹底することで不正な売買を未然に防ごうという狙いです。
(仮想通貨・シェアエコ対策)
このうち、インターネットを通じた取り引きのため実態を把握しにくかった、民泊やフリーマーケットなどの「シェアリングエコノミー」や、仮想通貨について、国税当局が取り引きを仲介する企業に情報を照会できる仕組みが導入されます。
ただ情報を紹介する対象は、大口の申告漏れや、違法な取り引きが疑われる場合などに限られます。
(金の密輸対策)
消費税の仕組みを悪用して利ざやを稼ぐ金の密輸の対策強化も盛り込まれます。
貴金属店などの買い取り業者に対し、金を売りに来た人を免許証やパスポートで確認し、その写しを保存するよう求めます。
来年10月に消費税率が10%に引き上げられると、利ざやが拡大し、密輸がさらに増加することが懸念されており、売り手側の本人確認を徹底することで不正な売買を未然に防ごうという狙いです。
宮沢税調会長「大綱決定はあさって以降に」
自民党の宮沢税制調査会長は党の税制調査会の会合のあと記者団に「検討項目は異論なく了承され、税制改正大綱の中身も一任を受けた」と述べました。
一方で、「未婚の一人親への支援策については公明党と鋭意調整を進め、溝を埋める努力をしているが、公明党側の反応は芳しくない」と述べたうえで、13日に予定されていた税制改正大綱の決定は14日以降にずれ込む見通しを示しました。
一方で、「未婚の一人親への支援策については公明党と鋭意調整を進め、溝を埋める努力をしているが、公明党側の反応は芳しくない」と述べたうえで、13日に予定されていた税制改正大綱の決定は14日以降にずれ込む見通しを示しました。
ソース:NHK ニュース