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関西空港周辺 悪天候予想で 航行禁止に
2018-12-24 09:11:55

関西空港の連絡橋にタンカーが衝突した事故を受け、海上保安庁は関西空港の周辺3海里=およそ5.5キロ以内では、悪天候が予想される場合、船の航行を原則禁止する方針を固めました。

ことし9月の台風21号の際、関西空港の2キロほど沖合に停泊していたタンカーが強風で流されて連絡橋に衝突し、空港が孤立しました。
海底に下ろしたいかりが動いてしまう「走錨」が起きていて、海上保安庁は10月から専門家を交えた委員会で再発防止策を検討してきました。その結果、関西空港の周辺3海里=およそ5.5キロ以内では、台風の暴風域に入る可能性が高いなど悪天候が予想される場合、船の航行を原則禁止する方針を固めました。
海上保安庁はこれまで、過去の事故例などを踏まえ、同じ範囲の海域で悪天候時に停泊しないよう「指導」は行っていましたが、強制力はなく、守られないことが多かったことから、海上交通安全法に基づく規制に乗り出すことにしました。
海上保安庁はこの方針を25日に開かれる専門家の委員会に報告し、具体的な運用方法を議論するとともに、関西空港以外のほかの海上施設でのリスクについても検討を進めることにしています。
海底に下ろしたいかりが動いてしまう「走錨」が起きていて、海上保安庁は10月から専門家を交えた委員会で再発防止策を検討してきました。その結果、関西空港の周辺3海里=およそ5.5キロ以内では、台風の暴風域に入る可能性が高いなど悪天候が予想される場合、船の航行を原則禁止する方針を固めました。
海上保安庁はこれまで、過去の事故例などを踏まえ、同じ範囲の海域で悪天候時に停泊しないよう「指導」は行っていましたが、強制力はなく、守られないことが多かったことから、海上交通安全法に基づく規制に乗り出すことにしました。
海上保安庁はこの方針を25日に開かれる専門家の委員会に報告し、具体的な運用方法を議論するとともに、関西空港以外のほかの海上施設でのリスクについても検討を進めることにしています。
当時 7割以上の船が流される
今回の規制強化で、同じような「走錨事故」は防げるのでしょうか。
運輸安全委員会が、事故当時、大阪湾に停泊していた船のおよそ半数に当たる28隻にアンケートを取った結果、7割以上の20隻が走錨して流されていたことが明らかになりました。
最も距離が長いケースでは、連絡橋に衝突したタンカーのおよそ6倍の13キロ近く流されていて、岸壁や海上の施設から距離を取るだけでは走錨事故は防げないおそれがあります。
運輸安全委員会は、船をどう停泊させるかも重要だと指摘していて、海底に下ろすいかりを2つにすることや、早めにエンジンを動かしていかりにかかる力を減らすこと、それに風下に重要施設などが存在しないかどうか確認するべきだとしています。
運輸安全委員会が、事故当時、大阪湾に停泊していた船のおよそ半数に当たる28隻にアンケートを取った結果、7割以上の20隻が走錨して流されていたことが明らかになりました。
最も距離が長いケースでは、連絡橋に衝突したタンカーのおよそ6倍の13キロ近く流されていて、岸壁や海上の施設から距離を取るだけでは走錨事故は防げないおそれがあります。
運輸安全委員会は、船をどう停泊させるかも重要だと指摘していて、海底に下ろすいかりを2つにすることや、早めにエンジンを動かしていかりにかかる力を減らすこと、それに風下に重要施設などが存在しないかどうか確認するべきだとしています。
専門家「将来の法改正必要」
今回、海上保安庁は法律の改正ではなく、運用の範囲内で航行を禁止する措置をとることにしています。
根拠とするのが海上交通安全法の26条です。海上での工事や作業、事故の発生などによって、危険が生じたり、そのおそれがあるときに範囲を定めて航行を制限します。
この条文を、異常気象時に危険が予想される場合にも適用します。ただ、専門家はさまざまな災害に全国的に対応できるよう将来的には法改正が必要だと指摘しています。
再発防止策を検討している海上保安庁の委員会のメンバーの、神戸大学大学院の若林伸和教授は「これまでの停泊の自粛の呼びかけから、法律の解釈によって強制力を持った規制ができるようになるのは、迅速な対応という点で評価できる。航行を制限する場所を定めるだけでなく、走錨以外の危険性も洗い出し、最終的には法律の改正も含めて議論していく必要がある」と話しています。
根拠とするのが海上交通安全法の26条です。海上での工事や作業、事故の発生などによって、危険が生じたり、そのおそれがあるときに範囲を定めて航行を制限します。
この条文を、異常気象時に危険が予想される場合にも適用します。ただ、専門家はさまざまな災害に全国的に対応できるよう将来的には法改正が必要だと指摘しています。
再発防止策を検討している海上保安庁の委員会のメンバーの、神戸大学大学院の若林伸和教授は「これまでの停泊の自粛の呼びかけから、法律の解釈によって強制力を持った規制ができるようになるのは、迅速な対応という点で評価できる。航行を制限する場所を定めるだけでなく、走錨以外の危険性も洗い出し、最終的には法律の改正も含めて議論していく必要がある」と話しています。
ソース:NHK ニュース