「原野げんや商法しょうほう」が影響えいきょう 崩落ほうらく対策たいさくできず避難ひなん指示しじ続つづく 北海道ほっかいどう安平やすひら町まち

９月くがつの地震じしんで大おおきな被害ひがいが出でた北海道ほっかいどう安平やすひら町まちで、土砂崩どしゃくずれがあった住宅じゅうたく地ちの裏山うらやまについて、町まちは対策たいさく工事こうじの対象たいしょうとなっている少すくなくとも３さん分ぶんの１いちちかくの区画くかくで所有しょゆう者しゃの特定とくていができずに、工事こうじの同意どういを得えるめどがたっていないことがわかりました。土地とちはおよそ180の区画くかくに分筆ぶんぴつされていて、専門せんもん家かは「典型てんけい的てきな『原野げんや商法しょうほう』の影響えいきょうだ」と指摘してきしています。

安平やすひら町まち早来はやきた北進ほくしん地区ちくの18世帯せたいが暮くらす住宅じゅうたく地ちでは、今後こんごさらに裏山うらやまの土砂どしゃが崩くずれるおそれがあるとして、今いまも避難ひなん指示しじが続つづいています。

町まちは対策たいさく工事こうじを行おこなうため裏山うらやまの地権ちけん者しゃの把握はあくを進すすめていますが、これまでの調査ちょうさで裏山うらやまはおよそ180区画くかくに分筆ぶんぴつされ、所有しょゆう者しゃは東京とうきょうや大阪おおさかなど全国ぜんこく各地かくちに散ちらばっていることが町まちなどへの取材しゅざいで分わかりました。

さらに工事こうじの対象たいしょうとなっている31区画くかくのうち少すくなくとも10区画くかくについては所有しょゆう者しゃの特定とくていができずに、工事こうじの同意どういを得えるめどがたっていないということです。

また、ＮＨＫえぬえいちけいが確認かくにんできた所有しょゆう者しゃの一部いちぶに取材しゅざいしたところ、裏山うらやまは昭和しょうわ50年ねん前後ぜんごに大阪おおさかの業者ぎょうしゃが１いち区画くかく当あたりおよそ280万まん円えんと、現在げんざいの評価ひょうか額がくの3000倍ばい以上いじょうの価格かかくで分譲ぶんじょうしていたことも分わかりました。

これについて、悪徳あくとく商法しょうほうに詳くわしい松田まつだ繁三しげぞう弁護士べんごしは、「ほとんど価値かちのない山林さんりんなどを細こまかく分筆ぶんぴつして売うりつける典型てんけい的てきな『原野げんや商法しょうほう』の一種いっしゅで、その影響えいきょうが現あらわれた」と指摘してきしています。

町まちは所有しょゆう者しゃの把握はあくを急いそぐことにしていますが、避難ひなん指示しじの解除かいじょまでには最長さいちょうで２に年ねんかかるという見通みとおしを示しめしています。

ソース：NHK ニュース