ことしの景気けいきの見通みとおしは？ 大手おおて企業きぎょう経営けいえいトップに聞きく

ＮＨＫえぬえいちけいでは、大手おおて企業きぎょうの経営けいえいトップにことしの景気けいきの見通みとおしを聞ききました。

ＳＭＢＣ 國くに部ぶ社長しゃちょう「不透明ふとうめい要因よういん多おおいが需要じゅよう強つよい」

金融きんゆう大手おおて、ＳＭＢＣグループの國くに部ぶ毅あつし社長しゃちょうはことしの景気けいきについて「やや上向うわむき」になるという見通みとおしを示しめしました。

その理由りゆうについて、國くに部ぶ社長しゃちょうは「海外かいがいの需要じゅようはアメリカの保護ほご主義しゅぎ的てきな政策せいさくや中国ちゅうごく経済けいざいの減速げんそくなど不透明ふとうめいな要因よういんが多おおいが、国内こくないでは賃上ちんあげが継続けいぞく的てきに行おこなわれ、設備せつび投資とうしは拡大かくだいしているので需要じゅようは強つよいと見みている」と話はなしました。

また、ことしのキーワードとして「発はつ」ということばをあげ、「新あたらしい元号げんごうがスタートする出発しゅっぱつの年としで、金融きんゆう業ぎょうを含ふくめさまざまな業界ぎょうかいで大だい転換てんかん期きを迎むかえる。それぞれの企業きぎょうや経済けいざい社会しゃかいがこれまで培つちかってきた成果せいかを発芽はつがさせるときだ」と述のべました。

一方いっぽう、このところの国内外こくないがいの株式かぶしき市場しじょうで値動ねうごきが不安定ふあんていになっていることについて「一気いっきに相場そうばが崩くずれているが、足元あしもとでは持ち直もちなおす動うごきもあるので落ち着おちついてくると思おもう。ただ、アメリカと中国ちゅうごくの覇権はけん争あらそいがどこまで深刻しんこく化かするかは、見みておかないといけない」と述のべ、米べい中間ちゅうかんの貿易ぼうえき摩擦まさつをめぐる協議きょうぎの動向どうこうなどを注視ちゅうしする考かんがえを示しめしました。

セブン＆アイ 井い阪ばん社長しゃちょう「消費しょうひ税ぜい引き上ひきあげ 逆風ぎゃくふう」

流通りゅうつう大手おおての「セブン＆アイ・ホールディングス」の井い阪ばん隆一りゅういち社長しゃちょうは、ことしの景気けいきについて「やや上向うわむき」になるという見通みとおしを示しめしたうえで「ＥＵい-ゆ-とのＥＰＡ発効はっこうや新あたらしい元号げんごう、ラグビーワールドカップなど、消費しょうひにプラスとなるイベントがめじろ押おしな一方いっぽう、消費しょうひ税ぜいの引き上ひきあげは逆風ぎゃくふうになると見みている。消費しょうひ税ぜいの引き上ひきあげを前まえに、イベントをうまく活用かつようし、消費しょうひを活性かっせい化かさせることで成長せいちょうする年としにしたい」と述のべました。

また、ことしのキーワードは「希望きぼう」ということばを選えらびました。

これについて、井い阪ばん社長しゃちょうは「新あたらしい元号げんごうに変かわって祝賀しゅくがムードが高たかまっていく中なか、自分じぶんたちが新あたらしい時代じだいを築きずくんだという積極せっきょく的てきな気持きもちでやっていきたい。ここ数すう年ねん、消費しょうひの力強ちからづよさは欠かけていたが、それを盛り上もりあげるような経営けいえいをしていきたい」と述のべました。

すかいらーすかいら-く 谷たに社長しゃちょう「改元かいげんで消費しょうひ上向うわむく」

ファミリーレストラン最大さいだい手しゅ「すかいらーすかいら-くホールディングス」の谷たに真ま社長しゃちょうは、ことしの景気けいきの見通みとおしについて「やや上向うわむき」になるという見通みとおしを示しめしました。

その理由りゆうについて「オリンピックに向むけて消費しょうひは少すこしずつ上向うわむき、元号げんごうが変かわるのも、消費しょうひ者しゃの気持きもちが上向うわむくきっかけになる。政治せいじやグローバルな経済けいざいリスクはあるが、国内こくないでは、それを上回うわまわる形かたちで消費しょうひに対にたいする気持きもちが高たかまると思おもう」と話はなしました。

また、ことしのキーワードとして「外食がいしょく産業さんぎょうデジタル改革かいかく元年がんねん」ということばを選えらびました。

これについて谷たに社長しゃちょうは「外食がいしょく産業さんぎょうは人件じんけん費ひの高騰こうとうが続つづいていて、生産せいさん性せいの向上こうじょうのためにデジタル改革かいかくを進すすめる努力どりょくをしなければならない。現場げんばの店舗てんぽ改革かいかくや従業じゅうぎょう員いんのワークライフバランスの実現じつげん、ＡえいＩあいの活用かつようなどすべてはデジタル改革かいかくにかかっており、ことしは、非常ひじょうに転換てんかん期きの年としになる」と述のべました。

新日鉄しんにってつ住金すみきん 進藤しんどう社長しゃちょう「政治せいじリスク読よめず判断はんだんできない」

「新日鉄しんにってつ住金すみきん」の進藤しんどう孝生たかお社長しゃちょうはことしの景気けいきについて「雇用こよう情勢じょうせいやＧＤＰじ-でぃ-ぴ-＝国内こくない総そう生産せいさんで見みると決けっして経済けいざい情勢じょうせいは悪わるくない」と指摘してきし、「やや上向うわむき」になるという見通みとおしを示しめしました。

ただし「アメリカと中国ちゅうごくの貿易ぼうえき摩擦まさつが今いまでは覇権はけん争あらそいになるなど、外交がいこうや政治せいじ的てきなリスクが読よめなくなってきている。さらに、日本にっぽんとアメリカもＴＡＧ＝日にち米べい物品ぶっぴん貿易ぼうえき協定きょうていの交渉こうしょうがどのように落ち着おちつくのか分わからない。そのため、今いまはまだはっきり判断はんだんできない状況じょうきょうだ」と述のべました。

また、ことしのキーワードとして「潮流ちょうりゅうを見極みきわめ果敢かかんに前進ぜんしん」ということばを選えらびました。

この中なかで、ことし４月しがつに会社かいしゃ名めいを「日本にっぽん製鉄せいてつ」に変かえることについて触ふれ「偶然ぐうぜんにも新あたらしい元号げんごうとともに新あらたな社名しゃめいでともに歩あゆみ始はじめることになる。今後こんご、インドなどの海外かいがいにも進出しんしゅつしていくので、日本にっぽん発祥はっしょうの製鉄せいてつ会社かいしゃとして知名ちめい度どを高たかめたい」と抱負ほうふを語かたりました。

東芝とうしば 車谷くるまだに会長かいちょう「自信じしんと明あかるい展望てんぼうを」

東芝とうしばの車谷くるまだに暢とおる昭あきら会長かいちょうはことしの景気けいきについては「やや上向うわむき」になるという見通みとおしを示しめし「ベースの日本にっぽん経済けいざいは安定あんていしていると思おもうが、米べい中ちゅう関係かんけいなど不安定ふあんてい要素ようそがある。それがどこまで日本にっぽん経済けいざいに影響えいきょうを及およぼすかを見極みきわめていかなければならない」と述のべました。

また、平成へいせいの30年間ねんかんについては「ザ・日本にっぽんの製造せいぞう業ぎょうということで世界せかいの製造せいぞう業ぎょうをリードしてきたが、平成へいせいになって世の中よのなかはものづくりではなく、デジタルがリードするようになり、製造せいぞう業ぎょうにとっては厳きびしい時代じだいだった」と振り返ふりかえりました。

そのうえで、平成へいせいに続つづく新あたらしい時代じだいのキーワードとして「自信じしんを持もつ」をあげ、「日本にっぽんの技術ぎじゅつ力りょくはＡえいＩあいなども含ふくめ世界せかいトップレベルなのは間違まちがいない。平成へいせいは自信じしんが失うしなわれた時ときもあったが、技術ぎじゅつ者しゃ、経営けいえい者しゃがもう一度もういちど自信じしんを取り戻とりもどす必要ひつようがある。自信じしんと明あかるい展望てんぼうを持もつ人ひとに技術ぎじゅつや知恵ちえも集あつまる。経営けいえい者しゃは大おおきなターゲットとなる目標もくひょうを設定せっていしていくことが重要じゅうようだ」と述のべました。

三菱みつびし商事しょうじ 垣内かきうち社長しゃちょう「米べい中ちゅう対立たいりつリスクも経済けいざい基調きちょうは強つよい」

三菱みつびし商事しょうじの垣内かきうち威たけし彦社長しゃちょうはことしの景気けいきの見通みとおしについて、「横よこばい」で推移すいいするという見通みとおしを示しめしました。

その理由りゆうについて、「アメリカと中国ちゅうごくの対立たいりつで心理しんり的てきには下した振ふれリスクを探さぐることになるため、非常ひじょうに上下動じょうげどうはすると思おもう。ただ、ＡえいＩあいの発達はったつなどでありとあらゆる産業さんぎょうでイノベーションが起おこっていて経済けいざいの基調きちょうは引き続ひきつづき強つよい」と述のべました。

また、ことしのキーワードについては、「思索しさく」ということばを選えらびました。

これについて、垣内かきうち社長しゃちょうは「政治せいじ的てきにも経済けいざい的てきにも複雑ふくざつになり、社会しゃかいの仕組しくみが大おおきく変かわっている。ことしのえとは『いのしし』なので、本来ほんらいはちょ突猛進ちょとつもうしんだが、深ふかく考かんがえ、筋道すじみちを立たてて、本物ほんものかどうかを見極みきわめるという『思索しさく』と『決断けつだん』の年としにしたい」と述のべました。

トヨタ 豊田とよだ社長しゃちょう「変革へんかくが重要じゅうよう」

トヨタ自動車とよたじどうしゃの豊田とよだ章男あきお社長しゃちょうはことしの景気けいきについて「横よこばい」という見通みとおしを示しめし「天気てんき予報よほうでいえば、曇くもり。曇くもりをはねのけて、どれだけ明あかるさをもっていくかということになると思おもう。ことしは、いろいろと予知よちができないことがたくさんあるのではないか。今いままでの延長えんちょう線せん上じょうに未来みらいがあるわけではなく、いかに自分じぶんたちで変革へんかくをしていくのかが重要じゅうようになると思おもう」と述のべました。

そのうえで、豊田とよだ社長しゃちょうはことしのキーワードについて「つねにわかい」と書かく「常つね若わか」ということばをあげ、「変化へんかの時代じだいに、日本にっぽんらしさやリアルな製造せいぞう業ぎょうの強つよみを継承けいしょうする意味いみで、『常つね若わか』ということばでやっていくことが必要ひつようだと思おもう」と述のべました。

ディー・エヌ・エー 南場なんば会長かいちょう「悲観ひかんせざるをえない状況じょうきょう」

ＩＴ大手おおての「ディー・エヌ・エー」の南場なんば智子さとこ会長かいちょうはことしの景気けいきについて「世界せかい経済けいざいは米べい中ちゅう関係かんけいが不安定ふあんていなことで不透明ふとうめいであり、そのあおりを受うける中なかでの消費しょうひ税ぜいの増税ぞうぜいがあり、悲観ひかんせざるをえない状況じょうきょうがあると覚悟かくごしている」と述のべ、やや悪化あっかするのではないかという見方みかたを示しめしました。

また、ことし１いち年ねんのキーワードとして「本物ほんもの志向しこう」ということばを選えらび「景気けいきの先行さきゆきが不透明ふとうめいな中なかで、本物ほんものではないものが振り落ふりおとされている時代じだいがくるのではないかと思おもう。エンターテインメントなら消費しょうひ者しゃの心こころを震ふるわせるものしか残のこれないのではないか。ＩＴ業界ぎょうかいの競争きょうそうは国境こっきょうの関係かんけいのない、グローバルな環境かんきょうで行おこなわれているので、ゲームでもライブ配信はいしんでも隅々すみずみまで心こころの行き届いきとどいた、高たかい次元じげんのものが必要ひつようになってくる」と述のべました。

ソース：NHK ニュース