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JOC竹田会長 会見し潔白主張 質問受けず8分で打ち切り
2019-01-15 07:07:20

東京オリンピック・パラリンピックの招致をめぐって、フランスの司法当局がJOC=日本オリンピック委員会の竹田恒和会長を贈賄に関与した疑いで調べている問題で、竹田会長は15日会見を開き改めて潔白を主張しました。
フランスの裁判所は、東京オリンピック・パラリンピックの招致をめぐる贈賄に関与した疑いで検察当局が竹田会長を捜査した結果を受けて、先月から裁判を開くかどうかを審査する「予審手続き」を進めています。
竹田会長はすでに疑惑を否定するコメントを出していますが、15日、都内で改めて会見を開き海外のメディアも含めおよそ100人が出席しました。
会見は30分の予定でしたが、JOCは15日未明になって、フランス司法当局の調査中であることを理由に質疑に応じないと通告し、竹田会長が2016年にJOCの調査チームが実施した報告書をもとに用意した紙を読み上げる形で行われました。
この中で竹田会長は、贈賄の疑いがもたれているシンガポールの会社に支払ったコンサルタント料およそ2億2000万円について「報告書では、コンサルタント業務に対する適切な対価だったと結論づけている。私が、シンガポールの会社と、国際陸連の前会長とその息子がいかなる関係だったか知らなかったことも確認している。この会社との契約の締結が日本の法律において違法性はない、と結論づけた」と述べ、改めて潔白を主張しました。
竹田会長は、先月フランスの担当判事の聴取に応じ、この中で新たな事実は判明しなかったことを明らかにしています。
竹田会長は会見の中で「パリでヒアリングに応じてみずからの潔白を説明した。フランス当局に全面的に協力することを通じてみずからの潔白を証明すべく全力を尽くしていく」と述べました。
竹田会長は記者からの質問には応じず、会見をおよそ8分で打ち切って退席しました。
竹田会長はすでに疑惑を否定するコメントを出していますが、15日、都内で改めて会見を開き海外のメディアも含めおよそ100人が出席しました。
会見は30分の予定でしたが、JOCは15日未明になって、フランス司法当局の調査中であることを理由に質疑に応じないと通告し、竹田会長が2016年にJOCの調査チームが実施した報告書をもとに用意した紙を読み上げる形で行われました。
この中で竹田会長は、贈賄の疑いがもたれているシンガポールの会社に支払ったコンサルタント料およそ2億2000万円について「報告書では、コンサルタント業務に対する適切な対価だったと結論づけている。私が、シンガポールの会社と、国際陸連の前会長とその息子がいかなる関係だったか知らなかったことも確認している。この会社との契約の締結が日本の法律において違法性はない、と結論づけた」と述べ、改めて潔白を主張しました。
竹田会長は、先月フランスの担当判事の聴取に応じ、この中で新たな事実は判明しなかったことを明らかにしています。
竹田会長は会見の中で「パリでヒアリングに応じてみずからの潔白を説明した。フランス当局に全面的に協力することを通じてみずからの潔白を証明すべく全力を尽くしていく」と述べました。
竹田会長は記者からの質問には応じず、会見をおよそ8分で打ち切って退席しました。
「イメージよくない」桜田五輪相
桜田オリンピック・パラリンピック担当大臣は閣議のあとの記者会見で「正直なところイメージとしてはよくない。非常に残念だというのが率直な考えだ。イメージを払拭(ふっしょく)するようなこれからの行動や、われわれの対応が最も大事ではないかと思っている」と述べました。
「会長を信じ準備するに尽きる」柴山文科相
柴山文部科学大臣は記者会見で「竹田会長とJOCは疑惑を払しょくできるよう、引き続き説明責任を果たしていく必要がある。文部科学省としては、フランス当局による司法手続きやIOC=国際オリンピック委員会の動向などを注視するしかない。やましいことはないという竹田会長のことばを信じて、東京オリンピック・パラリンピックが祝福される大会になるべく、引き続きしっかりと準備を進めていくことに尽きる」と述べました。
「自身で疑念晴らして」鈴木スポーツ庁長官
スポーツ庁の鈴木長官は、JOCの竹田会長の会見について報道陣に対し、「以前からお話しされていることとあまり変わりがなかったのかなと思う。どうなるか分からないので仮定の話はできないが、竹田会長自身が疑念を晴らすべく説明責任を果たすことになるだろうし、その方策は自身で判断するべきものだ」と述べました。
また鈴木長官は、会見で質疑応答が行われなかったことが適切だったか質問されたのに対し「JOCや竹田会長が決めたことだと思う。何とも申し上げられない」と述べました。
また鈴木長官は、会見で質疑応答が行われなかったことが適切だったか質問されたのに対し「JOCや竹田会長が決めたことだと思う。何とも申し上げられない」と述べました。
菅官房長官「説明責任果たして」
菅官房長官は午後の記者会見で、「フランス当局の刑事手続きについては、政府としてはコメントを差し控えるが、主催者である東京都、さらに組織委員会と連携して、東京大会が歴史に残る最高の大会になるよう支援していきたい」と述べました。
また、菅官房長官は、JOC=日本オリンピック委員会の竹田恒和会長が15日の記者会見で、記者からの質問には応じなかったことについて記者団が質問したのに対し、「竹田会長においては疑念を払拭(ふっしょく)できるような説明責任を果たしてほしいが、その具体的な方法はご自身で判断されるのだろうと思う」と述べるにとどめました。
また、菅官房長官は、JOC=日本オリンピック委員会の竹田恒和会長が15日の記者会見で、記者からの質問には応じなかったことについて記者団が質問したのに対し、「竹田会長においては疑念を払拭(ふっしょく)できるような説明責任を果たしてほしいが、その具体的な方法はご自身で判断されるのだろうと思う」と述べるにとどめました。
「JOCはしっかり対応を」 小池都知事
JOC=日本オリンピック委員会の竹田会長が記者会見で改めて潔白を主張したことについて、東京都の小池知事は都庁内で記者団に対し「捜査には全面的に協力すると伺っているので、まずは推移を見守りたい。2020年の大会については、これからも粛々と準備を重ねていきたい」と述べました。
そのうえで「大会を盛り上げていく中でこの課題は重いと思うが、JOCが、これまでのいきさつなども含めてしっかりと対応することが必要だ」と述べ、来年に迫った東京大会のイメージ低下を避けるため、JOCが丁寧に説明する必要があるという認識を示しました。
そのうえで「大会を盛り上げていく中でこの課題は重いと思うが、JOCが、これまでのいきさつなども含めてしっかりと対応することが必要だ」と述べ、来年に迫った東京大会のイメージ低下を避けるため、JOCが丁寧に説明する必要があるという認識を示しました。
五輪招致コンサルタント会社役割は
東京オリンピック・パラリンピックの招致を巡って贈賄の疑いがもたれているのは招致委員会がロビー活動や情報収集のために契約したコンサルタント会社への支払いです。
オリンピック・パラリンピック招致で招致委員会が抱えるコンサルタント会社の存在感は増しています。その背景には、かつて招致活動の中でIOC委員への過剰な接待などスキャンダルが明るみになったことがあげられます。
2002年にアメリカのソルトレークシティーで行われた冬のオリンピックでは、開催地決定の投票権を持っていたIOC委員に多額の金品が贈られるなどの買収疑惑が発覚し、20人のIOC委員が処分されました。その前の長野オリンピックでも、過剰な接待などが繰り返された実態が明らかになり、IOC委員のモラルと、招致活動の在り方が厳しく問われました。
このため、IOCは1999年に、立候補都市側がIOC委員を個別に訪問することやIOC委員が立候補都市を訪問することを原則として禁止するなどルールを初めて導入しました。
その後、招致委員会はIOCの動向を知るための情報収集やロビー活動を行うために、コンサルタント会社を活用するようになり、その時々の情勢や、候補地に対する意見を集約するようになったとされています。
有力なIOC委員に近いコンサルタント会社もあり、今回、東京大会の招致委員会がおよそ2億2000万円を支払ったシンガポールの会社はIOC委員も務めた国際陸連の元会長の息子との関係が深いとみられています。
IOCは現在、コンサルタント会社の倫理規定を強化し、ガバナンスや倫理、特に腐敗防止に関する厳格なIOCの規則を尊重することを宣言したコンサルタント会社のリストを発表していて、立候補都市はそのリストにある会社とのみ契約できるとするルールを定めています。
オリンピック・パラリンピック招致で招致委員会が抱えるコンサルタント会社の存在感は増しています。その背景には、かつて招致活動の中でIOC委員への過剰な接待などスキャンダルが明るみになったことがあげられます。
2002年にアメリカのソルトレークシティーで行われた冬のオリンピックでは、開催地決定の投票権を持っていたIOC委員に多額の金品が贈られるなどの買収疑惑が発覚し、20人のIOC委員が処分されました。その前の長野オリンピックでも、過剰な接待などが繰り返された実態が明らかになり、IOC委員のモラルと、招致活動の在り方が厳しく問われました。
このため、IOCは1999年に、立候補都市側がIOC委員を個別に訪問することやIOC委員が立候補都市を訪問することを原則として禁止するなどルールを初めて導入しました。
その後、招致委員会はIOCの動向を知るための情報収集やロビー活動を行うために、コンサルタント会社を活用するようになり、その時々の情勢や、候補地に対する意見を集約するようになったとされています。
有力なIOC委員に近いコンサルタント会社もあり、今回、東京大会の招致委員会がおよそ2億2000万円を支払ったシンガポールの会社はIOC委員も務めた国際陸連の元会長の息子との関係が深いとみられています。
IOCは現在、コンサルタント会社の倫理規定を強化し、ガバナンスや倫理、特に腐敗防止に関する厳格なIOCの規則を尊重することを宣言したコンサルタント会社のリストを発表していて、立候補都市はそのリストにある会社とのみ契約できるとするルールを定めています。
当時のJOC調査「違法性なし」
東京オリンピック・パラリンピックの招致をめぐる贈賄の疑惑は2016年に初めて明らかになり、JOCは当時、弁護士などからなる調査チームを設置しましたが、招致委員会による金銭の支払いに違法性はなかったと結論づけました。
IOCの倫理規定では、オリンピック関係者への贈与が禁止されているほか、フランスの刑法では民間人が相手でも贈賄罪が成立します。
このため調査チームは、招致委員会が情報収集やロビー活動などのコンサルタント料としてシンガポールの会社に支払った金銭に対する認識を特に重視し、3か月にわたって招致委員会の関係者などの聞き取りを行い報告書をまとめました。
それによりますと、招致委員会の理事長だったJOCの竹田恒和会長について、シンガポールの会社とIOC委員を務めた国際陸連の前会長の息子の間に親交があったことは認識していなかったとしたうえで、「支払った金銭がその後、どのように使われたのかは知るよしもなかった」と指摘しています。
その結果、金銭の支払いはIOCの倫理規定の違反やフランスの刑法上の犯罪にはあたらず、日本の刑法に照らしても贈賄や背任にはならないと結論づけました。
しかし問題の発覚以降、シンガポールの会社の代表は行方が分かっておらず、海外の主要な関係者の聞き取りができていないため、シンガポールの会社がどのような活動を行ったのかは明らかになっていません。
JOCの調査チームに対しては、調査期間の短さや調査の限界を指摘する声も上がっていました。
IOCの倫理規定では、オリンピック関係者への贈与が禁止されているほか、フランスの刑法では民間人が相手でも贈賄罪が成立します。
このため調査チームは、招致委員会が情報収集やロビー活動などのコンサルタント料としてシンガポールの会社に支払った金銭に対する認識を特に重視し、3か月にわたって招致委員会の関係者などの聞き取りを行い報告書をまとめました。
それによりますと、招致委員会の理事長だったJOCの竹田恒和会長について、シンガポールの会社とIOC委員を務めた国際陸連の前会長の息子の間に親交があったことは認識していなかったとしたうえで、「支払った金銭がその後、どのように使われたのかは知るよしもなかった」と指摘しています。
その結果、金銭の支払いはIOCの倫理規定の違反やフランスの刑法上の犯罪にはあたらず、日本の刑法に照らしても贈賄や背任にはならないと結論づけました。
しかし問題の発覚以降、シンガポールの会社の代表は行方が分かっておらず、海外の主要な関係者の聞き取りができていないため、シンガポールの会社がどのような活動を行ったのかは明らかになっていません。
JOCの調査チームに対しては、調査期間の短さや調査の限界を指摘する声も上がっていました。
国際陸連の前会長とは
国際陸上競技連盟の前会長のラミン・ディアク氏は、セネガル生まれの85歳で、1999年から2015年までの16年間に渡り会長として国際陸連を率いたほかIOC委員も務め、スポーツ界に影響力を持つ人物です。
かつては走り幅跳びで活躍した選手で、セネガルの首都ダカールの市長も経験し、スポーツと政治の世界で広い影響力を持ちました。
フランスの検察当局はオリンピックの招致に影響力を行使できる立場にあったとみています。
汚職への関与がたびたび指摘され2015年には、ロシアの組織的なドーピング問題で隠蔽の見返りに金銭を受け取った疑いが報じられ、2017年にはリオデジャネイロ大会の招致をめぐり、ブラジル人実業家の関連会社から金銭を受け取っていたことをブラジルの捜査当局が発表するなど、疑惑が相次いで明らかとなりました。
一方、ディアク前会長の息子のパパマッサタ・ディアク氏はJOC=日本オリンピック委員会の調査報告書で、国際陸連の広告やマーケティングを行う企業を運営していたとされています。
招致委員会がコンサルタント料としておよそ2億2000万円を支払ったシンガポールの会社と関係が深いとみられていて、フランスの検察当局はこうした関係を踏まえて贈賄にあたるとみて捜査してきました。
かつては走り幅跳びで活躍した選手で、セネガルの首都ダカールの市長も経験し、スポーツと政治の世界で広い影響力を持ちました。
フランスの検察当局はオリンピックの招致に影響力を行使できる立場にあったとみています。
汚職への関与がたびたび指摘され2015年には、ロシアの組織的なドーピング問題で隠蔽の見返りに金銭を受け取った疑いが報じられ、2017年にはリオデジャネイロ大会の招致をめぐり、ブラジル人実業家の関連会社から金銭を受け取っていたことをブラジルの捜査当局が発表するなど、疑惑が相次いで明らかとなりました。
一方、ディアク前会長の息子のパパマッサタ・ディアク氏はJOC=日本オリンピック委員会の調査報告書で、国際陸連の広告やマーケティングを行う企業を運営していたとされています。
招致委員会がコンサルタント料としておよそ2億2000万円を支払ったシンガポールの会社と関係が深いとみられていて、フランスの検察当局はこうした関係を踏まえて贈賄にあたるとみて捜査してきました。
ソース:NHK ニュース