鹿児島・宮崎・熊本に大雨特別警報 最大級の警戒を
2021-07-09 23:50:20

鹿児島県で線状降水帯が確認されるなど、3つの県では断続的に非常に激しい雨が降っていて、最大級の警戒が必要です。
気象庁は、避難場所までの移動が危険な場合には、近くの頑丈な建物に移動したり、外に出るのがすでに危険な場合は建物の2階以上で、崖や斜面と反対側の部屋に移動したりするなど、少しでも命が助かる可能性が高い行動を取るよう呼びかけています。
気象庁によりますと、梅雨前線の活動が活発になっている影響で、鹿児島県や宮崎県、熊本県には発達した雨雲が次々にかかり続けています。
気象庁は、鹿児島県で線状降水帯が確認され、非常に激しい雨が同じ場所に降り続いているとして、明け方に続き午前7時半すぎに「顕著な大雨に関する情報」を発表しました。
午前7時までの1時間には
▽宮崎県がえびの市に設置した雨量計で63ミリ、
▽鹿児島県がさつま町に設置した雨量計で60ミリの非常に激しい雨を観測しました。
午前8時までの12時間に降った雨の量は
鹿児島県の
▽さつま町で337ミリ、
▽紫尾山で331.5ミリ
▽宮崎県えびの市の加久藤で259.5ミリと、
わずか半日で平年の7月1か月分の雨量の半分前後に達しています。
気象庁は鹿児島県と宮崎県、熊本県に大雨の特別警報を発表しています。
5段階の警戒レベルのうち最も高いレベル5にあたる情報です。
これまでに降った大雨で、数十年に一度しかないような甚大な被害の危険が迫っているとして、気象庁は土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に最大級の警戒を呼びかけています。
周囲の状況を確認し、安全な場所に避難する、避難場所までの移動が危険な場合には近くの頑丈な建物に移動したり、建物の2階以上で崖や斜面と反対側の部屋に移動したりするなど、少しでも命が助かる可能性が高い行動を取るようにしてください。
これまでに降った雨で鹿児島県と熊本県、それに宮崎県では土砂災害の危険性が非常に高まり、「土砂災害警戒情報」が発表されています。
また、鹿児島県では「氾濫危険水位」を超えている川があり、特に宮崎県や鹿児島県北部を流れる川内川やその支流で水位の高い状態が続いています。
川内川では平成18年の7月に、豪雨によりさつま町で氾濫が発生するなど広い範囲で被害が起きています。
予報を上回る大雨になっていて、鹿児島県や熊本県それに宮崎県を中心に短い時間で急激に状況が悪化するおそれがあり厳重な警戒が必要です。
今後の見通し
九州ではこのあとも雷を伴って、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降り続くおそれがあります。また、西日本と東日本の広い範囲で11日にかけて激しい雨が降るおそれがあります。
11日朝までの24時間に降る雨の量は、多いところで
九州北部で200ミリ、
九州南部で150ミリ、
中国地方で100ミリ、
北陸で80ミリ、
近畿で70ミリ、
東北と関東甲信、東海で60ミリと予想されています。
その後も12日朝にかけて
さらに九州北部と中国地方、近畿、東海、北陸、関東甲信で50ミリから100ミリ、九州南部と東北でおよそ50ミリの雨が降る見込みです。
気象庁は土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風にも十分注意するよう呼びかけています。