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観光船沈没 漂流予測 国後島~択捉島やオホーツク海に拡大か
2022-05-16 08:18:55

北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故で、波の解析などの専門家が現場周辺の漂流の予測を新たに公表しました。
漂流の範囲は、北方領土の国後島の西側や北側、それに択捉島との間の海域のほか知床半島の先端から北に少なくとも190キロ以上のオホーツク海に広がっている可能性があると指摘しています。
漂流の範囲は、北方領土の国後島の西側や北側、それに択捉島との間の海域のほか知床半島の先端から北に少なくとも190キロ以上のオホーツク海に広がっている可能性があると指摘しています。
先月23日、知床半島の沖合で乗客・乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1」(19トン)が沈没した事故では、これまでに乗客14人が死亡、今も12人の行方が分かっていません。
全国の水難事故の調査を行っている水難学会の理事で、波の解析などを専門とする長岡技術科学大学の犬飼直之准教授は、今月9日に続き、新たに現場周辺での漂流の予測を公表しました。
それによりますと、漂流の予測の範囲は時間の経過とともに、知床半島の先端付近から半島の反対の羅臼町側や北東方向の海域に広がっているとしています。
そして、国後島の西側や北側の周辺の広い範囲に及んだほか、一時、択捉島との間の国後水道を南下した可能性があるとしています。
さらに最近の風の影響などで、北の方向の海域に広がり、知床半島の先端から北に少なくとも190キロ以上のオホーツク海に広がっている可能性があると指摘しています。
今回の予測では、より海上に漂流している状態を想定するため、潮の干満と現場海域の風が水深2メートルまでの比較的浅い海面に与える影響を考慮していて、漂流の予測がより広い範囲になったということです。

犬飼准教授は「今回の予測では漂流がオホーツク海の広い範囲に及ぶ結果となり、今後も海域全体の情報を集め、さらにシミュレーションを続けていきたい」と話しています。
漂流予測(時系列)と発見状況
今回公表されたのは、事故が起きた先月23日から3週間にわたる現場周辺の漂流の予測です。
事故翌日の先月24日の予測では漂流の範囲は、知床半島先端の周辺にとどまっています。
この日、半島先端の周辺では乗客11人が見つかりました。
これが事故から5日後の先月28日の予測では、知床半島の反対の羅臼町側や、国後島の西側や北側の周辺海域に広がります。
この日、羅臼町側の海上では乗客3人が見つかり、この日を最後に行方不明者は見つかっていません。
そして、事故から1週間たった先月30日から今月1日にかけての予測では、一時、国後島と択捉島の間の国後水道を南下した可能性があるとしています。
その後も漂流の範囲は国後島の西側から北側の沿岸に近づいたり離れたりしていて、その後、今月6日に国後島の西側の海岸で女性の遺体が見つかったとロシア側から連絡があり、観光船の乗客の可能性もあると見て確認が進められています。
一方、国後島の西側の漂流の範囲は今月6日以降、北西方向に広がり、分析の範囲となっている北緯45度より北、知床半島の先端から北に少なくとも190キロ以上のオホーツク海に広がっている可能性があるとしています。
事故翌日の先月24日の予測では漂流の範囲は、知床半島先端の周辺にとどまっています。
この日、半島先端の周辺では乗客11人が見つかりました。
これが事故から5日後の先月28日の予測では、知床半島の反対の羅臼町側や、国後島の西側や北側の周辺海域に広がります。
この日、羅臼町側の海上では乗客3人が見つかり、この日を最後に行方不明者は見つかっていません。
そして、事故から1週間たった先月30日から今月1日にかけての予測では、一時、国後島と択捉島の間の国後水道を南下した可能性があるとしています。
その後も漂流の範囲は国後島の西側から北側の沿岸に近づいたり離れたりしていて、その後、今月6日に国後島の西側の海岸で女性の遺体が見つかったとロシア側から連絡があり、観光船の乗客の可能性もあると見て確認が進められています。
一方、国後島の西側の漂流の範囲は今月6日以降、北西方向に広がり、分析の範囲となっている北緯45度より北、知床半島の先端から北に少なくとも190キロ以上のオホーツク海に広がっている可能性があるとしています。
ソース:NHK ニュース