News
Show Furigana

ねらわれる先端せんたん技術ぎじゅつ “スパイ活動かつどう”の手口てぐち 警察庁けいさつちょう取り組とりく強化きょうか

2022-05-29 23:30:01

avatar
日本にっぽん先端せんたん技術ぎじゅつがスパイなどを通をつうじて海外かいがい流出りゅうしゅつするのをふせため、警察庁けいさつちょう今年度こんねんどから「経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうしつ」をあらげ、企業きぎょう対策たいさく助言じょげんするなどの活動かつどう本格ほんかくさせています。国際こくさいてき緊張きんちょうたかまるなか先端せんたん技術ぎじゅつ軍事ぐんじ転用てんようされれば安全あんぜん保障ほしょうじょうおおきな脅威きょういなるとして、取り組とりく強化きょうかしていく方針ほうしんです。

日本にっぽん先端せんたん技術ぎじゅつをめぐっては、おととしから去年きょねんにかけてソフトバンクと積水せきすい化学かがく工業こうぎょうもと社員しゃいんそれぞれ機密きみつ情報じょうほう不正ふせい取得しゅとくしたりらしたりしたつみ有罪ゆうざい判決はんけつけるなど、情報じょうほう中国ちゅうごくやロシアなどに流出りゅうしゅつするケース相次あいついで確認かくにんされています。

こうした事態じたいけて、警察庁けいさつちょう今年度こんねんどから「経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうしつ」をあらげ、事件じけん捜査そうさ情報じょうほう収集しゅうしゅうくわえ、企業きぎょう研究けんきゅう機関きかん対策たいさく助言じょげんする活動かつどう本格ほんかくさせています。

このなかでは、担当たんとうしゃ企業きぎょうなど直接ちょくせつ出向でむいて助言じょげんする「アウトリーチ活動かつどう」にちかられていて、実際じっさい事件じけんをもとに海外かいがい産業さんぎょうスパイやサイバー攻撃こうげき手口てぐち解説かいせつしたり、機密きみつ情報じょうほう管理かんりする方法ほうほう紹介しょうかいしたりして対策たいさく徹底てっていびかけているということです。

また全国ぜんこく警察けいさつ本部ほんぶ専門せんもん部署ぶしょ設置せっちするなどして情報じょうほう収集しゅうしゅうすすめていて、最近さいきんでは海外かいがい企業きぎょうから突然とつぜんSNSで報酬ほうしゅう提示ていじされ技術ぎじゅつ指導しどうもとめられたとか、大学だいがく経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうじょう懸念けねんあるくに企業きぎょうから共同きょうどう研究けんきゅうちかけられた、といった情報じょうほうせられているということです。

警察庁けいさつちょう先端せんたん技術ぎじゅつ流出りゅうしゅつ国際こくさい競争きょうそうりょく低下ていかまねだけでなく、ウクライナ情勢じょうせいなど国際こくさいてき緊張きんちょうたかまるなか軍事ぐんじ転用てんようされれば安全あんぜん保障ほしょうじょうおおきな脅威きょういなるとして取り組とりく強化きょうかしていく方針ほうしんです。

警察庁けいさつちょう経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうしつ藤原ふじわら麻衣子まいこ室長しつちょうは「自分じぶん会社かいしゃにはねらわれる技術ぎじゅつはないなど楽観らっかんせず、当事者とうじしゃ意識いしきってほしい。今後こんご大手おおて企業きぎょうだけでなく、高度こうど技術ぎじゅつ地方ちほう企業きぎょうなどにも積極せっきょくてきはたらきかけていきたい」とはなしていました。

先端せんたん技術ぎじゅつ流出りゅうしゅつ懸念けねんたかまる

警察けいさつ当局とうきょく経済けいざい安全あんぜん保障ほしょう強化きょうか取り組とりく背景はいけいには、先端せんたん技術ぎじゅつをめぐるべいちゅうはげしい対立たいりつなどによって日本にっぽん技術ぎじゅつ流出りゅうしゅつする懸念けねんたかまっていることがあります。

去年きょねん通商つうしょう白書はくしょによりますと、べいちゅう技術ぎじゅつ覇権はけんをめぐるあらそなど背景はいけいに、各国かっこくでは半導体はんどうたいなど重要じゅうよう物資ぶっし確保かくほ軍事ぐんじ転用てんよう可能かのう先端せんたん技術ぎじゅつ管理かんりといった経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうに関にかんする取り組とりく強化きょうかされています。

さらに、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいにともなってサプライチェーンのぜい弱ぜいじゃくせいがあらわになったことでその傾向けいこう拍車はくしゃがかかっているということです。

中国ちゅうごくやロシア 日本にっぽん技術ぎじゅつたか関心かんしん

このうち中国ちゅうごくでは、科学かがく技術ぎじゅつ自立じりつせい強化きょうかなど国家こっか戦略せんりゃくとして位置いちづけられ、重要じゅうよう技術ぎじゅつ国産こくさんする取り組とりく加速かそくしています。

警察庁けいさつちょうによりますと、こうしたなか中国ちゅうごく政府せいふ企業きぎょう関係かんけいしゃ先端せんたん技術ぎじゅつ日本にっぽん企業きぎょう視察しさつしたり、接触せっしょくはかったりするうご確認かくにんされているということです。

また中国ちゅうごく場合ばあい日本にっぽん企業きぎょう研究けんきゅう機関きかん技術ぎじゅつしゃ留学生りゅうがくせい派遣はけんするなどして巧妙こうみょうかつ多様たよう手段しゅだん情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうおこなっているとして、警察けいさつ当局とうきょく警戒けいかいつよめています。

一方いっぽう日本にっぽん先端せんたん技術ぎじゅつたか関心かんしんしめしているとされるもう1つのくにがロシアです。

最近さいきんでは、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうに対にたいする各国かっこく経済けいざい制裁せいさい強化きょうかされるなか日本にっぽん政府せいふ軍事ぐんじ転用てんよう可能かのう品目ひんもく一般いっぱん半導体はんどうたい原則げんそく輸出ゆしゅつ禁止きんしにするなど制裁せいさい措置そち打ち出うちだしています。

こうしたなか警察けいさつ当局とうきょく世界せかい各国かっこくでスパイ活動かつどうおこなっているとされるロシアが今後こんご日本にっぽん先端せんたん技術ぎじゅつをねらって違法いほう情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうをさらに活発かっぱつさせるそれあるとしています。

大手おおて企業きぎょう先端せんたん技術ぎじゅつめぐり事件じけん

日本にっぽん先端せんたん技術ぎじゅつ流出りゅうしゅつをめぐる事件じけんここすうねん相次あいついでいます。

おととし2つきには通信つうしん大手おおてソフトバンクのもと社員しゃいん会社かいしゃのサーバーにアクセスし、電話でんわ基地きちきょくなど通信つうしん設備せつびに関にかんする機密きみつ情報じょうほう不正ふせい取得しゅとくしたとして不正ふせい競争きょうそう防止ぼうしほう違反いはんつみ起訴きそされ、その後そのご有罪ゆうざい判決はんけつけました。

当時とうじ知人ちじんで、在日ざいにちロシア通商つうしょう代表だいひょうもと代表だいひょう代理だいりから依頼いらいけ、情報じょうほうわたしていたということです。もと代表だいひょう代理だいりはロシアの情報じょうほう機関きかんの1つ、SVR=対外たいがい情報じょうほうちょう所属しょぞくしていたとみられています。

またおなとしの10つきには、大阪おおさか本社ほんしゃある積水せきすい化学かがく工業こうぎょうもと社員しゃいんが、スマートフォンの画面がめんに関にかんする研究けんきゅう内容ないよう中国ちゅうごく通信つうしん機器きき関連かんれん会社かいしゃらしたとして書類しょるい送検そうけんされ、去年きょねん有罪ゆうざい判決はんけつけました。

ビジネス交流こうりゅうサイトを通をつうじて会社かいしゃがわからコンタクトがあり、もと社員しゃいん中国ちゅうごくおとずれるなどしてやり取やりとしたうえで、機密きみつ情報じょうほうをメールでつたえていたということです。

さらに、2019ねんにも京都きょうと電子でんし部品ぶひんメーカー「NISSHA」のもと社員しゃいんが、主力しゅりょく製品せいひん技術ぎじゅつ情報じょうほうに関にかんするデータなどコピーして持ち出もちだし、一部いちぶ転職てんしょくさき中国ちゅうごく企業きぎょう技術ぎじゅつしゃ送信そうしんしたなどとして逮捕たいほ起訴きそされ、有罪ゆうざい判決はんけつけています。

このほか、サイバー攻撃こうげきによって日本にっぽん機密きみつ情報じょうほうをねらったとみられる事件じけんあきらかになっています。

去年きょねん4つきには、JAXA=宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう防衛ぼうえい関連かんれん企業きぎょうなどおよそ200にのぼ研究けんきゅう機関きかん会社かいしゃだい規模きぼなサイバー攻撃こうげきけました。捜査そうさ関係かんけいしゃによりますと、中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほうぐん指示しじけたハッカー集団しゅうだんによるものとみられることがかったということです。

ロシア組織そしきもと幹部かんぶの“スパイ活動かつどう” とは

おととし、ソフトバンクのもと社員しゃいん機密きみつ情報じょうほう不正ふせい取得しゅとくしたつみ有罪ゆうざい判決はんけつけた事件じけんでは、在日ざいにちロシア通商つうしょう代表だいひょうもと幹部かんぶによるスパイ活動かつどうとみられる手口てぐち詳細しょうさい警視庁けいしちょう捜査そうさあきらかになりました。

捜査そうさ関係かんけいしゃによりますと、在日ざいにちロシア通商つうしょう代表だいひょう貿易ぼうえき関連かんれん業務ぎょうむになロシア大使館たいしかん組織そしきで、もと幹部かんぶ当時とうじナンバー2の代表だいひょう代理だいりという立場たちばでした。しかし実際じっさいにはロシアの情報じょうほう機関きかんの1つ、「SVR」=対外たいがい情報じょうほうちょう所属しょぞくしていたとみられています。

事件じけんきっかけは、5ねんまえの2017ねん、ソフトバンクのもと社員しゃいんもと幹部かんぶ前任ぜんにんしゃ東京とうきょう みなと新橋しんばし繁華はんかがい出会であったことでした。
前任ぜんにんしゃが「このあたりにいい飲食いんしょくてんはありませんか」と日本語にほんごはなしかけてきたということで、もと社員しゃいん事前じぜんけたうえで偶然ぐうぜんよそおってちかづいたとみられています。このとき、1にんでいたもと社員しゃいん前任ぜんにんしゃとそのままちか飲食いんしょくてんはいり、その後そのごたびたび会食かいしょくするようになります。

そしてすうか月かげつ前任ぜんにんしゃ帰国きこくすることになり、「後任こうにんのロシアじんにも日本語にほんごおしえてあげてほしい」ともと幹部かんぶ紹介しょうかいされたということです。

それから2にんはおよそ2か月かげつに1のペースで会食かいしょく繰り返くりかえしました。場所ばしょ東京とうきょう周辺しゅうへんけん飲食いんしょくてんで、いずれもと幹部かんぶ指定していし、おなみせ使つかことはなかったといいます。携帯けいたい電話でんわ番号ばんごうなどおしえず、会食かいしょくのたびにつぎ日時にちじ場所ばしょつたえてきたということです。

また飲食いんしょくてん直接ちょくせつのではなく、かなら周辺しゅうへん人目ひとめにつきにくい場所ばしょ待ち合まちあわせたうえでみせかっていたということで、警視庁けいしちょうだれかに監視かんしされていないか、事前じぜん確認かくにんするねらいがあったとみています。会食かいしょく話題わだい食べ物たべものから国際こくさい情勢じょうせいまで幅広はばひろく、もと社員しゃいん仕事しごとなやいてもらうこともあったということです。

こうして関係かんけいふかめていくうちに、もと幹部かんぶ会社かいしゃ技術ぎじゅつに関にかんする情報じょうほうもとめるようになります。

はじめのうち会社かいしゃがホームページなど公開こうかいしている情報じょうほうにとどまっていましたが、要求ようきゅう次第しだい機密きみつ情報じょうほうにまでおよび、もと社員しゃいんわた資料しりょう内容ないようおうじてすうまんえんから20まんえん謝礼しゃれい受け取うけとっていたということです。

一方いっぽうもと社員しゃいん要求ようきゅうことわろうとすると、もと幹部かんぶは「あなたんでいるマンションっている」などおどようなことばをかけてくることもあったといいます。

警視庁けいしちょう公安こうあんきわめて巧妙こうみょう洗練せんれんされた手口てぐち

捜査そうさ関係かんけいしゃによりますと、機密きみつ情報じょうほうわたさい具体ぐたいてき手順てじゅんもと幹部かんぶ指示しじしていました。

情報じょうほうパソコン画面がめん表示ひょうじさせたうえでそれをデジタルカメラ撮影さつえいし、SDカード記録きろくする方法ほうほうです。そのさいもと社員しゃいんすうじゅうけたにおよぶパスワードを設定せっていし、記録きろくしたデータをいったん削除さくじょしたうえでSDカードわたよう指示しじされたということです。

警視庁けいしちょうもと幹部かんぶ情報じょうほう不正ふせい取得しゅとくした証拠しょうこのこさないようにしたうえで、受け取うけとったカードからデータ復元ふくげんしていたとみています。

おととしひらかれた裁判さいばんで、もと社員しゃいんは2019ねん会社かいしゃのサーバーから通信つうしん設備せつびに関にかんする機密きみつ情報じょうほう不正ふせい取得しゅとくしたつみわれ、起訴きそされた内容ないようみとめて懲役ちょうえき2ねん執行しっこう猶予ゆうよ4ねん罰金ばっきん80まんえん有罪ゆうざい判決はんけつけました。

一方いっぽうもと幹部かんぶ警視庁けいしちょう出頭しゅっとう要請ようせいおうじずロシアに帰国きこくし、その後そのごもと社員しゃいんをそそのかしたとして書類しょるい送検そうけんされ、起訴きそ猶予ゆうよとなっています。
警視庁けいしちょう公安こうあん増田ますだ美希子みきこ参事さんじかんは「ロシアによる諜報ちょうほう活動かつどう主体しゅたいプロのスパイであり、協力きょうりょくしゃとしてこのましい人物じんぶつ調しらげたうえで、卓越たくえつしたコミュニケーション能力のうりょくちかづいてくる。そして人間にんげんてき魅力みりょくなど相手あいてきつけながら、よわつけ込つけこんで心理しんりあやつろうとする。きわめて巧妙こうみょう洗練せんれんされた手口てぐちだ」とはなしていました。

顧問こもんむかえる”SNSつうねらわれるケース

スパイ活動かつどうやサイバー攻撃こうげきだけでなく、最近さいきんではSNSを入り口いりくちにして機密きみつ情報じょうほうがねらわれるケースも相次あいついでいるとみられています。

都内とない研究けんきゅう機関きかんつとめる30だい男性だんせいがNHKの取材しゅざいおうじ、中国ちゅうごく企業きぎょうへの転職てんしょくすすめるメッセージなどたびたびとどいている現状げんじょうあきらかにしました。

この男性だんせいは、AI=人工じんこう知能ちのうをものづくりの分野ぶんや活用かつようする研究けんきゅう専門せんもんで、研究けんきゅう機関きかんほかメーカーつとめていたこともあります。アメリカ会社かいしゃ運営うんえいするビジネス交流こうりゅうサイトを利用りようし、みずからの職歴しょくれき専門せんもん分野ぶんやなど公開こうかいしているということです。

男性だんせいのもとには、3ねんほどまえから中国ちゅうごくのエージェントや「アジア拠点きょてんとする企業きぎょうから依頼いらいけた」という会社かいしゃなどからメッセージとどようになりました。このうちの1つは、中国ちゅうごく通信つうしん機器きき大手おおてへの転職てんしょくのオファーでした。

当時とうじは、先端せんたん技術ぎじゅつをめぐるべいちゅう対立たいりつ激化げきかしたころで、男性だんせいは「半導体はんどうたいなど技術ぎじゅつくわしい人材じんざい自国じこく獲得かくとくする必要ひつようてきたので、オファーをたくさんしていたのだとおも」とはなしています。

中国ちゅうごくはたらことに魅力みりょくかんじなかった男性だんせいそのオファーをことわったということですが、警察けいさつ当局とうきょくはこうしたかたち技術ぎじゅつしゃ研究けんきゅうしゃ転職てんしょくすることなどによって機密きみつ情報じょうほう流出りゅうしゅつするそれあるとしています。

実際じっさい積水せきすい化学かがく工業こうぎょうもと社員しゃいん機密きみつ情報じょうほうらしたとして去年きょねん有罪ゆうざい判決はんけつけた事件じけんでは、おなビジネス交流こうりゅうサイトを通をつうじて接触せっしょくがあった中国ちゅうごく企業きぎょうから「技術ぎじゅつ顧問こもんむかえるなどちかけられていたことがかっています。

日本にっぽん技術ぎじゅつしゃ待遇たいぐうひくさも背景はいけい

一方いっぽう取材しゅざいおうじた男性だんせいのもとには、報酬ほうしゅう引き換ひきか専門せんもん分野ぶんや技術ぎじゅつについて電話でんわインタビューをしたい、という内容ないようメッセージ複数ふくすうとどいています。

時間じかんは1時間じかん程度ていどで、報酬ほうしゅうは3まんえんから4まんえんほど。なかには「金額きんがくはご自身じしんでご自由じゆう設定せっていいただけます」とするものもありました。

これまで依頼いらいおうじたことはなく、どんな情報じょうほうかれるかはからないということですが、男性だんせいはこうしたメッセージ機密きみつ情報じょうほう流出りゅうしゅつにつながるそれあるかんじています。

その背景はいけいとしてげたのが、日本にっぽん技術ぎじゅつしゃ研究けんきゅうしゃ待遇たいぐう海外かいがい企業きぎょうくらべてひく傾向けいこうあることです。

男性だんせいは「そのよわつけ込つけこまれ、報酬ほうしゅう引き換ひきか情報じょうほうわたしてしまうことは十分じゅうぶんこりうるとおも一度いちどおうじてしまえば、さらにたか報酬ほうしゅうたいとかんじ、ひとによってはどんどん重要じゅうよう情報じょうほうらしてしまうそれあるとく、みずからの能力のうりょくくらべて報酬ほうしゅうりないという不満ふまん日常にちじょうてきいているひとなら、こうした行為こうい正当せいとうしやすいのではないか」とはなしています。

また、SNSをつうじたやり取やりと依頼いらいするがわにとっても人材じんざい獲得かくとくしたり情報じょうほう入手にゅうしゅしたりするのに非常ひじょう効率こうりつてき手段しゅだんだとしたうえで「日本にっぽん企業きぎょう情報じょうほうセキュリティーをきびしくしたとしても、こうした依頼いらい魅力みりょくてきだとかんじる状況じょうきょうつづかぎり、機密きみつ情報じょうほうろうえいふせ抜本ばっぽんてき対策たいさくにはならないのではないかとおも」とはなしていました。

専門せんもん意識いしきえていく必要ひつようある

日本にっぽん先端せんたん技術ぎじゅつがねらわれている現状げんじょうについて、経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうくわしい東京とうきょう大学だいがく玉井たまい克哉かつや教授きょうじゅは「高度こうど先端せんたん技術ぎじゅつほとんど軍事ぐんじ転用てんよう可能かのうだ。海外かいがいではそれをまずさきかんがえるくにおおく、いち企業きぎょうからの流出りゅうしゅつ安全あんぜん保障ほしょうじょうおおきな脅威きょういなるそれがある日本にっぽんでは技術ぎじゅつ流出りゅうしゅつビジネスだけでなく安全あんぜん保障ほしょうにも影響えいきょうするという意識いしきがまだまだひくのが実情じつじょうで、業種ぎょうしゅにかかわらずその意識いしきえていく必要ひつようある」と指摘してきしています。

また最近さいきんはSNSなどを通をつうじて技術ぎじゅつしゃ研究けんきゅうしゃ直接ちょくせつアプローチできるようになり、流出りゅうしゅつそれがさらにたかまっているとしたうえで「機密きみつ情報じょうほうらしてしまう技術ぎじゅつしゃなどは、社内しゃないでの評価ひょうか待遇たいぐう不満ふまんっているケースおお流出りゅうしゅつふせには、情報じょうほう管理かんり強化きょうかするだけでなく、くに必要ひつよう戦略せんりゃく分野ぶんや認定にんていし、それ従事じゅうじする技術ぎじゅつしゃなど思い切おもいきって優遇ゆうぐうしたり、安心あんしんして研究けんきゅう取り組とりくめる環境かんきょう整備せいびしたりすることも重要じゅうようだ。いま国会こっかい経済けいざい安全あんぜん保障ほしょう推進すいしんほう成立せいりつし、政府せいふとして本気ほんき経済けいざい安全あんぜん保障ほしょう取り組とりく枠組わくぐつくったことは意義いぎある今後こんご実効じっこうせいのある対策たいさくにつなげていけるのか、注目ちゅうもくしたい」とはなしていました。
ソース:NHK ニュース