“コロナ感染かんせん者しゃ数すう 減少げんしょう傾向けいこうも対策たいさく徹底てっていを” 厚あつ労ろう省しょう専門せんもん家か会合かいごう

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくについて助言じょげんする厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうが開ひらかれ、全国ぜんこくの感染かんせん者しゃ数すうは減少げんしょう傾向けいこうが続つづいている一方いっぽう、いまだに去年きょねん夏なつのピークよりも感染かんせん者しゃ数すうが多おおい状況じょうきょうが続つづいているとしました。学校がっこうや高齢こうれい者しゃ福祉ふくし施設しせつで感染かんせんする割合わりあいも高こう止どまりになっているとして引き続ひきつづき基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくなどを徹底てっていするよう呼よびかけています。

専門せんもん家か会合かいごうは現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうについてほとんどの地域ちいきで減少げんしょう傾向けいこうが続つづき、首都しゅと圏けんや大阪おおさか府ふ、愛知あいち県けんなどで去年きょねん夏なつの第だい5波はのピークを下回したまわっているほか、感染かんせん者しゃ数すうが全国ぜんこくで最もっとも多おおい沖縄おきなわ県けんでもこの2週間しゅうかんは減少げんしょう傾向けいこうが続つづいているとしています。

年代ねんだい別べつに見みると全国ぜんこくではすべての年代ねんだいで感染かんせん者しゃ数すうが減少げんしょう傾向けいこうとなっているものの、一部いちぶの地域ちいきでは80代だい以上いじょうの高齢こうれい者しゃで増加ぞうか傾向けいこうが見みられるほか、感染かんせん場所ばしょのうち学校がっこうや事業じぎょう所しょ、高齢こうれい者しゃ福祉ふくし施設しせつの占しめる割合わりあいが高こう止とまりしていると分析ぶんせきしています。

また夜間やかんの繁華はんか街がいの人出ひとでについては全国ぜんこくの半数はんすう以上いじょうの地域ちいきで増加ぞうか傾向けいこうが見みられ、中なかには去年きょねんの年末ねんまつのピーク時じに迫せまるほど増加ぞうかする地域ちいきもあり、ここ数すう日にちは特とくに20代だいから60代だいで飲食いんしょく店てんで感染かんせんする割合わりあいが増加ぞうか傾向けいこうになっているということです。

一方いっぽうで医療いりょう体制たいせいについては全国ぜんこくでは半分はんぶん以上いじょうの地域ちいきで病床びょうしょう使用しよう率りつの減少げんしょう傾向けいこうが見みられるものの、沖縄おきなわ県けんでは入院にゅういん者しゃ数すうや病床びょうしょう使用しよう率りつはほぼ横よこばいだとしています。

こうしたことから専門せんもん家か会合かいごうは、特とくに大だい都市とし部ぶでは短期たんき的てきな予測よそくで減少げんしょう傾向けいこうが続つづくことが見込みこまれるものの全国ぜんこく的てきにはいまだに去年きょねん夏なつのピークよりも感染かんせん者しゃ数すうが多おおい状況じょうきょうが続つづいているとして、ワクチンの3回かい目めの接種せっしゅをさらに進すすめるとともに少すこしでも体調たいちょうが悪わるければ外出がいしゅつを控ひかえること、不ふ織お布ぬのマスクの正ただしい着用ちゃくよう、手洗てあらい、1つの密みつでも避さけるといった基本きほん的てきな感染かんせん対策たいさくを徹底てっていすることなどを呼よびかけました。

さらに高齢こうれい者しゃの重症じゅうしょう化かを予防よぼうするために、介護かいご福祉ふくし施設しせつでは入所にゅうしょ者しゃへの4回かい目めのワクチン接種せっしゅを進すすめるよう求もとめました。

脇田わきた座長ざちょう「減少げんしょう傾向けいこうが続つづくと予測よそくしているが…」

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうのあとに開ひらかれた記者きしゃ会見かいけんで脇田わきた隆たかし字じ座長ざちょうは現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうについて「今いま、感染かんせん者しゃ数すうが減少げんしょうしている要因よういんはワクチンの接種せっしゅや感染かんせんしたことによる免疫めんえきの獲得かくとくなどが大おおきいと思おもう。ただワクチンは3回かい目め接種せっしゅから時間じかんがたつと発症はっしょう予防よぼう効果こうかは下さがる。4回かい目めの接種せっしゅは高齢こうれい者しゃを中心ちゅうしんに重症じゅうしょう化かの予防よぼうが主おもな目的もくてきなので、流行りゅうこうを防ふせぐ効果こうかは限定げんてい的てきだと考かんがえられる。例年れいねん6月つきは人ひと流りゅうがそれほど多おおい月つきではないのでしばらく減少げんしょう傾向けいこうが続つづくと予測よそくしているが、梅雨つゆ明あけ以降いこう、ワクチンの効果こうかが下さがり、夏休なつやすみで人ひと流りゅうが増ふえると感染かんせん者しゃ数すうが再さい上昇じょうしょうする可能かのう性せいがあるという議論ぎろんがあった」と話はなしていました。

また水際みずぎわ対策たいさくが緩和かんわされたことについて「陽性ようせい者しゃがすり抜すりぬけることは増ふえるとみられるが、現在げんざい全国ぜんこくで2万まん人にんいる感染かんせん者しゃ数すうの規模きぼに影響えいきょうするのかモニタリングする必要ひつようがある。また新あらたな変異へんいウイルスが海外かいがいから流入りゅうにゅうしていないかどうかゲノム解析かいせきを行おこなって調査ちょうさしていく必要ひつようがある」と話はなしていました。

子こどもに過剰かじょうな感染かんせん予防よぼう対策たいさくを強しいることがないよう提言ていげん

オミクロン株かぶで子こどもの感染かんせんが増ふえる中なか、専門せんもん家かの有志ゆうしは子こどもに過剰かじょうな感染かんせん予防よぼう対策たいさくを強しいることがないよう現時点げんじてんでの子こどもへの対策たいさくや課題かだいをまとめた文書ぶんしょを公表こうひょうしました。

この文書ぶんしょは厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうで、専門せんもん家か会合かいごうのメンバーを中心ちゅうしんに小児しょうに医療いりょうの専門せんもん家かなど15人にんが示しめしました。

この中なかでは発育はついく途上とじょうにある子こどもに過剰かじょうな警戒けいかいを強しいることなく、遊あそびや学まなびの機会きかいを奪うばわないよう周囲しゅういの大人おとなが努力どりょくすべきだと指摘してきしました。そして現在げんざい薦すすめられることとして、マスクを外はずせる場面ばめんでは一律いちりつに着用ちゃくようを求もとめないことや、運動うんどう会かいや卒業そつぎょう式しきなどの行事ぎょうじは感染かんせん対策たいさくを工夫くふうしたうえで実施じっしする方向ほうこうで検討けんとうすることなどを挙あげました。

また症状しょうじょうの軽かるい子こどもに学校がっこうや保育ほいく所しょ、保護ほご者しゃの職場しょくばなどが検査けんさを求もとめるケースが増ふえているとして、不用意ふよういに検査けんさを求もとめると小児しょうに医療いりょうのひっ迫ひっぱくなどにつながるおそれがあると指摘してきし、医学いがく的てきにも子こどもの全身ぜんしん状態じょうたいとして元気げんきであれば一律いちりつに検査けんさを受うけなくてもよいとしました。

このほか文書ぶんしょでは急性きゅうせい脳症のうしょうなどまれに重症じゅうしょう化かする子こどもに迅速じんそくに対応たいおうできる小児しょうに救急きゅうきゅう医療いりょう体制たいせいの整備せいびの必要ひつよう性せいなども指摘してきしました。

有志ゆうしの1人にんで川崎かわさき市し健康けんこう安全あんぜん研究所けんきゅうじょの岡部おかべ信彦のぶひこ所長しょちょうは「子こどもの感染かんせんは再ふたたび増ふえる可能かのう性せいもあり今いまの考え方かんがえかたや中ちゅう長期ちょうき的てきな対策たいさくをまとめた。これをきっかけに子こどもの対策たいさくにより目めを向むけてほしい」と話はなしています。

1週間しゅうかんの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうの前週ぜんしゅう比ひ 全国ぜんこくでは減少げんしょう傾向けいこう続つづく

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうで示しめされた資料しりょうによりますと、5月つき31日にちまでの1週間しゅうかんの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは全国ぜんこくでは前まえの週しゅうと比くらべて0.73倍ばいと減少げんしょう傾向けいこうが続つづいています。

首都しゅと圏けんの1都と3県けんでは
▽東京とうきょう都と、神奈川かながわ県けん、そして千葉ちば県けんで0.76倍ばい、
▽埼玉さいたま県けんで0.81倍ばい、

関西かんさいでは
▽大阪おおさか府ふで0.74倍ばい、
▽兵庫ひょうご県けんで0.76倍ばい、
▽京都きょうと府ふで0.72倍ばい、

東海とうかいでは
▽愛知あいち県けんで0.75倍ばい、
▽岐阜ぎふ県けんで0.83倍ばい、
▽三重みえ県けんで0.74倍ばいと各地かくちで減少げんしょうしています。

また
▽北海道ほっかいどうは0.67倍ばい、
▽宮城みやぎ県けんは0.75倍ばい、
▽広島ひろしま県けんは0.69倍ばい、
▽福岡ふくおか県けんは0.74倍ばい、
▽人口じんこう当あたりの感染かんせん者しゃ数すうが最もっとも多おおい沖縄おきなわ県けんも0.72倍ばいなどといずれも減少げんしょうとなっています。

46都道とどう府県ふけんで減少げんしょうしていて前まえの週しゅうより新規しんき感染かんせん者しゃ数すうが多おおくなったのは
▽1.13倍ばいだった山梨やまなし県けんのみとなっています。

人口じんこう10万まん当あたりの直近ちょっきん1週間しゅうかんの感染かんせん者しゃ数すうは、減少げんしょう傾向けいこうが続つづいているものの
▽沖縄おきなわ県けんが670.47人にんと全国ぜんこくで最もっとも多おおくなっています。

次ついで
▽宮崎みやざき県けんが214.48人にん、
▽鹿児島かごしま県けんが205.95人にん、
▽石川いしかわ県けんが204.32人にん、
▽北海道ほっかいどうが195.63人にん、
▽広島ひろしま県けんが191.66人にん、
▽福岡ふくおか県けんが191.09人にん、そして
▽大阪おおさか府ふが161.44人にん、
▽東京とうきょう都とが130.98人にんなどとなっていて、
▽全国ぜんこくでは137.80人にんとなっています。

後藤ごとう厚あつし労相ろうしょう「可能かのうなかぎり日常にちじょう生活せいかつ取り戻とりもどす対策たいさく講こうじる」

専門せんもん家か会合かいごうで後藤ごとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは「全国ぜんこくの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは1週間しゅうかんの平均へいきんで先週せんしゅう比ひ0.73となっていて、ほとんどの地域ちいきで減少げんしょう傾向けいこうが続つづいている。沖縄おきなわ県けんは全国ぜんこくで最もっとも高たかい状況じょうきょうが続つづいているものの、直近ちょっきんの2週間しゅうかんほどは減少げんしょうがほぼ継続けいぞくしている」と指摘してきしました。

そのうえで「沖縄おきなわ県けん以外いがいの地域ちいきも含ふくめ、今後こんごの感染かんせん状況じょうきょうを引き続ひきつづき注視ちゅうししていく必要ひつようがある。最大限さいだいげんの警戒けいかいをしつつ、安全あんぜん安心あんしんを確保かくほしながら可能かのうなかぎり日常にちじょうの生活せいかつを取り戻とりもどすために必要ひつような対策たいさくを講こうじていく」と述のべました。

ソース：NHK ニュース