最後さいごの同窓どうそう会かい 沖縄おきなわ戦せんで廃校はいこうの「二に高だか女おんな」減へり続つづける戦争せんそう体験たいけん者しゃ

今いまから78年ねん前まえ、20万まん人にんを超こえる人ひとたちが亡なくなった沖縄おきなわ戦せんで廃校はいこうになり、生徒せいとの一部いちぶが「白梅はくばい学徒がくと隊たい」として戦場せんじょうに動員どういんされた県立けんりつ第だい二に高等こうとう女おんな学校がっこう。
その最後さいごの同窓どうそう会かいが12日にち、那覇なは市しで開ひらかれ、90代だいの同窓どうそう生せいたち20人にんが戦前せんぜんの学園がくえん生活せいかつの思い出おもいでや戦中せんちゅう・戦後せんごの苦労くろうを語り合かたりあいました。

戦前せんぜん、「二に高だか女おんな」と呼よばれていた那覇なは市しの沖縄おきなわ県立けんりつ第だい二に高等こうとう女おんな学校がっこうは沖縄おきなわ戦せんで廃校はいこうになりましたが、戦後せんご「白梅はくばい同窓どうそう会かい」を結成けっせいし卒業そつぎょう生せいたちが交流こうりゅうを続つづけてきました。

生徒せいとたちの一部いちぶは「白梅はくばい学徒がくと隊たい」として負傷ふしょう兵へいの看護かんごのため沖縄おきなわ戦せんに動員どういんされて22人にんが亡なくなり、元もと学徒がくとたちはみずからの過酷かこくな体験たいけんや命いのちを落おとした学友がくゆうのことを語り継かたりついできました。

那覇なは市内しないのホテルでは12日にち、最後さいごの同窓どうそう会かいが開ひらかれ、元もと学徒がくとやその先輩せんぱい・後輩こうはいにあたる90代だいの同窓どうそう生せい20人にんや家族かぞくなどが参加さんかし、「二に高だか女おんな」の校歌こうかを歌うたいました。

続つづいて、最年長さいねんちょうの97歳さい、同窓どうそう会長かいちょうの大城おおしろ君子きみこさんが「同窓どうそう会かいの初回しょかいと終おわりに出席しゅっせきできて光栄こうえいです。会かいは終おわってもいつまでも『二に高だか女おんな』の絆きずなは続つづきます」とあいさつしました。

白梅はくばい同窓どうそう会かいの会合かいごうは昭和しょうわ35年ねんから63年間ねんかん続つづき、多おおい時ときには100人にんを超こえる参加さんか者しゃがいました。

12日にちの同窓どうそう会かいは新型しんがたコロナの影響えいきょうで4年ねんぶりの開催かいさいとなり、同窓どうそう生せいの1人にんは久々ひさびさの再会さいかいが最後さいごの同窓どうそう会かいになることについて、「うれしさ半分はんぶん、さみしさ半分はんぶんです」と話はなしていました。

元もと学徒がくとの武村たけむら豊ゆたかさん（94）
「年としをとって語かたり部ぶをすることができないので孫まごに戦争せんそうで負おった足あしの傷痕きずあとを見みせるなどしています。若わかい世代せだいの人ひとたちが記憶きおくの継承けいしょう活動かつどうをしてくれているので安心あんしんしています」

「なぜ話し合はなしあいで解決かいけつできないのでしょうか」

同窓どうそう生せいたちはイスラエル・パレスチナ情勢じょうせいやロシアによるウクライナ侵攻しんこうで多おおくの人ひとの命いのちが失うしなわれていることに心こころを痛いためています。

稲田いなだ和子かずこさん(94)
「テレビで子こどもたちが親おやに抱いだかれて逃にげたり泣ないたりしているのを見みるとつらくなります。戦争せんそうは絶対ぜったいにだめです」

奥間おくま百合子ゆりこさん(94)
「戦争せんそうは勝かっても負まけても何なにも残のこりません。なぜ話し合はなしあいで解決かいけつできないのでしょうか」

山田やまだ和子かずこさん(95)
「当初とうしょ、戦争せんそうはお国くにのためだと信しんじていたので艦かん砲ほう射撃しゃげきの音おとも怖こわくはありませんでしたが、アメリカ軍ぐんの攻撃こうげきが続つづく中なかで日本にっぽんが太刀打たちうちできる相手あいてではないとわかってきました。ロシアのウクライナの侵攻しんこうを見みると私利しり私欲しよくに見みえてしまいます」

沖縄おきなわ戦せん体験たいけん者しゃ 相次あいついで…

ことしに入はいり、長年ながねん、「白梅はくばい同窓どうそう会かい」の同窓どうそう会長かいちょうを務つとめた元もと学徒がくとの中山なかやまきくさんが亡なくなるなど、平和へいわな社会しゃかいであってほしいと命いのちの大切たいせつさを訴うったえてきた沖縄おきなわ戦せんの体験たいけん者しゃが相次あいついで亡なくなっています。

中山なかやまきくさん

県立けんりつ第だい二に高等こうとう女おんな学校がっこうに通かよっていた時ときに負傷ふしょう兵へいの看護かんごにあたる「白梅はくばい学徒がくと隊たい」として動員どういんされた中山なかやまきくさんは、1月つき、94歳さいで亡なくなりました。

戦争せんそうの過あやまちを二度にどと繰り返くりかえしてはならないという思おもいから、みずからの経験けいけんを県けんの内外ないがいで精力せいりょく的てきに語かたり、一貫いっかんして平和へいわの尊とうとさを訴うったえてきました。

本村もとむらつるさん

沖縄おきなわ師範しはん学校がっこう女子じょし部ぶに通かよっていた時ときに負傷ふしょう兵へいの看護かんごにあたる「ひめゆり学徒隊ひめゆりがくとたい」として動員どういんされた本村もとむらつるさんは、4月つき、97歳さいで亡なくなりました。

平良たいら啓子けいこさん

太平洋たいへいよう戦争せんそう中ちゅう、沖縄おきなわから九州きゅうしゅうに向むかう途中とちゅうアメリカ軍ぐんに撃沈げきちんされた疎開そかい船せん「対馬つしま丸まる」から生還せいかんした平良たいら啓子けいこさんは、7月つき、88歳さいで亡なくなりました。

上原うえはらはつ子はつこさん

県内けんないにあった21の学校がっこうの生徒せいとが学徒がくと隊たいとして動員どういんされたり戦禍せんかに巻き込まきこまれたりして学業がくぎょう半なかばで亡なくなった悲劇ひげきを後世こうせいに伝つたえたいと「全ぜん学徒がくと隊たいの碑いしぶみ」の設置せっちに尽力じんりょくし、みずからの戦争せんそう体験たいけんを語り継かたりついできた上原うえはらはつ子はつこさんは、先月せんげつ、94歳さいで亡なくなりました。

戦争せんそうを直接ちょくせつ、経験けいけんした世代せだいは減へり続つづけています。

ソース：NHK ニュース