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べいちゅう対立たいりつ歯止はどは?1ねんぶり首脳しゅのう会談かいだん日本にっぽん時間じかん16にち早朝そうちょうから

2023-11-15 09:08:06

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アメリカのバイデン大統領だいとうりょう中国ちゅうごく近平ちから国家こっか主席しゅせきによる1ねんぶりの首脳しゅのう会談かいだんがアメリカ西にし海岸かいがん日本にっぽん時間じかんの16にち早朝そうちょうはじまります。両国りょうこく対立たいりつふかまるなか不測ふそく事態じたい衝突しょうとつへと発展はってんしないよう、ぐんどうしが連絡れんらくをとりあえる環境かんきょうきづけるかが焦点しょうてんです。

べいちゅう首脳しゅのう会談かいだんは、アメリカ西にし海岸かいがんのサンフランシスコでおこなわれるAPEC=アジア太平洋たいへいよう経済けいざい協力きょうりょく会議かいぎわせて、15にち昼前ひるまえ日本にっぽん時間じかんの16にち早朝そうちょうからおこなわれます。

べいちゅう関係かんけいは、台湾たいわん海峡かいきょう南シナ海みなみしなかい経済けいざい安全あんぜん保障ほしょう分野ぶんやなどをめぐり対立たいりつふかまっていて、バイデン政権せいけん安全あんぜん保障ほしょう政策せいさく担当たんとうするサリバン大統領だいとうりょう補佐ほさかんは、会談かいだんまえに13にちひらいた会見かいけんで、現在げんざいべいちゅう関係かんけいについて「複雑ふくざつ競争きょうそう関係かんけいにあり、簡単かんたん衝突しょうとつ対決たいけつてんじやすい」という認識にんしきしめしました。

バイデン大統領だいとうりょうは14にち会談かいだんのねらいについて「中国ちゅうごくとの関係かんけい危機ききさい意思いし疎通そつうできる状態じょうたいもどし、ぐんどうしが確実かくじつ連絡れんらくをとれるようにすることだ」とべました。

そのうえで「中国ちゅうごくと『デカップリング』をするつもりはない」とべて、中国ちゅうごく経済けいざい関係かんけい維持いじする一方いっぽう軍事ぐんじ転用てんよう可能かのう先端せんたん技術ぎじゅつなど分野ぶんや限定げんていして輸出ゆしゅつ規制きせいしていくかんが強調きょうちょうしました。

会談かいだんでは、去年きょねん11つき以降いこうおこなわれていない対面たいめんでの国防こくぼうしょう会談かいだん実現じつげんアメリカ下院かいん議長ぎちょうだったペロシ台湾たいわん訪問ほうもんきっかけ去年きょねんなつから遮断しゃだんされているぐんのホットラインの再開さいかいなど両国りょうこくぐんどうしが連絡れんらくをとりあえる環境かんきょうきづけるかが焦点しょうてんです。

また台湾たいわん海峡かいきょう平和へいわ安定あんていについてや、イスラエルとイスラム組織そしきハマスの衝突しょうとつつづ中東ちゅうとう情勢じょうせいについても意見いけんわす見通みとおで、べいちゅう対立たいりつふかまりに歯止はどかける糸口いとぐちいだせるのか注目ちゅうもくされています。


近平ちから国家こっか主席しゅせき 訪米ほうべいして首脳しゅのう会談かいだんやく6ねんはんぶり

近平ちから国家こっか主席しゅせきは、これまでにアメリカで4かい首脳しゅのう会談かいだんおこなっています。

はじめて首脳しゅのう会談かいだんは、就任しゅうにんからおよそ3か月かげつの2013ねん6つきで、当時とうじのオバマ大統領だいとうりょう西部せいぶカリフォルニアしゅうパームスプリングス郊外こうがいある保養ほよう、サニーランズで2日間にちかんにわたっておこなわれました。

アメリカがわ会談かいだん会場かいじょう首都しゅとワシントンからはなれた保養ほよう施設しせつえらんだのは、うちけた雰囲気ふんいきなか首脳しゅのうかん交流こうりゅうふかめ、信頼しんらい関係かんけい構築こうちくすすめるねらからでした。

このときの首脳しゅのう会談かいだんでは「相互そうご利益りえき尊重そんちょうもとづいたあら関係かんけい構築こうちく目指めざこと」で一致いっちし、北朝鮮きたちょうせん非核ひかくけて、これまでより連携れんけい強化きょうかしていく方針ほうしんなど確認かくにんしました。

2かいは2015ねん9つきにワシントンでおこなわれ、サイバーセキュリティーに関にかん政府せいふがサイバー攻撃こうげき企業きぎょう情報じょうほうぬす行為こういをしないことで一致いっちしました。

3かいは2016ねん3つき、ワシントンでひらかれたかくセキュリティーサミットへの出席しゅっせきにあわせて当時とうじのオバマ大統領だいとうりょう首脳しゅのう会談かいだんおこない、挑発ちょうはつ行為こうい繰り返くりかえ北朝鮮きたちょうせんに対にたい国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじかい制裁せいさい決議けつぎ着実ちゃくじつ実施じっしするなどべいちゅう両国りょうこく協力きょうりょくして取り組とりくんでいくことを確認かくにんしました。

4かいは2017ねん4つきで、当時とうじトランプ大統領だいとうりょうと、南部なんぶフロリダしゅうあるトランプ邸宅ていたく「マー・アー・ラゴ」で2日間にちかんにわたって会談かいだんおこないました。

会談かいだんでは、北朝鮮きたちょうせんかく・ミサイル開発かいはつをめぐり、国連こくれん安保理あんぽり決議けつぎ完全かんぜん履行りこう協力きょうりょくすることを確認かくにんしたものの、圧力あつりょく強化きょうかせまアメリカと対話たいわ重視じゅうしする中国ちゅうごくとの立場たちばちがのこりました。

主席しゅせきアメリカおとずれて首脳しゅのう会談かいだんおこなのは、2017ねん4つき以来いらいおよそ6ねんはんぶりとなります。


首脳しゅのう会談かいだん注目ちゅうもくてん たいべい外交がいこうくわしい中国ちゅうごく専門せんもん

今回こんかいべいちゅう首脳しゅのう会談かいだん注目ちゅうもくてんについて、中国ちゅうごくたいべい外交がいこうくわしい中国人ちゅうごくじんみん大学だいがく国際こくさい関係かんけい学院がくいんおうよし※ガイ教授きょうじゅきました。
※ガイは木偏きへん


Q1.今回こんかい首脳しゅのう会談かいだん注目ちゅうもくてんは?


A1.だい1に、中国ちゅうごくアメリカ一定いってい対話たいわのメカニズムを取り戻とりもどせるどうかだ。
なぜなら中国ちゅうごくアメリカには、100ちか対話たいわのメカニズムがあるが、バイデン政権せいけんでは5つにとどまっている。
両国りょうこくかん航空こうくう便びん人的じんてき交流こうりゅうなどまだ回復かいふくしておらず、回復かいふくいちいちだ。
アメリカは、いまこそ協力きょうりょくすべきだ。

だい2に、あら成長せいちょう分野ぶんや育成いくせいだ。
たとえば気候きこう変動へんどうやAI=人工じんこう知能ちのうなどは、中国ちゅうごくアメリカあら成長せいちょう分野ぶんやとなり、ともに取り組とりくべき分野ぶんやだ。
中国ちゅうごくアメリカ協力きょうりょくしなければ、世界せかいなに解決かいけつできない。

だい3は、経済けいざいめんでの協力きょうりょくだ。
中国ちゅうごくアメリカにとっては、以前いぜん経済けいざい貿易ぼうえき両国りょうこく関係かんけい安定あんていさせるおもしだったが、いまはそのおもしは明確めいかくでなくなった。
アメリカ現在げんざいあら半導体はんどうたいに関にかんする規制きせいつく一方いっぽう中国ちゅうごくとの緊張きんちょういている。
やはり経済けいざい協力きょうりょく全体ぜんたいながになっているとおも


Q2.中国ちゅうごくにとって今回こんかい会談かいだん意義いぎは?



A2.中国ちゅうごく自身じしん経済けいざい発展はってん加速かそくさせなければならない。
新型しんがたコロナの3ねんは、地方ちほう政府せいふ債務さいむ増加ぞうかまねき、経済けいざい成長せいちょう鈍化どんかして、失業しつぎょうりつたかくなった。
いま中国ちゅうごくだい規模きぼ景気けいき刺激しげきさく導入どうにゅうし、アメリカとの関係かんけい安定あんていのぞんでいる。
またアメリカ来年らいねん大統領だいとうりょう選挙せんきょある
バイデン大統領だいとうりょうには中国ちゅうごくとの関係かんけい処理しょりする余裕よゆうはなくなるトランプぜん大統領だいとうりょうどちら中国ちゅうごくきびしいかを比較ひかくされることになるため、両国りょうこく関係かんけい来年らいねんもっと面倒めんどうなことになる。
だからいま両国りょうこくかんにルールをもうけることが必要ひつようだ。
トラブルえるまえにルールをめたほうがいい。


Q3.首脳しゅのう会談かいだんのあと中国ちゅうごくアメリカ関係かんけいどうなる


A3.しばらくは、局地きょくちてき断続だんぞくてき安定あんていになる。
しかし中国ちゅうごくアメリカただしいつきあいかたつけ、そのメカニズムを確立かくりつするにはながプロセスが必要ひつようなるだろう。
両国りょうこく競争きょうそうは、近平ちから国家こっか主席しゅせきように「死闘しとう繰り広くりひろげる格闘技かくとうぎ』ではなく、いかけあい、たがいにたかあっていく『陸上りくじょう競技きょうぎ』であるべきだ」(2021ねん1つき世界せかい経済けいざいフォーラムオンライン会合かいごうでの発言はつげん)ということだ。
中国ちゅうごく台頭たいとうが、アメリカ市場しじょう技術ぎじゅつルールなどなにからなにまでしのけているという見方みかたあるが、全体ぜんたいてきにみればグローバリゼーションが、アメリカと中国ちゅうごく双方そうほう利益りえきをもたらしている。
パイをおおきくすることによってのみ、みんながさらにおお分け前わけまえられるのだ。
勝ち負かちまかならあるが、それでも全体ぜんたいれば、中国ちゅうごくアメリカみんなが、グローバリゼーションから利益りえきているのだ。


べいもと高官こうかん目標もくひょうべいちゅう関係かんけい下降かこうたがいに認識にんしきこと」

アメリカ国務省こくむしょうたい中国ちゅうごく政策せいさく統括とうかつする「チャイナ・ハウス」とばれる部署ぶしょ初代しょだい責任せきにんしゃつとめたリック・ウォーターズが、NHKのインタビューおうじました。



このなかで、ウォーターズは「べいちゅう関係かんけいは、かつてのようになんにち会談かいだんして共同きょうどう声明せいめいしていたようなときからは、ほど遠ほどとお状況じょうきょうある。10ねん、20ねんまえのように両国りょうこく関係かんけい安定あんていさい構築こうちくはかといった首脳しゅのう会談かいだんにはならず、今回こんかい目標もくひょうべいちゅう関係かんけい管理かんりされたかたち下降かこうしていく期間きかんはいったことをたがいに認識にんしきことにある」と指摘してきしました。

そのうえで「りょう首脳しゅのうは、去年きょねん、インドネシアのバリ島ばりとう議論ぎろんしたこととおな議題ぎだいについて意見いけんわし、関係かんけい構築こうちくのための土台どだいどうつくか、たが政策せいさく明確めいかく理解りかいするための意思いし疎通そつうチャンネルをいかに確保かくほするかを話し合はなしあだい部分ぶぶん議論ぎろんは、台湾たいわん問題もんだい技術ぎじゅつ競争きょうそうそして中東ちゅうとうのガザ地区ちくでの衝突しょうとつやウクライナでの戦闘せんとうといった重要じゅうよう課題かだいかれることになるだろう」とべました。

また、ことしなつ以降いこう中国ちゅうごくがわもアメリカとの対話たいわ前向まえむ姿勢しせいはじめた背景はいけいについて、ウォーターズは「中国ちゅうごく国内こくない経済けいざいがことし悪化あっかしたことと無関係むかんけいではないはずだ。そのことで中国ちゅうごくがわとしても、対外たいがいてき関係かんけい安定あんていはか国内こくない課題かだい集中しゅうちゅうする環境かんきょうきずきたいとかんがえた可能かのうせいがある」と分析ぶんせきしました。

さらに、中東ちゅうとうつづ衝突しょうとつべいちゅう関係かんけいへの影響えいきょうについては「現実げんじつにはいま、バイデン大統領だいとうりょうその国家こっか安全あんぜん保障ほしょうチームちからはガザ地区ちく集中しゅうちゅうてきけられている。そのことが、アメリカたい中国ちゅうごく政策せいさくえるわけではないが、必然ひつぜんてきに、片方かたほうきた危機きき相当そうとう注意ちゅうい振り向ふりむけなければならないときには、もう片方かたほう混乱こんらんしょうじてほしくないとかんがえるのは当然とうぜんなことだ」と指摘してきしました。

そのうえで「中国ちゅうごくアメリカのそうした状況じょうきょうて、東アジアひがしあじあ地域ちいきやフィリピン周辺しゅうへんでアメリカやその同盟どうめいこく航空こうくうなどに対にたいして危険きけん妨害ぼうがい行為こういをしている」とべ、中国ちゅうごく台湾たいわん周辺しゅうへん南シナ海みなみしなかいでの最近さいきん行動こうどうは、アメリカが中東ちゅうとうでの衝突しょうとつやウクライナでの戦闘せんとうへの対応たいおうわれていることと関係かんけいしているとの見方みかたしめしました。

そして首脳しゅのう会談かいだん焦点しょうてんについてウォーターズは「構造こうぞうてき関係かんけい悪化あっか管理かんりしていこうというこころはすぐにもためされる。それはまず技術ぎじゅつ競争きょうそうだ。アメリカあら行動こうどう踏み切ふみきことは確実かくじつで、中国ちゅうごくそれ対抗たいこうする必要ひつようせまられるためだ。さらには来年らいねん1つき台湾たいわん総統そうとう選挙せんきょ結果けっか中国ちゅうごくあたらしい台湾たいわん総統そうとうに対にたいしてどのような行動こうどうをとるかというてんためされている」とべて、経済けいざい安全あんぜん保障ほしょう分野ぶんやでの競争きょうそう台湾たいわん総統そうとう選挙せんきょポイントなるという認識にんしきしめしました。


べい企業きぎょうからは両国りょうこく緊張きんちょう緩和かんわ関係かんけい強化きょうか期待きたいするこえ

今回こんかいべいちゅう首脳しゅのう会談かいだんについて、中国ちゅうごく貿易ぼうえきおこなアメリカ企業きぎょう団体だんたいからは両国りょうこく関係かんけい緊張きんちょう緩和かんわ関係かんけい強化きょうかにつながってほしいとのこえかれます。

今月こんげつ中国ちゅうごく上海しゃんはいでは輸入ゆにゅうひんなどあつめただい規模きぼ国際こくさい見本市みほんいちに、アメリカからもEV=電気でんき自動車じどうしゃメーカー半導体はんどうたい関連かんれん企業きぎょうなどが参加さんかして中国ちゅうごく市場しじょうけてアピールしました。

この見本市みほんいちにはアメリカ政府せいふはじめてパビリオンを出展しゅってんし、アメリカさん農産物のうさんぶつ牛肉ぎゅうにくなどあつか企業きぎょう団体だんたい参加さんかしました。


このうちアメリカ、アイダホしゅう代表だいひょうだんくわわり参加さんかしたマイク・アンダーソンさんは、アメリカさんまめなど輸出ゆしゅつする会社かいしゃ経営けいえいしています。

中国ちゅうごくではグリーンピースをげたお菓子おかし人気にんきで、中国ちゅうごくはアンダーソンさん会社かいしゃあつかアメリカさんグリーンピースの最大さいだい輸出ゆしゅつさきになっているということです。

アンダーソンさんは「関税かんぜいがかけられたさいには売り上うりあおおきく落ち込おちこんだように、両国りょうこく政治せいじてき関係かんけいビジネス影響えいきょうあたえます。べいちゅう敵対てきたいてき関係かんけいあるべきではありません。かお突き合つきあわせての首脳しゅのう会談かいだん妥協だきょうてんいだし、ビジネスにとって前向まえむ結果けっかをもたらす機会きかいなることを期待きたいしています」とはなしていました。

またアメリカ大豆だいず生産せいさんしゃなどからなるアメリカ大豆だいず輸出ゆしゅつ協会きょうかいは、アメリカ政府せいふのパビリオンとはべつ独自どくじ出展しゅってんしました。

アメリカ大豆だいず輸出ゆしゅつ協会きょうかいのジム・サッターCEOは、最大さいだい輸出ゆしゅつさきである中国ちゅうごくとの関係かんけいについて「中国ちゅうごく大事だいじ市場しじょうだが、政治せいじてきには緊張きんちょうもあり両国りょうこく関係かんけい不安定ふあんていめんがある。ことしも気球ききゅう問題もんだいきたとき緊張きんちょうたかまり、中国ちゅうごく買い手かいてすこ不安ふあんにさせたとおも首脳しゅのう会談かいだん双方そうほう利益りえきにつながるものになるよう期待きたいしている」とはなしていました。

ソース:NHK ニュース