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再犯さいはん防止ぼうし福祉ふくし視点してん支援しえん 刑事けいじ司法しほうソーシャルワーカー講座こうざ

2023-11-19 12:16:17

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最近さいきん警察けいさつなど検挙けんきょされたひとのおよそ2にんに1にん再犯さいはんしゃとなり、再犯さいはん防止ぼうし課題かだいになっています。
そうしたなか東京とうきょう社会しゃかい福祉ふくしかいは、つみおかしたひと立ち直たちなお福祉ふくし視点してんから支援しえんする「刑事けいじ司法しほうソーシャルワーカー」の養成ようせいちかられています。

刑事けいじ司法しほうソーシャルワーカーとは、つみおかしたひとなかでも高齢こうれいしゃ障害しょうがいしゃなど立ち直たちなおむずかしいひとたちを支援しえんする社会しゃかい福祉ふくしのことで、東京とうきょう社会しゃかい福祉ふくしかい都内とない弁護士べんごしかい連携れんけいして養成ようせいしています。

その講座こうざが18にちと19にち都内とないひらかれました。

社会しゃかい福祉ふくし20にんあま参加さんかし、逮捕たいほ起訴きそ裁判さいばんなど刑事けいじ司法しほう知識ちしき拘置こうちしょでの面会めんかい方法ほうほう社会しゃかい復帰ふっきけた計画けいかくしょ作成さくせいなどについてまなびました。

法務省ほうむしょうによりますと、全国ぜんこく刑法けいほうはん再犯さいはんしゃりつは2020ねんに49.1%と過去かこ最悪さいあく記録きろくし、再犯さいはん防止ぼうし課題かだいとなっていて、高齢こうれい孤立こりつなど背景はいけい福祉ふくし視点してん取り入とりいれた支援しえんもとめられるということです。

受講じゅこうえると「刑事けいじ司法しほうソーシャルワーカー」に登録とうろくすることができ、弁護士べんごし要請ようせいおうじて被告ひこく弁護べんご活動かつどう立ち直たちなお支援しえんすることになります。

参加さんかした50だい女性じょせいは、「知的ちてき障害しょうがいあるひと就労しゅうろう支援しえんをしているなかで、社会しゃかい福祉ふくしという立場たちばなにちがったかかわりかたができるのではないかとおもい、参加さんかしました。ディスカッションのなかでもあら視点してんなどおおのことにづかされました」とはなしていました。

また、60だい男性だんせいは「社会しゃかい福祉ふくしかかわることで本人ほんにんかかえる問題もんだい分析ぶんせきでき、よりよい福祉ふくしサービスにつなげられるとおもいます。今後こんご生活せいかつ再建さいけんけた支援しえんのため、刑事けいじ司法しほうソーシャルワーカーの活動かつどうもっと必要ひつようなるおもいます」とはなしていました。

東京とうきょう社会しゃかい福祉ふくしかい司法しほう福祉ふくし委員いいんかい小林こばやし良子りょうこ委員いいんちょうは「生活せいかつ困窮こんきゅう認知にんちしょう障害しょうがいなどいろいろきづらさから事件じけんおかことがあり、福祉ふくし専門せんもんかかわっていれば犯罪はんざいにはならないこともあるおもいます。社会しゃかい福祉ふくしかれきづらさにかかわり、つみおかさずに社会しゃかい生活せいかつできるようになればいいとおもいます。今後こんご、こうした取り組とりくひろがっていくことを期待きたいしています」とはなしていました。


つみおかしたひと社会しゃかいにつなぎなおことが大切たいせつ

19にち講座こうざグループワークの進行しんこうやくとして参加さんかした刑事けいじ司法しほうソーシャルワーカーの橋本はしもと久美子くみこさんは、つみおかしたひともう一度もういちど社会しゃかい地域ちいきにつなぎなおすことが再犯さいはん防止ぼうしのためにも大切たいせつだとかんがえています。

橋本はしもとさんは、この講座こうざはじまった当初とうしょの2015ねん登録とうろくし、出産しゅっさんしたあかちゃん殺害さつがい遺体いたい遺棄いきしたつみわれた母親ははおやや、知的ちてき障害しょうがいがあり窃盗せっとう繰り返くりかえ男性だんせいなど立ち直たちなおたずさわってきました。

取材しゅざいしたは、認知にんちしょうつま殺害さつがいしたつみわれている被告ひこく拘置こうちしょ面会めんかいし、社会しゃかい復帰ふっきしたのち生活せいかつや、どのような支援しえん必要ひつようなのかなどについてはなしをしました。

刑事けいじ司法しほうソーシャルワーカーは弁護士べんごしからの依頼いらいおうじて起訴きそまえはや段階だんかいから面会めんかいなどかさねて立ち直たちなお計画けいかく作成さくせいし、判決はんけつ確定かくていしたあとも自立じりつ道筋みちすじまで支援しえんおこないます。

ときには被告ひこく裁判さいばん傍聴ぼうちょうしたり、立ち直たちなお保証ほしょうするため証人しょうにんとして出廷しゅっていしたりすることもあり、支援しえん内容ないよう多岐たきにわたります。

橋本はしもとさんは、「被告ひこくはなときは『あなたは1にんではない、はなってはおかない』というメッセージつたつづけていかないといけないとおもっています。つみおかして社会しゃかい居場所いばしょがなくなってしまったひとたちをもう一度もういちど社会しゃかいにつなぎなおし、生活せいかつ安定あんていさせることで、再犯さいはんふせのがわたしたちの活動かつどうだとおもっています」とはなしていました。


再犯さいはんしゃりつ」2020ねん過去かこ最悪さいあくの49.1%

刑法けいほうはん検挙けんきょされたひとのうち再犯さいはんしゃ割合わりあいしめ再犯さいはんしゃりつ」は3ねんまえの2020ねん過去かこ最悪さいあくの49.1%となり、2021ねんも48.6%とこうまりしています。


法務省ほうむしょうによりますと、刑法けいほうはん検挙けんきょされたひとのうち、65さい以上いじょう高齢こうれいしゃめる割合わりあいは2021ねんに23.6%で、割合わりあいたかまる傾向けいこうにあります。

刑務所けいむしょ入所にゅうしょする高齢こうれいしゃ割合わりあいえていて、2020ねんは12.9%、2021ねんには13.8%になっています。

また65さい以上いじょう高齢こうれいしゃが2ねん以内いないふたた刑務所けいむしょはい割合わりあいは、2020ねんには20.7%で、出所しゅっしょしたひと全体ぜんたいの15.1%にくらべて、たかくなっています。


2021ねん刑務所けいむしょ入所にゅうしょしたひと(1まん6152にん)のうち、15.3%にあたる2475にん知的ちてき障害しょうがい精神せいしん障害しょうがいあるという統計とうけいもあります。

くには、ことし策定さくていした「だい2再犯さいはん防止ぼうし推進すいしん計画けいかく」で「福祉ふくしサービス利用りよう促進そくしん」を重点じゅうてん課題かだいの1つとし、刑務所けいむしょなど社会しゃかい福祉ふくしなどがかかわって社会しゃかい復帰ふっきけた指導しどうおこなことや、保護ほご観察かんさつしょ必要ひつようおうじて住居じゅうきょ就労しゅうろうさき調整ちょうせいなどの生活せいかつ環境かんきょうととのえる支援しえんおこなうことなどをげています。


社会しゃかい福祉ふくしとは

社会しゃかい福祉ふくしとは、法律ほうりつもとづく国家こっか資格しかくです。

福祉ふくしに関にかんする専門せんもんてき知識ちしきをもとに、身体しんたいてき精神せいしんてき障害しょうがいがあったり、日常にちじょう生活せいかつ支障ししょうがあったりするひとたちからの相談そうだんおうじて助言じょげん指導しどうおこなほか福祉ふくしサービス保健ほけん医療いりょうサービスにつなげるための調整ちょうせい支援しえんおこなっています。

障害しょうがいしゃ支援しえん施設しせつ福祉ふくし事務所じむしょなどさまざまな場所ばしょはたらいています。

厚生こうせい労働ろうどうしょうのホームページによりますと、去年きょねん9月末げつまつ時点じてんで27まんにんあま社会しゃかい福祉ふくし登録とうろくしています。

ソース:NHK ニュース