イランへの対抗措置“深刻で重大なもの” イスラエルメディア
2024-10-05 23:42:21

レバノンのイスラム教シーア派組織、ヒズボラの最高指導者の殺害などへの報復として、イランが今月1日、イスラエルに大規模なミサイル攻撃を行ったことを受け、イスラエルは対抗措置をとる構えです。
これについてイスラエルの複数のメディアは5日、軍の話として対抗措置に向けて軍が準備を進めているとしたうえで「深刻で重大なものになる」などと伝えました。
また、イスラエルの別のメディアは5日、アメリカ中央軍の司令官がイスラエルを訪れ、対抗措置について調整するとみられると報じています。
イスラエルがどのような対抗措置に出るかが焦点になっていて、緊迫した状況が続いています。
一方、イスラエル軍は、イランが支援するヒズボラへの攻勢を強め、連日、首都ベイルートなどへの空爆を行っているほか、地域と標的を絞ったとしている南部での地上侵攻でも、攻撃を激化させているものとみられます。
さらに、今月7日でイスラム組織ハマスとの戦闘が始まってから1年となるパレスチナのガザ地区でも連日、攻撃を続けていて、地元のメディアは5日、イスラエル軍による空爆で市民8人が死亡したなどと伝えています。
地元の保健当局はこれまでに4万1825人が死亡したとしていて犠牲者は増え続けています。
レバノン 首都ベイルートの映像 巨大な爆発 煙や炎も
イスラエル軍の報道官は6日、レバノンの首都ベイルート周辺でイスラム教シーア派組織、ヒズボラに関連する標的を攻撃していると発表しました。
現地からの映像では巨大な爆発が繰り返しおきて煙や炎が上がっている様子が確認できます。
レバノンのメディアなどによりますとベイルート南部では5日、イスラエル軍が住民に避難を呼びかけたあと少なくとも5回にわたって激しい空爆が行われたということです。
ロンドン 一刻も早い停戦求め大規模デモ
パレスチナのガザ地区で戦闘が始まってからまもなく1年となるのを前に、イギリスの首都ロンドンでは、パレスチナを支持する人たちが大規模なデモを行い、一刻も早い停戦を求めました。
このデモは、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから今月7日で1年となるのを前に、パレスチナの人たちの人権擁護のために活動しているイギリスの団体の呼びかけで行われました。
ロンドン中心部には5日、多くの参加者が通りを埋め尽くし、「ガザの虐殺を止めろ」とか「パレスチナに自由を」と書かれたプラカードを掲げたり、「ただちに停戦を」などと声をあげたりしながら市内を行進しました。
また、イスラエル軍が連日、空爆を続けるレバノンでも犠牲者が増え続けていることから、レバノンでの戦闘の休止を求める人たちもいました。
イギリス中部から参加した女性は「レバノンでも事態が悪化し、大混乱となっている。私たちの政府が見て見ぬふりをしていることに対し、不満をもっていることを示すためデモに参加した」と話していました。
デモを呼びかけた団体は、イギリス政府に対しイスラエルへの軍事支援の全面停止などを求めていて、団体の代表は「200万人ものパレスチナの人が避難を余儀なくされ、レバノンからもほかの国への避難者が発生している。これは人道危機であり政治的な危機だ。止めなければならない」と話していました。
エルサレム 人質の解放を求める集会
エルサレムでは、いまもハマスに捕らえられている人質の解放を求める集会が開かれました。
集まった人たちはイスラエル政府に対し、ハマスに譲歩してでも停戦を実現し、人質の解放を目指すべきだと訴えました。
去年10月にガザ地区を実効支配するハマスがイスラエル側に大規模な奇襲攻撃を仕掛けてから7日で1年となります。
ガザ地区ではいまも101人が人質として捕らえられていますが、停戦と人質解放に向けた協議は、イスラエル軍がガザ地区の戦略的要衝に駐留を続けるかどうかなどをめぐって双方の立場の隔たりが大きく、進展の見通しはたっていません。
こうしたなかエルサレムでは5日、ハマスに対して譲歩してでも停戦を実現し、人質の解放を目指すべきだとイスラエル政府に訴える集会が開かれました。
集まった数百人の参加者たちは市内を行進したあと、中心部の広場で「いますぐ人質の解放を」などと声をあげていました。
参加していた男性は「人質たちはガザ地区で死にかけている。彼らに残された時間はない」と述べて、いますぐ停戦が必要だと訴えていました。また参加していた女性は「ネタニヤフ首相は人質解放のためにできることをしておらず、首相に対する強い批判の気持ちがある」と話していました。