国民こくみんが敬愛けいあいした神父しんぷの性暴力せいぼうりょくが明あきらかに　フランスで広ひろがる衝撃しょうげき

　フランスで弱者じゃくしゃの救済きゅうさいに生涯しょうがいを捧ささげ、国民こくみんの尊敬そんけいを集あつめてきた故こピエール神父しんぷによる女性じょせいへの性加害せいかがいを明あきらかにする報告書ほうこくしょが公表こうひょうされ、衝撃しょうげきが広ひろがっている。

　ローマ教皇庁きょうこうちょう（バチカン）が神父しんぷの存命中ぞんめいちゅうに問題もんだいを把握はあくしていた疑うたがいも浮上ふじょうし、カトリック教会きょうかいの隠蔽いんぺい（いんぺい）体質たいしつが問とわれる事態じたいになっている。

　ピエール神父しんぷは1949年ねんに弱者じゃくしゃの救済きゅうさいを目指めざして「エマウス運動うんどう」を創設そうせつ。廃品回収はいひんかいしゅうなどの収益しゅうえきで路上生活者ろじょうせいかつしゃらを支援しえんする慈善活動じぜんかつどうを仏全土ふつぜんどに普及ふきゅうさせ、「フランスの良心りょうしん」と呼よばれた。2007年ねんに94歳さいで亡なくなった際さいにはパリのノートルダム大聖堂だいせいどうで国葬こくそうが営いとなまれた。この運動うんどうは日本にっぽんを含ふくむ国外こくがいでも広ひろまっている。

　しかし、神父しんぷの創設そうせつした慈善団体じぜんだんたいと財団ざいだんは9月がつ4日よっかまでに発表はっぴょうした外部がいぶの専門家せんもんかによる二ふたつの報告書ほうこくしょで、少すくなくとも24人にんの女性じょせいが1950年代ねんだいから2000年代ねんだいにかけて神父しんぷからキスを強要きょうようされたり、胸むねを触さわられたりしたと訴うったえる性被害せいひがいの証言しょうげんを公表こうひょう。「被害者ひがいしゃの勇気ゆうきをたたえ、私わたしたちは彼かれらに寄より添そう」と表明ひょうめいした。

ソース：NHK ニュース