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高浜原発3・4号機 再稼働認める判断 大阪高裁
2017-03-28 07:02:55

福井県にある関西電力の高浜原発3号機と4号機について、大津地方裁判所は去年3月、滋賀県内の住民の申し立てを認め、「福島の原発事故を踏まえた事故対策などに危惧すべき点があるのに、関西電力は、安全性の確保について説明を尽くしていない」として、稼働中の原発としては初めて、運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。
関西電力は、異議を申し立てましたが、認められなかったため、決定を不服として大阪高等裁判所に抗告し、「原子力規制委員会の新しい規制基準を踏まえ、より高度な安全対策をしている」と主張していました。
これについて大阪高裁は、運転停止を命じる仮処分の決定を取り消し、再稼働を認める判断をしました。
高浜原発では、ことし1月に起きた大型クレーンが倒れる事故を受け、安全対策の総点検などが行われていて、関西電力は、福井県などの理解を得たうえで、核燃料を原子炉に移すなど再稼働に向けた手続きを進める方針で、再稼働までには1か月以上かかると見られます。
関西電力は、異議を申し立てましたが、認められなかったため、決定を不服として大阪高等裁判所に抗告し、「原子力規制委員会の新しい規制基準を踏まえ、より高度な安全対策をしている」と主張していました。
これについて大阪高裁は、運転停止を命じる仮処分の決定を取り消し、再稼働を認める判断をしました。
高浜原発では、ことし1月に起きた大型クレーンが倒れる事故を受け、安全対策の総点検などが行われていて、関西電力は、福井県などの理解を得たうえで、核燃料を原子炉に移すなど再稼働に向けた手続きを進める方針で、再稼働までには1か月以上かかると見られます。
経産相 関電は理解得る努力しながら再稼働を
世耕経済産業大臣は28日午後、記者団に対し、「判決が出たことは承知しているが、民事訴訟なので政府としてのコメントは控える。政府の方針は原子力規制委員会による厳しい新規制基準をクリアした原発のみ再稼動させるもので、今後も変わらない。関西電力は、今後も地域住民はじめ関係者の理解を得る努力しながら、再稼動に向けた手順を進めていただきたい」と述べました。
原子力規制委「コメントする立場にない」
大阪高裁が高浜原発3号機と4号機の再稼働を認める判断をしたことについて、原子力規制委員会は「本件の当事者ではないため、コメントする立場にはない」としています。
原発めぐる判断 各地では
原子力発電所を運転させないよう求める仮処分や裁判は、6年前の原発事故をきっかけに、全国で相次いでいます。
原子力発電所をめぐる裁判は、昭和40年代後半から起こされていますが、6年前に福島第一原発の事故が起きると、改めて安全性を問う動きが広がりました。
このうち原子力規制委員会が新しい規制基準に適合していると認めた原発に対しては、運転停止の効力が直ちに生じる仮処分を住民が申し立てるケースが相次いでいます。
高浜原発3号機と4号機については、今回の仮処分に先立って、おととし福井地方裁判所が、再稼働を認めない決定を出しました。
この決定は、福井地裁の別の裁判長に取り消されましたが、別の住民が大津地方裁判所に今回の仮処分を申し立て、去年、運転の停止を命じる決定が出ていました。
一方、九州電力の川内原発1号機と2号機に対する仮処分では、おととし鹿児島地方裁判所が、住民の申し立てを退け、福岡高等裁判所宮崎支部も抗告を退けました。
現在は、高浜原発のほか、四国電力の伊方原発3号機や九州電力の玄海原発3号機と4号機などに対して、仮処分が申し立てられています。
このうち広島地方裁判所では30日に、伊方原発について初めて判断が示されるほか、住民などのグループの弁護団によりますと、松山地方裁判所や佐賀地方裁判所でも、近く伊方原発と玄海原発について判断が示される可能性があるということです。
また、裁判も各地で起こされていて、弁護団によりますと、現在、全国の裁判所で審理されている仮処分や集団訴訟は、少なくとも37件に上っているということです。
6年前の事故のあと、原発の運転に対する裁判所の判断は分かれていて、今後の動向が注目されます。
原子力発電所をめぐる裁判は、昭和40年代後半から起こされていますが、6年前に福島第一原発の事故が起きると、改めて安全性を問う動きが広がりました。
このうち原子力規制委員会が新しい規制基準に適合していると認めた原発に対しては、運転停止の効力が直ちに生じる仮処分を住民が申し立てるケースが相次いでいます。
高浜原発3号機と4号機については、今回の仮処分に先立って、おととし福井地方裁判所が、再稼働を認めない決定を出しました。
この決定は、福井地裁の別の裁判長に取り消されましたが、別の住民が大津地方裁判所に今回の仮処分を申し立て、去年、運転の停止を命じる決定が出ていました。
一方、九州電力の川内原発1号機と2号機に対する仮処分では、おととし鹿児島地方裁判所が、住民の申し立てを退け、福岡高等裁判所宮崎支部も抗告を退けました。
現在は、高浜原発のほか、四国電力の伊方原発3号機や九州電力の玄海原発3号機と4号機などに対して、仮処分が申し立てられています。
このうち広島地方裁判所では30日に、伊方原発について初めて判断が示されるほか、住民などのグループの弁護団によりますと、松山地方裁判所や佐賀地方裁判所でも、近く伊方原発と玄海原発について判断が示される可能性があるということです。
また、裁判も各地で起こされていて、弁護団によりますと、現在、全国の裁判所で審理されている仮処分や集団訴訟は、少なくとも37件に上っているということです。
6年前の事故のあと、原発の運転に対する裁判所の判断は分かれていて、今後の動向が注目されます。
ソース:NHK ニュース