パク前ぜん大統領だいとうりょうの逮捕たいほ状じょうめぐる審査しんさ続つづく 判断はんだんは未明みめいか

韓国かんこくのパク・クネ（朴ぼく槿恵めぐみ）前ぜん大統領だいとうりょうに対にたいし、収賄しゅうわいなどの疑うたがいで検察けんさつから請求せいきゅうされた逮捕たいほ状じょうを出だすのが妥当だとうかどうかをめぐって、ソウルの裁判所さいばんしょで３さん０ぜろ日にち午前ごぜんから始はじまった審査しんさは、パク氏し本人ほんにんの出席しゅっせきのもと続つづいています。韓国かんこくメディアは、裁判所さいばんしょの判断はんだんが示しめされるのは３さん１いち日にち未明みめいになる見通みとおしだと伝つたえています。

韓国かんこくの検察けんさつは、罷免ひめんによって刑事けいじ訴追そついされない特権とっけんを失うしなったパク・クネ前ぜん大統領だいとうりょうについて、最大さいだいの財閥ざいばつサムスングループから約束やくそく分ぶんも含ふくめて、日本にっぽん円えんで４よん３さん億おく円えん余あまりの賄賂わいろを受け取うけとった収賄しゅうわいの疑うたがいなどで事情じじょうを聴きいたうえで、今月こんげつ２に７なな日にち、「大統領だいとうりょうの地位ちいと権限けんげんを利用りようした事件じけんは重大じゅうだいで、証拠しょうこ隠滅いんめつのおそれもある」などとして、ソウル中央ちゅうおう地方ちほう裁判所さいばんしょにパク氏しの逮捕たいほ状じょうを請求せいきゅうしました。

これを受うけて、パク氏しは逮捕たいほ状じょうを出だすのが妥当だとうかどうかをめぐって、３さん０ぜろ日にち午前ごぜん１いち０ぜろ時半じはんから始はじまった裁判所さいばんしょでの審査しんさに、弁護士べんごしとともに出席しゅっせきしていて、審査しんさは８はち時間じかん以上いじょうたっても続つづいています。

韓国かんこくメディアによりますと、審査しんさに先立さきだってパク氏しは自宅じたくを出でる際さい、みずからに近ちかい国会こっかい議員ぎいんに対にたいし、「私わたしのせいで申し訳もうしわけない」と述のべたということです。

パク氏しは審査しんさで容疑ようぎを改あらためて否認ひにんするとともに、証拠しょうこ隠滅いんめつのおそれもないと主張しゅちょうしていると見みられ、裁判官さいばんかんに対にたいする意見いけん陳述ちんじゅつを終おえしだい、同おなじ敷地しきち内ないにあるソウル中央ちゅうおう地方ちほう検察けんさつ庁ちょうに移動いどうして待機たいきすることになります。

審査しんさはパク氏しが退席たいせきしたあとも続つづけられ、韓国かんこくメディアは裁判所さいばんしょの判断はんだんが示しめされるのは、３さん１いち日にち未明みめいになる見通みとおしだと伝つたえています。

裁判所さいばんしょの審査しんさ ２に４よん時間じかん以内いないに判断はんだん

韓国かんこくの裁判所さいばんしょが逮捕たいほ状じょうを出だすのが妥当だとうかどうかをめぐって行おこなう審査しんさは、捜査そうさ機関きかんによる不当ふとうな逮捕たいほを防ふせごうと、１いち９きゅう９きゅう７なな年ねんから始はじまった司法しほう制度せいどです。

韓国かんこくの刑事けいじ訴訟そしょう法ほうによりますと、審査しんさでは裁判官さいばんかんが容疑ようぎをかけられている人物じんぶつ、またはその弁護士べんごしから直接ちょくせつ意見いけんを聞きいたうえで、警察けいさつや検察けんさつの請求せいきゅうどおり逮捕たいほ状じょうを出だすべきかどうかを２に４よん時間じかん以内いないに判断はんだんしなければならないと定さだめられています。

パク・クネ前ぜん大統領だいとうりょうと共謀きょうぼうしたとして、逮捕たいほ・起訴きそされた長年ながねんの知人ちじん、チェ・スンシル（崔ちぇ順じゅん実み）被告ひこくの場合ばあい、裁判所さいばんしょは去年きょねん１１月じゅういちがつに本人ほんにんから１いち時間じかん半はんにわたって話はなしを聞きき、およそ５ご時間じかん半はん後ごに判断はんだんを示しめしました。

また、先月せんげつ、パク氏しらへの贈賄ぞうわいなどの罪つみで逮捕たいほ・起訴きそされたサムスングループの事実じじつ上じょうのトップ、サムスン電子でんしのイ・ジェヨン副ふく会長かいちょうについては、裁判所さいばんしょが本人ほんにんから７なな時間じかん半はんにわたって話はなしを聞きき、その後そのご、判断はんだんを示しめすまでにおよそ１いち１いち時間じかん半はんかかりました。

韓国かんこく政界せいかいの反応はんのう

革新かくしん系けいの最大さいだい政党せいとう、「共ともに民主党みんしゅとう」のコ・ヨンジン報道ほうどう官かんは記者きしゃ会見かいけんで、「パク前ぜん大統領だいとうりょうは、みずからの疑惑ぎわくを認みとめ、国民こくみんに許ゆるしを請こう機会きかいを台だいなしにした」と述のべ、裁判所さいばんしょに到着とうちゃくした際さい、記者きしゃ団だんの問といかけに応おうじなかったパク氏しの姿勢しせいを批判ひはんしました。そのうえで、「裁判所さいばんしょは法治ほうち主義しゅぎが生いきていることをはっきりと見みせてほしい」と述のべ、裁判所さいばんしょが逮捕たいほ状じょうを出だすことに期待きたいを示しめしました。

また、中道ちゅうどう系けいの「国民こくみんの党とう」、パク・チウォン（朴ぼく智さとし元もと）代表だいひょうは、みずからのフェイスブックで、「裁判所さいばんしょの審査しんさでは弁解べんかいや否認ひにんをせずに、国民こくみんに許ゆるしを求もとめる謙虚けんきょな姿勢しせいを望のぞむ」として、パク氏しは容疑ようぎを認みとめるべきだと主張しゅちょうしました。

一方いっぽう、保守ほしゅ系けいの旧きゅう与党よとう、「自由じゆう韓国かんこく党とう」のチョン・ウテク（鄭てい宇沢うざわ）院内いんない代表だいひょうは「大統領だいとうりょう１いち人にんが権力けんりょくを握にぎる時代じだいは終おわったし、１ひとつの政党せいとうが国くにを引っ張ひっぱっていくのは難むずかしい状況じょうきょうだ。協力きょうりょくと分権ぶんけんが政治せいじの課題かだいだ」と述のべ、国政こくせいの混乱こんらんを早期そうきに収拾しゅうしゅうべきだと強調きょうちょうしました。

ソース：NHK ニュース