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聖徳太子はこれまでどおり 新学習指導要領が告示
2017-03-30 20:09:13

およそ10年ごとに改訂され、小中学校で教える内容や目標を示した学習指導要領が31日に告示されました。文部科学省は当初、中学校では、聖徳太子について日本書紀などを参考に、原則として、厩戸王という名前で教えるよう見直す方針でしたが、反対意見が相次いで、これまでどおり、聖徳太子として教えることになりました。
31日に告示された新たな学習指導要領は、小学校が平成32年から、中学校が平成33年からそれぞれ実施されます。
文部科学省は先月、新たな指導要領の改訂案を示しましたが、この中で、中学校の社会科で、聖徳太子について日本書紀などを参考に、原則として厩戸王という名前で教えるよう見直す方針を示していました。
しかし、これについて意見を募った結果、「聖徳太子という名前を変えるべきではない」とか、「中学校から表記を変えるのはおかしい」といった反対意見が教員だけでなく、一般の人たちからも相次ぎ、文部科学省は従来どおり、聖徳太子を中心とした表記に戻すことにしました。
また、江戸幕府の施策を示す鎖国という用語についても、先月の時点では、当時、オランダや朝鮮と交易があったという事実に基づき、その使用をやめて「江戸幕府の対外政策」とする方針でした。しかし、「鎖国をなくすと、江戸時代末期の開国との整合性がとれなくなる」といった意見が相次ぎ、結果的に「鎖国などの幕府の対外政策」と表現し、鎖国という用語をそのまま残すことにしました。
このほか、新たな学習指導要領は、小学校の英語が3年生からに前倒しされ、5年生からは「読む」「書く」を加えた正式な教科となります。
また、先行して改訂された道徳は、来年4月から小学校で「特別の教科」として実施されます。
文部科学省は先月、新たな指導要領の改訂案を示しましたが、この中で、中学校の社会科で、聖徳太子について日本書紀などを参考に、原則として厩戸王という名前で教えるよう見直す方針を示していました。
しかし、これについて意見を募った結果、「聖徳太子という名前を変えるべきではない」とか、「中学校から表記を変えるのはおかしい」といった反対意見が教員だけでなく、一般の人たちからも相次ぎ、文部科学省は従来どおり、聖徳太子を中心とした表記に戻すことにしました。
また、江戸幕府の施策を示す鎖国という用語についても、先月の時点では、当時、オランダや朝鮮と交易があったという事実に基づき、その使用をやめて「江戸幕府の対外政策」とする方針でした。しかし、「鎖国をなくすと、江戸時代末期の開国との整合性がとれなくなる」といった意見が相次ぎ、結果的に「鎖国などの幕府の対外政策」と表現し、鎖国という用語をそのまま残すことにしました。
このほか、新たな学習指導要領は、小学校の英語が3年生からに前倒しされ、5年生からは「読む」「書く」を加えた正式な教科となります。
また、先行して改訂された道徳は、来年4月から小学校で「特別の教科」として実施されます。
聖徳太子を厩戸王 なぜ変えようとした?
文部科学省は聖徳太子の表記を、厩戸王に変えようとしたことについて、聖徳太子にはもともと複数の呼び名があったと言われる中、日本書紀に、聖徳太子ではなく、厩戸皇子などの名前が使われていることを理由に挙げています。
そのうえで「新たな事実の発見があったわけではないが、研究者の意見を聞いて文部科学省として判断した」としています。現在、使われている教科書では、小学校はすべてが聖徳太子で、中学校では8社のうち6社が聖徳太子(厩戸皇子)と表記していて、厩戸王と表記しているのは1社だけです。
日本古代史が専門の早稲田大学の新川登亀男教授は「厩戸王という表記は、近代になって研究者がつくった表記で、歴史的な資料に出てくるものではない。新たな事実の発見など明確な根拠がないなかで変更して、教科書などに使用するのは不適当だ」と話しています。
そのうえで「新たな事実の発見があったわけではないが、研究者の意見を聞いて文部科学省として判断した」としています。現在、使われている教科書では、小学校はすべてが聖徳太子で、中学校では8社のうち6社が聖徳太子(厩戸皇子)と表記していて、厩戸王と表記しているのは1社だけです。
日本古代史が専門の早稲田大学の新川登亀男教授は「厩戸王という表記は、近代になって研究者がつくった表記で、歴史的な資料に出てくるものではない。新たな事実の発見など明確な根拠がないなかで変更して、教科書などに使用するのは不適当だ」と話しています。
「たいしくん」も自治体も一安心
ソース:NHK ニュース