遠隔えんかく操作そうさの自動じどう走行そうこう実験じっけんで審査しんさ基準きじゅん案あん 夏なつごろ申請しんせい受け付うけつけへ

ドライバーが乗のっていなくても車くるまを遠隔えんかく操作そうさできる自動じどう走行そうこうについて、警察庁けいさつちょうは、公道こうどうでの実験じっけんに必要ひつような道路どうろ使用しようの許可きょかを審査しんさする基準きじゅんの案あんを公表こうひょうしました。今後こんご、正式せいしきに基準きじゅんを決きめ、ことし夏なつごろから、走行そうこう実験じっけんに向むけた申請しんせいを受け付うけつけるということです。

車くるまの自動じどう走行そうこうをめぐって、政府せいふは、３さん年ねん後ごに開ひらかれる東京とうきょうオリンピック・パラリンピックまでに実用じつよう化かすることを目指めざし、今年度こんねんど中ちゅうに、ドライバーが乗のっていなくても遠隔えんかく操作そうさできる車くるまを、公道こうどうで走行そうこうさせる実験じっけんを行おこなうことにしています。

警察庁けいさつちょうは、実験じっけんを希望きぼうする事業じぎょう者しゃには警察けいさつ署しょに道路どうろ使用しよう許可きょかの申請しんせいを出だしてもらうことにしていて、１いち３さん日にち、こうした申請しんせいを審査しんさする基準きじゅんの案あんを公表こうひょうしました。

それによりますと、実験じっけん可能かのうな場所ばしょについては、使用しようする無線むせん通信つうしんシステムが原則げんそくとして途絶とだえないなど、通信つうしん環境かんきょうを確保かくほできることを挙あげているほか、時間じかん帯たいについては、車くるまの往来おうらいが頻繁ひんぱんな時間じかん帯たいなど、ほかの利用りよう者しゃに著いちじるしい影響えいきょうを及およぼす時間じかんは避さけることとしています。

また遠隔えんかくで操作そうさをする人ひとには、車くるまに乗のらなくても車両しゃりょうの種類しゅるいに応おうじた運転うんてん免許めんきょ証しょうを持もっていることを条件じょうけんとし、車両しゃりょうについては、カメラや集しゅう音おん器きをつけることで、前方ぜんぽうだけでなく、周囲しゅういの状況じょうきょうを把握はあくしていくよう求もとめています。

警察庁けいさつちょうは、来月らいげつ中ちゅうに道路どうろ使用しよう許可きょかの審査しんさ基準きじゅんを正式せいしきに決きめたうえで、ことしの夏なつごろから、走行そうこう実験じっけんに向むけた申請しんせいを受け付うけつける見通みとおしだということです。

高速こうそく道路どうろでさまざまな課題かだい

車くるまの自動じどう走行そうこうをめぐっては、ドライバーが乗車じょうしゃせず遠隔えんかくで操作そうさするシステムのほか、高速こうそく道路どうろを自動じどうで走行そうこうする、準じゅん自動じどうパイロットと呼よばれるシステムがあります。

準じゅん自動じどうパイロットも３さん年ねん後ごまでの実用じつよう化かを目指めざしていますが、警察庁けいさつちょうの調査ちょうさ検討けんとう委員いいん会かいが先月せんげつまとめた報告ほうこく書しょで、実用じつよう化かへの課題かだいを指摘してきしています。

指摘してきの１ひとつ目めは速度そくどの問題もんだいです。
高速こうそく道路どうろでは法定ほうてい速度そくどを上回うわまわるスピードで車くるまが走行そうこうするケースがあり、法定ほうてい速度そくどを守まもるようにプログラミングされた自動じどう走行そうこうの車くるまとの間まで追突ついとつ事故じこや、渋滞じゅうたいが発生はっせいするおそれがあるとしています。
このため報告ほうこく書しょでは、法定ほうてい速度そくどを守まもるよう取締とりしまりの強化きょうかなどを求もとめています。

２ふたつ目めは本線ほんせん車道しゃどうへの合流ごうりゅうのしかたです。
指摘してきでは、手前てまえの加速かそく車線しゃせんで本線ほんせんを走はしる車くるまの速度そくど、たとえば時速じそく１いち０ぜろ０ぜろキロ近ちかくまでスピードを上あげて合流ごうりゅうするのが一般いっぱん的てきとされています。しかし、加速かそく車線しゃせんの法定ほうてい速度そくどは時速じそく６ろく０ぜろキロとされ、委員いいん会かいでは仮かりに自動じどう運転うんてんの車くるまがこれを守まもって合流ごうりゅうすると、事故じこが起おきる可能かのう性せいがあるという意見いけんが出でたということです。
報告ほうこく書しょではこの件けんについて、速すみやかに検討けんとうすべきだと指摘してきしています。

ソース：NHK ニュース