熊本くまもと地震じしん引き起ひきおこした活かつ断層だんそう 国くに評価ひょうかより短みじかい間隔かんかくで大だい地震じしん

一連いちれんの熊本くまもと地震じしんの発生はっせいから、きょうで１いち年ねんになります。地震じしんを引き起ひきおこした活かつ断層だんそうでは、これまでの国くにの評価ひょうかよりも短みじかい間隔かんかくで過去かこに大だい地震じしんが起おきていたと見みられることが、複数ふくすうの大学だいがくや研究けんきゅう機関きかんの調査ちょうさでわかりました。専門せんもん家かは「全国ぜんこくのほかの活かつ断層だんそうでも調査ちょうさを行おこなって、地震じしん活動かつどうを解明かいめいすることが必要ひつようだ」としています。

去年きょねん４月しがつに発生はっせいした熊本くまもと地震じしんでは、複数ふくすうの活かつ断層だんそうからなる「日にち奈久ひさ（ひなぐ）断層だんそう帯たい」と「布田ぬのだ川がわ（ふたがわ）断層だんそう帯たい」のそれぞれ一部いちぶがずれ動うごいたと考かんがえられています。

日にち奈久ひさ断層だんそう帯たい

このうち熊本くまもと県けん益城ましき町まちから八代海やつしろかい南部なんぶに北東ほくとうから南西なんせいに延のび、３みっつの区間くかんからなる長ながさおよそ８はち１いちキロの「日にち奈久ひさ断層だんそう帯たい」について、産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょは、熊本くまもと県内けんないで掘削くっさくを行おこなうなどして詳くわしい調査ちょうさを進すすめています。

それによりますと、去年きょねん４月しがつ１いち４よん日にちの震度しんど７ななの地震じしんを引き起ひきおこした北側きたがわの高野たかのー白旗はっき区間くかんは、これまで過去かこの地震じしんの発生はっせい間隔かんかくは不明ふめいとされていましたが、およそ１いち万まん５ご０ぜろ０ぜろ０ぜろ年ねん前まえから去年きょねんの地震じしんまでに４よん回かいから５ご回かいの地震じしんが起おきていたと見みられるということです。

また、その南側みなみがわに延のびる日ひ奈久ひさ区間くかんでは、過去かこおよそ２に万まん年ねんの間まに４よん回かいから６ろく回かい、八代海やつしろかい区間くかんでは、過去かこおよそ１いち万まん年ねんの間まに少すくなくとも４よん回かいの地震じしんが起おきていた痕跡こんせきが見みつかり、いずれもこれまでより発生はっせい間隔かんかくが短みじかくなる可能かのう性せいがあるということです。

また、高野たかのー白旗はっき区間くかんと日にち奈久ひさ区間くかんの調査ちょうさでは、同おなじ時期じきにずれ動うごいたと考かんがえられる痕跡こんせきも見みつかっていて、断層だんそうの区間くかんや活動かつどうのしかたなどの見直みなおしにつながる可能かのう性せいもあるということで、産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょでは今年度こんねんども掘削くっさくを行おこなうなどしてさらに詳くわしく調しらべることにしています。

布田ぬのだ川がわ断層だんそう帯たい

また東北とうほく大学だいがくや京都大きょうとだい学がくなど４よっつの大学だいがくの研究けんきゅうグループは、マグニチュード７なな．３さんの大だい地震じしんの際さいに大おおきくずれ動うごいた「布田ぬのだ川がわ断層だんそう帯たい」の布田ぬのだ川がわ区間くかんのうち、地表ちひょうに断層だんそうが現あらわれた熊本くまもと県けん益城ましき町まち下陳しもじんの水田すいでんで、ことし１月いちがつから２月にがつにかけて地面じめんを掘ほって地層ちそうを詳くわしく調しらべました。

その結果けっか、地層ちそうからは、およそ９きゅう０ぜろ０ぜろ０ぜろ年ねん前まえから去年きょねんの地震じしんまでの間まに、地震じしんで２に度ど、地盤じばんがずれ動うごいたと見みられる痕跡こんせきが見みつかりました。

研究けんきゅうグループでは現在げんざい、詳くわしい年代ねんだいの特定とくていを進すすめていますが、去年きょねんの地震じしんを含ふくめて少すくなくともおよそ９きゅう０ぜろ０ぜろ０ぜろ年ねんの間まに３さん回かいの大だい地震じしんが起おきていて、平均へいきんすると４よん５ご０ぜろ０ぜろ年ねん程度ていどの間隔かんかくで発生はっせいしたと見みられると指摘してきしています。

去年きょねんの熊本くまもと地震じしん前まえに、国くにの地震じしん調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん本部ほんぶは布田ぬのだ川がわ区間くかんについて、平均へいきんの地震じしんの発生はっせい間隔かんかくは８はち１いち０ぜろ０ぜろ年ねんから２に万まん６ろく０ぜろ０ぜろ０ぜろ年ねん程度ていどとしていて、今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかは、その半分はんぶんから６ろく分ぶんの１いちほどの短みじかい間隔かんかくで地震じしんが発生はっせいしていたことになります。

熊本くまもと地震じしんを受うけて、国くにも評価ひょうかを見直みなおすことも含ふくめて新あらたな調査ちょうさを進すすめていて、調査ちょうさを行おこなった東北とうほく大学だいがくの遠田えんだ晋すすむ次じ教授きょうじゅは「断層だんそうの調査ちょうさは全国ぜんこく的てきに行おこなわれているが、必かならずしも十分じゅうぶんではない。都市としに近ちかい断層だんそうなどから重点じゅうてん的てきに調査ちょうさを行おこない、地震じしん活動かつどうの解明かいめいや防災ぼうさいにつなげていくことが必要ひつようだ」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース