震度しんど６ろく弱じゃく以上いじょうの激はげしい揺ゆれの確率かくりつ 最新さいしん予測よそく地図ちずを公表こうひょう

今後こんご３さん０ぜろ年ねん以内いないに震度しんど６ろく弱じゃく以上いじょうの激はげしい揺ゆれに襲おそわれる確率かくりつを示しめした、最新さいしんの全国ぜんこくの予測よそく地図ちずが２に７なな日にちに公表こうひょうされました。関東かんとうや太平洋たいへいよう側がわで引き続ひきつづき確率かくりつが高たかくなっているほか、活かつ断層だんそうの評価ひょうかの見直みなおしに伴ともない、中国ちゅうごく地方ちほうの一部いちぶで前回ぜんかいより確率かくりつが上あがりました。

政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは、全国ぜんこくの活かつ断層だんそうや海溝かいこう型がたの巨大きょだい地震じしんに関にかんする最新さいしんの研究けんきゅう成果せいかなどに基もとづき、今後こんご３さん０ぜろ年ねん以内いないに震度しんど６ろく弱じゃく以上いじょうの激はげしい揺ゆれに襲おそわれる確率かくりつを推計すいけいし、全国ぜんこく地震動じしんどう予測よそく地図ちずとして公表こうひょうしています。

２に７なな日にちに公表こうひょうされた、ことしの予測よそくによりますと、首都しゅと直下ちょっか地震じしんや南海なんかいトラフの巨大きょだい地震じしんなどが想定そうていされている関東かんとう地方ちほうや太平洋たいへいよう側がわで、引き続ひきつづき確率かくりつが高たかくなっていて、千葉ちば市しが８はち５ご％と最もっとも高たかく、次ついで横浜よこはま市しと水戸みと市しが８はち１いち％、高知こうち市しが７なな４よん％、静岡しずおか市しが６ろく９きゅう％、北海道ほっかいどう浦河うらかわ町まちが６ろく５ご％、大阪おおさか市しが５ご６ろく％、東京とうきょう・新宿しんじゅく区くの東京とうきょう都庁とちょうが４よん７なな％、名古屋なごや市しが４よん６ろく％などとなっています。

これは去年きょねん６月ろくがつに公表こうひょうされた前回ぜんかいの予測よそくと比くらべて、関東かんとうではほぼ同おなじですが、太平洋たいへいよう側がわでは１いちポイント上あがったところが多おおくなっています。
一方いっぽう、中国ちゅうごく地方ちほうでは、去年きょねん、活かつ断層だんそうの評価ひょうかが見直みなおされたことから、各地かくちで前回ぜんかいの予測よそくより確率かくりつが上あがり、このうち山口やまぐち県けん山陽さんよう小野田おのだ市しは１いち７なな．１いち％と、前回ぜんかいより３さん．６ろくポイント上あがり、全国ぜんこくで最もっとも上昇じょうしょう率りつが高たかくなりました。

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいの平田ひらた直ただし委員いいん長ちょうは「震度しんど６ろく弱じゃく以上いじょうの揺ゆれを伴ともなう地震じしんが起おきると、耐震たいしん化かされていない建物たてものは倒壊とうかいなどの被害ひがいが出でるおそれがあるので、予測よそく地図ちずを参考さんこうに耐震たいしん補強ほきょうを進すすめるとともに、家具かぐの配置はいちを工夫くふうしたり固定こていしたりして、被害ひがいが出でないような対策たいさくを進すすめてほしい」と話はなしています。

全国ぜんこく地震動じしんどう予測よそく地図ちずは、地震じしん調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん本部ほんぶのホームページで見みることができます。
http://www.jishin.go.jp/main/

地震動じしんどう予測よそく地図ちずの見方みかた

全国ぜんこく地震動じしんどう予測よそく地図ちずは、１月いちがつ１いち日にちの時点じてんで、今後こんご３さん０ぜろ年ねん以内いないに震度しんど６ろく弱じゃく以上いじょうの激はげしい揺ゆれに襲おそわれる確率かくりつを計算けいさんしていて、確率かくりつが高たかい場所ばしょほど赤色あかいろが濃こくなり、低ひくい場所ばしょは黄色きいろで示しめされます。

例たとえば、確率かくりつが３さん％だと、おおむね１いち０ぜろ０ぜろ０ぜろ年ねんの間まに１いち回かい程度ていど、６ろく％では５ご０ぜろ０ぜろ年ねんに１いち回かい程度ていど、２に６ろく％であれば１いち０ぜろ０ぜろ年ねんに１いち回かい程度ていど、震度しんど６ろく弱じゃく以上いじょうの激はげしい揺ゆれに襲おそわれることを示しめしています。

特とくに、四国しこくから関東かんとうにかけての太平洋たいへいよう側がわや、北海道ほっかいどうの太平洋たいへいよう側がわでは赤色あかいろが濃こく、広ひろい範囲はんいで２に６ろく％以上いじょうの高たかい確率かくりつとなっています。
これについて地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは、千島ちしま海溝かいこうや日本にっぽん海溝かいこう、それに南海なんかいトラフなどのプレート境界きょうかいを震源しんげんとする巨大きょだい地震じしんが数すう十じゅう年ねんから百ひゃく年ねん程度ていどの間隔かんかくで繰り返くりかえし発生はっせいしているためだと説明せつめいしています。
特とくに南海なんかいトラフでは、これまで１いち０ぜろ０ぜろ年ねん前後ぜんごの間隔かんかくで繰り返くりかえし巨大きょだい地震じしんが発生はっせいし、前回ぜんかいの地震じしんからすでに７なな０ぜろ年ねん余あまりが経過けいかしていることから、西日本にしにほんの太平洋たいへいよう側がわの地域ちいきで確率かくりつが非常ひじょうに高たかくなっています。

一方いっぽう、確率かくりつが低ひくくなっている地域ちいきが安全あんぜんというわけではありません。
黄色きいろで示しめされている日本海にほんかい側がわの地域ちいきでも、昭和しょうわ５ご８はち年ねんの日本海にほんかい中部ちゅうぶ地震じしんや、平成へいせい１いち７なな年ねんの福岡ふくおか県けん西方にしほう沖おき地震じしん、平成へいせい１いち９きゅう年ねんの能登のと半島はんとう地震じしん、それに去年きょねん１０月じゅうがつに鳥取とっとり県けん中部ちゅうぶで起おきたマグニチュード６ろく．６ろくの地震じしんなどが発生はっせいし、激はげしい揺ゆれに襲おそわれました。
また、熊本くまもと市しは、去年きょねん１月いちがつ１いち日にちからの３さん０ぜろ年ねん以内いないの確率かくりつは７なな．６ろく％でしたが、その３さんか月かげつ余あまりあとに一連いちれんの熊本くまもと地震じしんが発生はっせいしました。

さらに、国内こくないでは、活かつ断層だんそうの調査ちょうさが十分じゅうぶんに行おこなわれていない場所ばしょがあるほか、まだ知しられていない活かつ断層だんそうがある可能かのう性せいがあります。
平成へいせい１いち６ろく年ねんの新潟にいがた県けん中越なかごえ地震じしんや、平成へいせい２に０ぜろ年ねんの岩手いわて・宮城みやぎ内陸ないりく地震じしんは、それまで知しられていなかった活かつ断層だんそうがずれ動うごいて起おきたと見みられています。

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいの平田ひらた直ただし委員いいん長ちょうは「予測よそく地図ちずは、日本にっぽん中ちゅうのどこでも“強つよい揺ゆれに見舞みまわれない場所ばしょはない”ということを示しめしていて、自分じぶんの住すむ場所ばしょの確率かくりつが低ひくくても安全あんぜんだとは思おもわないでほしい。住宅じゅうたくの耐震たいしん化かや家具かぐの固定こていなどの対策たいさくをふだんから進すすめてほしい」と話はなしています。

地図ちずは、地震じしん調査ちょうさ研究けんきゅう推進すいしん本部ほんぶのホームページで見みられるほか、防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょの地震じしんハザードステーションでは予測よそく地図ちずを拡大かくだいできるため、自分じぶんの住すむ地域ちいきをより詳くわしく確認かくにんすることができます。

激はげしい揺ゆれの可能かのう性せいやタイプも地点ちてんごとに公表こうひょう

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは今回こんかいから、激はげしい揺ゆれをもたらす地震じしんがどこで起おこる可能かのう性せいが高たかいかや、どんなタイプが考かんがえられるかなどについて、地点ちてんごとに公表こうひょうを始はじめました。

今回こんかい公表こうひょうされたのは、東京とうきょうや大阪おおさか、名古屋なごやなど全国ぜんこくの６むっつの地点ちてんで、いずれも震度しんど６ろく弱じゃくの激はげしい揺ゆれをもたらす可能かのう性せいを見みてみますと、東京とうきょう・新宿しんじゅく区くの東京とうきょう都庁とちょうでは、陸りくの岩盤がんばんの下したに海うみ側がわから沈しずみ込こんでいるフィリピン海うみプレートの内部ないぶで起おきる地震じしんが３さん４よん％と最もっとも高たかくなっています。
次ついで、マグニチュード８はちから９きゅうクラスの南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんで２に２に．８はち％となっています。
また、大阪おおさか市し役所やくしょと名古屋なごや市し役所やくしょでは、いずれも南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんが最もっとも可能かのう性せいが高たかく、大阪おおさか市し役所やくしょが６ろく９きゅう．６ろく％、名古屋なごや市し役所やくしょが８はち９きゅう．３さん％となっています。

一方いっぽう、札幌さっぽろ市し役所やくしょと熊本くまもと市し役所やくしょ、それに鳥取とっとり市し役所やくしょでは、いずれも「すでに知しられていて地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいが評価ひょうかしている活かつ断層だんそうを除のぞく、陸りくのプレート内ないの浅あさいところで起おきる地震じしん」が３さん０ぜろ％から５ご０ぜろ％前後ぜんごと最もっとも高たかくなっていますが、このうち熊本くまもと市し役所やくしょでは、これに次ついで、去年きょねんの熊本くまもと地震じしんを引き起ひきおこしたと考かんがえられている、布田ぬのだ川がわ断層だんそう帯たいと日にち奈久ひさ断層だんそう帯たいで起おきる地震じしんが２に１いち．４よん％となっています。

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいの平田ひらた直ただし委員いいん長ちょうは「自分じぶんの住すんでいる場所ばしょでどういった種類しゅるいの地震じしんに気きをつける必要ひつようがあるかを知しってほしい。また、自治体じちたいは地域ちいき防災ぼうさい計画けいかくの作成さくせいにあたり、想定そうていする地震じしんを選えらぶ際さいの参考さんこうにしてほしい」と話はなしています。

この６むっつの地点ちてん以外いがいの場所ばしょについては、来月らいげつ末まつをめどに防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょの地震じしんハザードステーションで公開こうかいされる予定よていです。

ソース：NHK ニュース