「声優せいゆうのアイコ」に懲役ちょうえき１いち０ぜろ年ねんの判決はんけつ 別べつの人格じんかく認みとめず

「声優せいゆうのアイコ」と名乗なのり、知り合しりあった男性だんせいに睡眠薬すいみんやく入いりの酒さけを飲のませて現金げんきんを盗ぬすんだなどとして、こん睡こんすい強盗ごうとうの罪つみなどに問とわれた被告ひこくの裁判さいばんで、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょは無罪むざいの主張しゅちょうを退しりぞけ、懲役ちょうえき１いち０ぜろ年ねんの判決はんけつを言い渡いいわたしました。

「声優せいゆうのアイコ」と名乗なのっていた神かみいっき被告ひこく（３さん３さん）は、平成へいせい２に５ご年ねんから２に６ろく年ねんにかけて、飲食いんしょく店てんなどで声こえをかけた男性だんせい５ご人にんに睡眠薬すいみんやく入いりの酒さけなどを飲のませ、現金げんきん１いち５ご０ぜろ万まん円えん余あまりや腕うで時計とけいなどを盗ぬすんだとして、こん睡こんすい強盗ごうとうなどの罪つみに問とわれました。

弁護べんご側がわは、被告ひこくは多重たじゅう人格じんかくの症状しょうじょうが出でる「解離かいり性せい同一どういつ性せい障害しょうがい」で、当時とうじは別べつの人格じんかくだったため責任せきにん能力のうりょくはないとして無罪むざいを主張しゅちょうしました。
被告ひこくは、自分じぶんの中なかに複数ふくすうの人格じんかくがいると主張しゅちょうし、法廷ほうていで幼おさない子こどものような口調くちょうで話はなし始はじめることもありました。
一方いっぽう、検察けんさつは別べつの人格じんかくではなかったとして、懲役ちょうえき１いち５ご年ねんを求刑きゅうけいしました。

２に８はち日にちの判決はんけつで、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょの石井いしい俊和としかず裁判さいばん長ちょうは「被害ひがい者しゃの男性だんせいと一緒いっしょにいるときに元もとの人格じんかくの状態じょうたいで友人ゆうじんと携帯けいたい電話でんわでやり取やりとりするなど、別べつ人格じんかくの犯行はんこうだとすると説明せつめいが困難こんなんな事実じじつが存在そんざいする」などとして、責任せきにん能力のうりょくがあったと指摘してきしました。
そのうえで、「ふだんは男性だんせいとして生活せいかつしていながら女性じょせいに変装へんそうして金品きんぴんを奪うばった計画けいかく的てきな犯行はんこうで手慣てなれた常習じょうしゅう性せいもうかがわれる」として懲役ちょうえき１いち０ぜろ年ねんを言い渡いいわたしました。

ソース：NHK ニュース