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春の叙勲 4080人が受章
2017-04-28 20:38:44

ことしの「春の叙勲」を受章するのは、「桐花大綬章」が1人、「旭日大綬章」が6人、「瑞宝大綬章」が3人です。また、「旭日重光章」と「瑞宝重光章」が合わせて47人、「旭日中綬章」と「瑞宝中綬章」が合わせて322人、「旭日小綬章」と「瑞宝小綬章」が合わせて870人など、全体で4080人です。
このうち、民間からの受章者は1839人と全体の45.1%を占めているほか、女性の受章者も全体の9.8%に当たる398人となっていて、いずれも今の制度になった平成15年秋以降で最も多くなっています。
「桐花大綬章」は、元総理大臣の森喜朗さんが受章します。
また、「旭日大綬章」は三井不動産会長の岩沙弘道さん、元野村証券社長の氏家純一さん、元参議院議員で外務大臣などを歴任した川口順子さん、元三井物産社長の熊谷直彦さん、元衆議院議員で法務大臣などを務めた杉浦正健さん、元大成建設社長の平島治さんの6人が受章します。
「瑞宝大綬章」は、人事院総裁などを務めた江利川毅さん、元九州大学学長の梶山千里さん、駐米大使などを務めた加藤良三さんの3人が受章します。
「瑞宝重光章」は、獣医学、ウイルス学の発展に貢献した北海道大学名誉教授の喜田宏さんらが受章します。
「旭日小綬章」は、小説家で「血脈」などの作品で知られる佐藤愛子さんや、歌手の大月みやこさんらが受章します。
このほか、外国人叙勲では、サッカー解説者のセルジオ越後さんや、タレントで日本とギニアの交流に携わっているオスマン・サンコンさんが「旭日双光章」を受章するなど、合わせて45の国と地域から、これまでで最も多い105人が受章することになりました。
叙勲の親授式や伝達式などは、来月9日から行われます。
このうち、民間からの受章者は1839人と全体の45.1%を占めているほか、女性の受章者も全体の9.8%に当たる398人となっていて、いずれも今の制度になった平成15年秋以降で最も多くなっています。
「桐花大綬章」は、元総理大臣の森喜朗さんが受章します。
また、「旭日大綬章」は三井不動産会長の岩沙弘道さん、元野村証券社長の氏家純一さん、元参議院議員で外務大臣などを歴任した川口順子さん、元三井物産社長の熊谷直彦さん、元衆議院議員で法務大臣などを務めた杉浦正健さん、元大成建設社長の平島治さんの6人が受章します。
「瑞宝大綬章」は、人事院総裁などを務めた江利川毅さん、元九州大学学長の梶山千里さん、駐米大使などを務めた加藤良三さんの3人が受章します。
「瑞宝重光章」は、獣医学、ウイルス学の発展に貢献した北海道大学名誉教授の喜田宏さんらが受章します。
「旭日小綬章」は、小説家で「血脈」などの作品で知られる佐藤愛子さんや、歌手の大月みやこさんらが受章します。
このほか、外国人叙勲では、サッカー解説者のセルジオ越後さんや、タレントで日本とギニアの交流に携わっているオスマン・サンコンさんが「旭日双光章」を受章するなど、合わせて45の国と地域から、これまでで最も多い105人が受章することになりました。
叙勲の親授式や伝達式などは、来月9日から行われます。
「桐花大綬章」元首相の森喜朗さん
「桐花大綬章」を受章する元総理大臣の森喜朗さんは79歳。森さんは石川県出身で、昭和44年の衆議院選挙で初当選してから、14回連続で当選し、文部大臣や通商産業大臣、自民党幹事長など政府・自民党の要職を歴任し、平成12年4月、当時の小渕総理大臣が病に倒れたあと、第85代の総理大臣に就任しました。現在は、東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会の会長を務めています。
森さんは「大変光栄なことで、私を育ててくれたふるさとの皆さんや家族の協力があったからこそ、このような評価をしていただけたということに尽きる」と話しています。
また、森さんは、1年余りの総理大臣在任中に、ロシアのプーチン大統領とたびたび首脳会談を行ったことに触れ、「プーチン氏とは、本当に信頼しあえる人間関係を作ることができた。それを安倍総理大臣につないだことが、今の両国の良好な関係にも結びついており、自分なりの役割が果たせたと思っている」と述べました。
一方、森さんは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックについて、「スポーツは世の中を変えるすごい力を発揮するもので、アスリートの競演だけでは終わらない。東日本大震災など、苦しいところから、みんなが立ち上がるための力を集積するのがオリンピックの目標だ。まさに、私にとっては、最後の滅私奉公だと思っている」と述べました。
森さんは「大変光栄なことで、私を育ててくれたふるさとの皆さんや家族の協力があったからこそ、このような評価をしていただけたということに尽きる」と話しています。
また、森さんは、1年余りの総理大臣在任中に、ロシアのプーチン大統領とたびたび首脳会談を行ったことに触れ、「プーチン氏とは、本当に信頼しあえる人間関係を作ることができた。それを安倍総理大臣につないだことが、今の両国の良好な関係にも結びついており、自分なりの役割が果たせたと思っている」と述べました。
一方、森さんは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックについて、「スポーツは世の中を変えるすごい力を発揮するもので、アスリートの競演だけでは終わらない。東日本大震災など、苦しいところから、みんなが立ち上がるための力を集積するのがオリンピックの目標だ。まさに、私にとっては、最後の滅私奉公だと思っている」と述べました。
「旭日大綬章」 川口順子さん
旭日大綬章を受章する川口順子さんは76歳。旧通産省を退官後、飲料メーカーの役員を務め、その手腕をかわれて、平成12年に環境庁長官に起用されたあと、初代の環境大臣を、平成14年からは外務大臣を務めました。その後、参議院議員を2期務め、現在は、明治大学国際総合研究所のフェローを務めています。
川口さんは今回の受章について、「大変に名誉でありがたいことだ。これからも公のためにきちんと奉仕をしなさいという、叱咤激励(しったげきれい)だとも受け止めている」と話しています。
また、川口さんは外務大臣時代について、「いちばん印象が強いのは、アメリカがイラクに武力行使をしたことだ。それまでは、アメリカで同時多発テロ事件があって、国際社会がテロに対してまとまってきたが、武力行使をきっかけに少しずつ分かれていった。日本もイラク復興のために自衛隊を派遣するなど、いろいろな側面を持つという意味で印象が強い」と振り返りました。そして、川口さんは「日本が世界を引っ張っていける経済力、技術力、文化の力、それから日本人の勤勉さなど、いいところがたくさんあると思うので、それを育んでいくような政治が大事だ」と話しています。
川口さんは今回の受章について、「大変に名誉でありがたいことだ。これからも公のためにきちんと奉仕をしなさいという、叱咤激励(しったげきれい)だとも受け止めている」と話しています。
また、川口さんは外務大臣時代について、「いちばん印象が強いのは、アメリカがイラクに武力行使をしたことだ。それまでは、アメリカで同時多発テロ事件があって、国際社会がテロに対してまとまってきたが、武力行使をきっかけに少しずつ分かれていった。日本もイラク復興のために自衛隊を派遣するなど、いろいろな側面を持つという意味で印象が強い」と振り返りました。そして、川口さんは「日本が世界を引っ張っていける経済力、技術力、文化の力、それから日本人の勤勉さなど、いいところがたくさんあると思うので、それを育んでいくような政治が大事だ」と話しています。
「旭日大綬章」 杉浦正健さん
旭日大綬章を受章する杉浦正健さんは82歳。愛知県岡崎市出身で会社員などを経て弁護士になり、昭和61年の衆議院議員選挙で初当選し、衆議院議員を6期務めました。この間、法務大臣や官房副長官などを務め、政界引退後、再び、弁護士として活動しています。
杉浦さんは「天下国家に対する功績はそれほどないし、正直言って、じくじたるものもある。ただ、ふるさとのことは一生懸命頑張ったので、地元の方々には喜んでもらえて感謝する気持ちが大きい」と話しています。
また、杉浦さんは、大臣としても取り組んだ法務行政について、「時代は変わるので、司法や裁判所などの機能も変わらなければいけないという考え方で、司法制度改革に取り組んだ。裁判員制度の導入や、裁判のスピードアップなど、司法の世界もずいぶん変わり、よい方向に向かっているのではないか。時代とともに新たな課題はどんどん出てくるが、変化に対応できるようにしていかなければならない」と述べました。
杉浦さんは「天下国家に対する功績はそれほどないし、正直言って、じくじたるものもある。ただ、ふるさとのことは一生懸命頑張ったので、地元の方々には喜んでもらえて感謝する気持ちが大きい」と話しています。
また、杉浦さんは、大臣としても取り組んだ法務行政について、「時代は変わるので、司法や裁判所などの機能も変わらなければいけないという考え方で、司法制度改革に取り組んだ。裁判員制度の導入や、裁判のスピードアップなど、司法の世界もずいぶん変わり、よい方向に向かっているのではないか。時代とともに新たな課題はどんどん出てくるが、変化に対応できるようにしていかなければならない」と述べました。
「瑞宝大綬章」 加藤良三さん
瑞宝大綬章を受章する加藤良三さんは75歳。昭和40年に外務省に入り、外務審議官などを経て、アメリカで同時多発テロ事件が発生した直後の平成13年秋からアメリカ大使を務めました。6年半余りの在任期間中、当時の小泉総理大臣とブッシュ大統領との緊密な関係を支えるなど、日米関係の強化に取り組みました。
加藤さんは「私は前任者からたすきを受け取り、後任に託すという駅伝ランナーのつもりで走ってきた。いちばん大事なのは日本の地位が上がることだったので、私の区間記録について勲章を頂戴するのは光栄だが、面はゆい」と話しています。
また、加藤さんは、アメリカ大使だった当時の状況について、「未知の脅威に直面し、アメリカ国内のテンションが上がっていた。イラク戦争などもあり、激動の時代だった。アメリカが困っているときには助けるのが、同盟国のいちばんの意味だという気持ちで対応した」と振り返りました。そして、トランプ政権発足後の日米関係について、「誰が大統領でも、日本とアメリカの基盤は揺るがない。これからいろいろなことが起こるだろうが、日本自身が強くあることがいちばん大切だ」と話していました。
加藤さんは「私は前任者からたすきを受け取り、後任に託すという駅伝ランナーのつもりで走ってきた。いちばん大事なのは日本の地位が上がることだったので、私の区間記録について勲章を頂戴するのは光栄だが、面はゆい」と話しています。
また、加藤さんは、アメリカ大使だった当時の状況について、「未知の脅威に直面し、アメリカ国内のテンションが上がっていた。イラク戦争などもあり、激動の時代だった。アメリカが困っているときには助けるのが、同盟国のいちばんの意味だという気持ちで対応した」と振り返りました。そして、トランプ政権発足後の日米関係について、「誰が大統領でも、日本とアメリカの基盤は揺るがない。これからいろいろなことが起こるだろうが、日本自身が強くあることがいちばん大切だ」と話していました。
「瑞宝重光章」 北海道大学名誉教授の喜田宏さん
瑞宝重光章を受章する北海道大学名誉教授の喜田宏さんは北海道出身の73歳。獣医学とウイルス学が専門です。北海道大学の大学院を修了後、民間の製薬会社でインフルエンザワクチンの開発に携わり、その後、再び大学に戻って研究を続けてきました。
インフルエンザが人と動物に共通する感染症だと明らかにしたほか、世界的に大流行する新型のウイルスが現れる仕組みを解明するなど、感染症の研究や対策を世界的にリードしていて、平成17年には日本学士院賞を受賞しています。現在は、北海道大学の「人獣共通感染症リサーチセンター」の統括を務めています。
受章について喜田さんは「人の役に立ちたいと思って、地に足をつけて、インフルエンザのパンデミックや鳥インフルエンザの対策の研究をしてきたが、勲章を頂けることになり、驚いています。この研究には終わりがなく、センターのメンバーとともに研究を進めたい」と話しています。
インフルエンザが人と動物に共通する感染症だと明らかにしたほか、世界的に大流行する新型のウイルスが現れる仕組みを解明するなど、感染症の研究や対策を世界的にリードしていて、平成17年には日本学士院賞を受賞しています。現在は、北海道大学の「人獣共通感染症リサーチセンター」の統括を務めています。
受章について喜田さんは「人の役に立ちたいと思って、地に足をつけて、インフルエンザのパンデミックや鳥インフルエンザの対策の研究をしてきたが、勲章を頂けることになり、驚いています。この研究には終わりがなく、センターのメンバーとともに研究を進めたい」と話しています。
「旭日小綬章」 小説家の佐藤愛子さん
旭日小綬章を受章する小説家の佐藤愛子さんは大阪出身の93歳。作家の佐藤紅緑の次女で、紅緑の死後、本格的な執筆活動を始めました。昭和44年には、会社が倒産した夫婦のやり取りを自分の体験を基にユーモラスに描いた「戦いすんで日が暮れて」で直木賞を受賞しました。
平成12年には父の紅緑や兄で詩人のサトウハチローら一族の壮絶な歴史を描いた長編小説「血脈」を10年余りかけて完成させ、菊池寛賞を受賞しました。また、老いや死生観をテーマにした軽妙なエッセーを数多く発表し、去年出版したエッセー「九十歳。何がめでたい」は発行部数が80万部を超えるベストセラーになっています。
受章について、佐藤さんは「途方に暮れたというのが正直なところで、別に世のため人のために力を尽くしたわけではないのにご褒美をいただくのは、じくじたるものがあります」と今の気持ちを話したうえで、今後について、「鼻歌を歌うように書いてきたので、また歌う気になれば書くかもしれないし、書かないかもしれません」とユーモラスな語り口で話していました。
平成12年には父の紅緑や兄で詩人のサトウハチローら一族の壮絶な歴史を描いた長編小説「血脈」を10年余りかけて完成させ、菊池寛賞を受賞しました。また、老いや死生観をテーマにした軽妙なエッセーを数多く発表し、去年出版したエッセー「九十歳。何がめでたい」は発行部数が80万部を超えるベストセラーになっています。
受章について、佐藤さんは「途方に暮れたというのが正直なところで、別に世のため人のために力を尽くしたわけではないのにご褒美をいただくのは、じくじたるものがあります」と今の気持ちを話したうえで、今後について、「鼻歌を歌うように書いてきたので、また歌う気になれば書くかもしれないし、書かないかもしれません」とユーモラスな語り口で話していました。
「旭日小綬章」 歌手の大月みやこさん
旭日小綬章を受章する歌手の大月みやこさんは大阪府出身の71歳。音楽学校で歌の基礎を学び、東京オリンピックが開催された昭和39年に18歳で歌手としてデビューしました。しばらくは人気歌手とともに全国を巡り、ステージの前座を務める時代が続きましたが、デビュー20年目に発表した「女の港」のヒットで一躍、人気を高めました。
卓越した歌唱力とのびやかで澄み切った特徴的な歌声で女性の情念を鮮やかに表現し、平成4年には「白い海峡」で日本レコード大賞を受賞したほか、NHK紅白歌合戦に10回出場するなど、長年、歌謡界の第一線で活躍を続けてきました。
大月さんは「大きなことは望まずに、きょうよりも少しあしたがよくなればいいと考えて、ただ歌うことを続けてきた歌の道でした。思いがけない受章のお知らせをいただき、今まで前を向いてやってきたことが間違っていなかったかなと再確認できました。きょうまでに出会いをいただいた皆様に、心からお礼を申し上げます」と話しています。
卓越した歌唱力とのびやかで澄み切った特徴的な歌声で女性の情念を鮮やかに表現し、平成4年には「白い海峡」で日本レコード大賞を受賞したほか、NHK紅白歌合戦に10回出場するなど、長年、歌謡界の第一線で活躍を続けてきました。
大月さんは「大きなことは望まずに、きょうよりも少しあしたがよくなればいいと考えて、ただ歌うことを続けてきた歌の道でした。思いがけない受章のお知らせをいただき、今まで前を向いてやってきたことが間違っていなかったかなと再確認できました。きょうまでに出会いをいただいた皆様に、心からお礼を申し上げます」と話しています。
ソース:NHK ニュース