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宇宙うちゅうごみ除去じょきょへ ベンチャー企業きぎょう衛星えいせい打ち上うちあ計画けいかく

2017-04-30 20:05:19

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使つかわった人工じんこう衛星えいせいなどの宇宙うちゅうごみの問題もんだい解決かいけつしないまま深刻しんこくになっています。こうしたなか日本にっぽんのベンチャー企業きぎょう宇宙うちゅうごみを取り除とりのぞくサービスの提供ていきょう目指めざして特殊とくしゅ衛星えいせい打ち上うちあげる計画けいかくをまとめ、開発かいはつ本格ほんかくさせています。
使つかわった人工じんこう衛星えいせいやロケットなどの「宇宙うちゅうごみ」は、おおきさがいちぜろセンチ以上いじょうのものだけでも、まんあまりにのぼり、宇宙うちゅう開発かいはつすすめるうえでおおきな脅威きょういになっています。こうしたなか東京とうきょう墨田すみだ研究けんきゅう拠点きょてんつベンチャー企業きぎょうアストロスケール」が宇宙うちゅうごみを取り除とりのぞくサービスの提供ていきょう目指めざして開発かいはつ本格ほんかくさせています。まず、いちミリ以下いかのごくちいさな宇宙うちゅうごみを観測かんそくする人工じんこう衛星えいせい来年らいねんはじめに打ち上うちあげる計画けいかくです。

また、さい来年らいねんにも宇宙うちゅうごみを磁石じしゃく使つかってとら一緒いっしょ大気たいきけん突入とつにゅうし、燃え尽もえつきることで除去じょきょする特殊とくしゅ人工じんこう衛星えいせい打ち上うちあげる計画けいかくです。すでに宇宙うちゅう空間くうかんにあるごみは、どこのくに帰属きぞくするのかがはっきりせず、除去じょきょできないといった問題もんだいがあります。会社かいしゃでは今後こんご打ち上うちあげられる人工じんこう衛星えいせい対象たいしょうとしたサービスにして、金属きんぞくいた取り付とりつけてもらうことで、簡単かんたんとらえることができるようにするアイデアです。

「アストロスケール」の岡田おかだ光信みつのぶCEOは、「長期ちょうきかん取り組とりくまないといけない問題もんだいだからこそ、ビジネスとして成立せいりつすることが重要じゅうようだとおもっている」とはなしていました。宇宙うちゅうごみをめぐっては、川崎かわさきじゅう工業こうぎょう除去じょきょのため人工じんこう衛星えいせい開発かいはつすすめると発表はっぴょうするなど、大手おおて乗り出のりだそうとしています。

脅威きょういとなる宇宙うちゅうごみ

内閣ないかくなどによりますと、使つかわった人工じんこう衛星えいせいやロケットの上部じょうぶなどの「宇宙うちゅうごみ」は、秒速びょうそくななキロからはちキロ、時速じそくまんぜろぜろぜろキロ以上いじょうという猛烈もうれつはやいスピードで地球ちきゅうまわりをまわつづけています。地上ちじょうからの観測かんそく確認かくにんしているおおきさがいちぜろセンチ以上いじょう宇宙うちゅうごみはおよそまんさんぜろぜろぜろのぼるほか、いちミリ以上いじょう宇宙うちゅうごみはいちおくえると推定すいていされ、それよりちいさいごみは実態じったいがよくわかっていません。

気象きしょう観測かんそく位置いち情報じょうほう提供ていきょう、それに放送ほうそうなど人工じんこう衛星えいせいわたしたちのらしにかせないものですが、こうした宇宙うちゅうごみが衝突しょうとつするとおおきな被害ひがいるおそれがあります。実際じっさいはちねんまえには使用しようえたロシアの衛星えいせい運用うんようちゅうアメリカ通信つうしん衛星えいせい衝突しょうとつし、さんぜろぜろぜろ以上いじょう破片はへん飛び散とびち事態じたいきています。

今後こんご宇宙うちゅうごみどうしの衝突しょうとつ連鎖れんさして、さらにごみがえると、宇宙うちゅう開発かいはつ安全あんぜんすすめられなくなることや、宇宙うちゅう空間くうかん利用りようすること自体じたいむずかしくなることが懸念けねんされています。宇宙うちゅうごみをめぐってはいちぜろねんまえ国連こくれん宇宙うちゅう空間くうかん平和へいわ利用りよう委員いいんかいで、ごみを低減ていげんするためのガイドラインが採択さいたくされましたが、強制きょうせいてきなルールではなく、その後そのごも、つづけてきたのが現状げんじょうです。

また、除去じょきょしようとしても、ごみの所有しょゆうけん衛星えいせい打ち上うちあげたくに帰属きぞくするのか、サービスを利用りようしてきたくに帰属きぞくするのかなど、各国かっこく議論ぎろんつづいていて結論けつろんていません。現在げんざい各国かっこく宇宙うちゅう空間くうかん運用うんようしている人工じんこう衛星えいせい現在げんざいおよそいちぜろぜろぜろですが、今後こんごは、世界中せかいじゅう民間みんかん企業きぎょうによる人工じんこう衛星えいせい打ち上うちあげが飛躍ひやくてきえる見通みとおしとなっています。

宇宙うちゅう開発かいはつ取り組とりく民間みんかん企業きぎょうは、おもさがすうキロからすうじゅうキロと「ちょう小型こがた」の人工じんこう衛星えいせい地球ちきゅう取り囲とりかこむようにして、すうひゃくほどの規模きぼ打ち上うちあげ、通信つうしん観測かんそくなどのサービスを提供ていきょうする計画けいかく相次あいついで発表はっぴょうしており、将来しょうらいてき宇宙うちゅうごみを除去じょきょするサービスに企業きぎょうがビジネスとして参入さんにゅうするおおきな要因よういんとなっています。
ソース:NHK ニュース