天皇てんのう陛下へいかの退位たいい 特例とくれい法案ほうあんを閣議かくぎ決定けってい

政府せいふは、１いち９きゅう日にちの閣議かくぎで、天皇てんのう陛下へいかの退位たいいに向むけた特例とくれい法案ほうあんを決定けっていしました。法案ほうあんで、天皇てんのう陛下へいかが退位たいいされる日ひは法律ほうりつの公布こうふから３さん年ねんを超こえない範囲はんい内ないで政令せいれいによって定さだめる日ひとし、退位たいい後ごの称号しょうごうを「上皇じょうこう」とすることなどを規定きていしています。

政府せいふは１いち９きゅう日にちの閣議かくぎで、天皇てんのう陛下へいかの退位たいいに向むけて「天皇てんのうの退位たいい等とう（とう）に関にかんする皇室こうしつ典範てんぱん特例とくれい法案ほうあん」を決定けっていしました。

法案ほうあんは本体ほんたいとなる「本則ほんそく」５ご条じょうと「付則ふそく」からなり、立法りっぽう趣旨しゅしを定さだめた１いち条じょうでは、８はち３さん歳さいとご高齢こうれいになられ、今後こんご、ご活動かつどうを続つづけることが困難こんなんとなることを深ふかく案あんじておられる天皇てんのう陛下へいかのお気持きもちを、国民こくみんが理解りかいし、共感きょうかんしているなどとして、天皇てんのう陛下へいかの退位たいいと、皇嗣こうし（こうし）、つまり皇太子こうたいしさまの即位そくいを実現じつげんするとしています。

２に条じょうでは、天皇てんのう陛下へいかがこの法律ほうりつの施行しこうの日ひに退位たいいし、皇太子こうたいしさまが直ただちに即位そくいすることを規定きていしています。また３さん条じょうと４よん条じょうでは、退位たいい後ごの称号しょうごうを、天皇てんのう陛下へいかは「上皇じょうこう」、皇后こうごうさまは「上うえ皇后こうごう」とし、（じょうこうごう）、５ご条じょうでは、天皇てんのう陛下へいかの退位たいい後ご、皇位こうい継承けいしょう順位じゅんい第だい１いち位いとなる秋篠宮あきしののみやさまについて、皇太子こうたいしと同様どうように、皇すめらぎ籍せきから離脱りだつできないことなどを規定きていしています。

「付則ふそく」は合あわせて１いち１いち条じょうあり、この中なかでは、法律ほうりつの施行しこう日び、つまり天皇てんのう陛下へいかが退位たいいされる日ひは法律ほうりつの公布こうふから３さん年ねんを超こえない範囲はんい内ないで政令せいれいによって定さだめる日ひとし、政令せいれいを定さだめるにあたっては、総理そうり大臣だいじんが、あらかじめ皇室こうしつ会議かいぎの意見いけんを聴きかなければならないとしています。さらに国会こっかいの議論ぎろんを踏ふまえて、皇室こうしつ典範てんぱんの付則ふそくに、特例とくれい法ほうが皇室こうしつ典範てんぱんと一体いったいを成なすものであるという規定きていを加くわえることが盛り込もりこまれました。

政府せいふは、特例とくれい法案ほうあんを１いち９きゅう日にち、国会こっかいに提出ていしゅつすることにしていますが、事前じぜんに、その要綱ようこうが与野党よやとう各党かくとうに示しめされ、自由党じゆうとう以外いがいの各党かくとうから異論いろんは出だされなかったことから今いまの国会こっかいで成立せいりつする見通みとおしです。

官房かんぼう長官ちょうかん 速すみやかな成立せいりつ期きす

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、「衆参しゅうさん両院りょういんの議長ぎちょうと副ふく議長ぎちょうからいただいた議論ぎろんの取とりまとめの中なかで、退位たいいにかかる立法りっぽう措置そちは今こん国会こっかいで成立せいりつすべきで、速すみやかに法律ほうりつ案あんを国会こっかいに提出ていしゅつすることを政府せいふに強つよく求もとめるとされている。その内容ないようを忠実ちゅうじつに反映はんえいさせて、政府せいふの有識者ゆうしきしゃ会議かいぎの最終さいしゅう報告ほうこくを参考さんこうとして法案ほうあんを立案りつあんし、本日ほんじつ、閣議かくぎ決定けっていをしたが、政府せいふとしても速すみやかな法案ほうあんの成立せいりつを期きしたい」と述のべました。

また菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは、記者きしゃ団だんが、退位たいいの時期じきや元号げんごうを改あらためるタイミングについて質問しつもんしたのに対にたいし、「これから国会こっかいで法案ほうあんの審議しんぎが行おこなわれるので、それ以上いじょうのことは現時点げんじてんで申し上もうしあげるべきでない。全体ぜんたいを見みる中なかで方向ほうこう性せいを出だしていかなければならない」と述のべました。

自民じみん 幹事かんじ長ちょう 「慎重しんちょうの上うえにも慎重しんちょうに対応たいおう」

自民党じみんとうの二に階かい幹事かんじ長ちょうは、記者きしゃ会見かいけんで、「国民こくみんすべてが重大じゅうだいな関心かんしんを持もって見守みまもっている問題もんだいだということを念頭ねんとうに、慎重しんちょうの上うえにも慎重しんちょうに、広ひろく、多おおくの意見いけんを静しずかに聞きくという態度たいどで臨のぞみたい」と述のべました。

公明こうめい 幹事かんじ長ちょう「速すみやかに成立せいりつ期きしたい」

公明党こうめいとうの井上いのうえ幹事かんじ長ちょうは、記者きしゃ会見かいけんで「特例とくれい法案ほうあんは、衆参しゅうさん両院りょういんの議長ぎちょうのもとで各党かくとうが協議きょうぎし、総意そういとしてまとめられた報告ほうこくに沿そった形かたちで立法りっぽう化かされていると評価ひょうかしている。できるだけ速すみやかに成立せいりつを期きしたい」と述のべました。

民みん進すすむ 国対こくたい委員いいん長ちょう 「静しずかに円満えんまんに今こん国会こっかい成立せいりつ」

民進党みんしんとうの山井やまい国会こっかい対策たいさく委員いいん長ちょうは、記者きしゃ会見かいけんで「静しずかな環境かんきょうで、円満えんまんにこの法律ほうりつを成立せいりつさせることは、与野党よやとうで合意ごういしており、その方針ほうしんに基もとづいてやっていきたい。また、『迅速じんそくに』ということも合意ごういしており、迅速じんそくというからには、今いまの国会こっかいで成立せいりつすることになる」と述のべました。

ソース：NHK ニュース