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房総半島沖にレアメタル含む岩石 東京23区の1.5倍の規模
2017-06-05 07:11:14

千葉県の房総半島からおよそ350キロの海底に、コバルトなどの希少な金属「レアメタル」を多く含んだ岩石の集まりが、東京23区の面積のおよそ1.5倍の規模で広がっていることが、海洋研究開発機構などの調査でわかりました。機構では、日本近海での海底資源開発の可能性について、引き続き調査を進めたいとしています。
海洋研究開発機構などの研究グループは、ことし4月23日から先月1日にかけて、千葉県の房総半島から東南東におよそ350キロの海底で、30年近く前に発見された「コバルトリッチクラスト」と呼ばれるコバルトなどの希少な金属、「レアメタル」を多く含んだ岩石の集まりがどのくらいの範囲に広がっているのか、無人の深海探査機を使って詳しい調査を行いました。
その結果、古い海底火山の水深1500メートル付近から5500メートル付近にかけて斜面全体が「コバルトリッチクラスト」で覆われ、その面積はおよそ950平方キロメートルと、東京23区の面積のおよそ1.5倍に匹敵する規模で広がっていることがわかりました。
また、「コバルトリッチクラスト」の層の厚みは10センチ余りあり、世界のほかの海域で見つかっているものよりも2倍前後、厚みがあることもわかったということです。
調査を行った海洋研究開発機構の鈴木勝彦ユニットリーダーは「本州から近い海域にこれほど大量に資源が存在していることがわかり、驚いている。ほかにも存在している可能性があり、日本近海での海底資源開発の可能性について技術的に可能かどうかも含めて引き続き調査を進めたい」と話しています。
その結果、古い海底火山の水深1500メートル付近から5500メートル付近にかけて斜面全体が「コバルトリッチクラスト」で覆われ、その面積はおよそ950平方キロメートルと、東京23区の面積のおよそ1.5倍に匹敵する規模で広がっていることがわかりました。
また、「コバルトリッチクラスト」の層の厚みは10センチ余りあり、世界のほかの海域で見つかっているものよりも2倍前後、厚みがあることもわかったということです。
調査を行った海洋研究開発機構の鈴木勝彦ユニットリーダーは「本州から近い海域にこれほど大量に資源が存在していることがわかり、驚いている。ほかにも存在している可能性があり、日本近海での海底資源開発の可能性について技術的に可能かどうかも含めて引き続き調査を進めたい」と話しています。
日本近海の現状は
「レアメタル」と呼ばれる希少な金属のコバルトやニッケルは、ハイブリッド車やスマートフォンのバッテリーに使われるなど最先端の工業製品に欠かせないものとなっていますが、日本はすべてを輸入に頼っています。
ただ、コバルトの世界1位の輸出国であるアフリカのコンゴ民主共和国は現地の政情が安定せず、取り引きが滞ることがあるほか、ニッケルを輸出しているインドネシアやフィリピンも輸出を禁止する措置を取ることがあり、原料の供給が安定しないことが課題になっています。
こうした中、日本は2001年から小笠原の南鳥島周辺の太平洋で海底資源の調査を進め、2009年以降コバルトなどのレアメタルを多く含んだ岩石の集まり「コバルトリッチクラスト」を相次いで発見しています。
また、「コバルトリッチクラスト」は南鳥島よりさらに南の公海にも存在していると見られることから、日本は3年前、南鳥島近くの公海で独占的に探査する契約を国際機関と結び、こうした海域での海底資源開発の可能性について、技術面とコスト面の両面から調査を進めています。
今回、房総半島からおよそ350キロという本州の近海で「コバルトリッチクラスト」の大規模な広がりが確認されたことで、これまで調査を進めていた南鳥島の周辺の海域やそれより南の公海だけでなく、本州のすぐ近くの海域でも海底資源を商業利用できる可能性があるのか、調査が進められることになります。
ただ、コバルトの世界1位の輸出国であるアフリカのコンゴ民主共和国は現地の政情が安定せず、取り引きが滞ることがあるほか、ニッケルを輸出しているインドネシアやフィリピンも輸出を禁止する措置を取ることがあり、原料の供給が安定しないことが課題になっています。
こうした中、日本は2001年から小笠原の南鳥島周辺の太平洋で海底資源の調査を進め、2009年以降コバルトなどのレアメタルを多く含んだ岩石の集まり「コバルトリッチクラスト」を相次いで発見しています。
また、「コバルトリッチクラスト」は南鳥島よりさらに南の公海にも存在していると見られることから、日本は3年前、南鳥島近くの公海で独占的に探査する契約を国際機関と結び、こうした海域での海底資源開発の可能性について、技術面とコスト面の両面から調査を進めています。
今回、房総半島からおよそ350キロという本州の近海で「コバルトリッチクラスト」の大規模な広がりが確認されたことで、これまで調査を進めていた南鳥島の周辺の海域やそれより南の公海だけでなく、本州のすぐ近くの海域でも海底資源を商業利用できる可能性があるのか、調査が進められることになります。
ソース:NHK ニュース