ヤフー 視覚しかく障害しょうがい者しゃに対応たいおうした選挙せんきょの特設とくせつサイト公開こうかいへ

東京とうきょう都議会とぎかい議員ぎいん選挙せんきょが２に３さん日にち告示こくじされます。ＩＴ大手おおてのヤフーは、視覚しかく障害しょうがい者しゃがインターネット上じょうで選挙せんきょの情報じょうほうに十分じゅうぶんにアクセスできない現状げんじょうを変かえようと、視覚しかく障害しょうがい者しゃに対応たいおうした特設とくせつサイトを作つくり、２に２に日にちから公開こうかいすることになりました。

特設とくせつサイトのトップページをクリックすると、真っ黒まっくろな画面がめんが現あらわれます。「何なにもメッセージが出でないと思おもわれた方ほうへ」という右みぎ隅すみの文字もじをクリックすると、その理由りゆうが示しめされます。

総務そうむ省しょうの調査ちょうさによりますと、視覚しかく障害しょうがい者しゃの９きゅう割わりがインターネットを利用りようし、文字もじを音声おんせいにして読み上よみあげるソフトなどを使つかって情報じょうほうを得えていますが、候補こうほ者しゃの訴うったえや経歴けいれきを記しるした選挙せんきょ公報こうほうは、ホームページ上じょうでは文書ぶんしょ全体ぜんたいを画像がぞう化かした「ＰＤＦファイル」で掲載けいさいされているため、文字もじを識別しきべつできず、視覚しかく障害しょうがい者しゃはそのままでは内容ないようを知しることはできません。

東京とうきょう都と選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいによりますと、選挙せんきょ公報こうほうの改かいざんを防ふせぐためＰＤＦファイルで「そのまま」掲載けいさいすることを求もとめた総務そうむ省しょうの通知つうちを受うけて、こうした対応たいおうを取とっているということで、サイトではこうした現状げんじょうが説明せつめいされています。

サイトでは、都議会とぎかい議員ぎいん選挙せんきょの告示こくじ後ごに掲載けいさいされる各かく候補こうほ者しゃの選挙せんきょ公報こうほうを文字もじ化かし、音声おんせい読み上よみあげソフトによって内容ないようを知しることができるようにするということです。

サイトの開発かいはつに当あたったヤフーの鈴木すずき宏一ひろかずさんは「視覚しかく障害しょうがい者しゃを取り巻とりまく問題もんだいを知しってもらいたいと考かんがえました。インターネットを使つかって情報じょうほうの格差かくさを乗り越のりこえる一助いちじょになればと思おもっています」と話はなしています。

都とや国くにの対応たいおう

東京とうきょう都と選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいは、候補こうほ者しゃから提出ていしゅつされた経歴けいれきや訴うったえなどを記しるした原稿げんこうをもとに選挙せんきょ公報こうほうとしてまとめて各かく世帯せたいに配布はいふしているほか、選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいのホームページにも掲載けいさいしています。
しかし、ネット上じょうの選挙せんきょ公報こうほうは文書ぶんしょ全体ぜんたいを画像がぞう化かしたＰＤＦファイルの形式けいしきで掲載けいさいされ、音声おんせいの呼び上よびあげソフトが文字もじを識別しきべつできないため、視覚しかく障害しょうがい者しゃはそのままでは書かかれている内容ないようを知しることはできません。

総務そうむ省しょうは５ご年ねん前まえ（平成へいせい２に４よん年ねん）、選挙せんきょ公報こうほうが改かいざんされるのを防ふせぐため、ホームページ上じょうにはＰＤＦファイルで「そのまま」掲載けいさいすることなどを求もとめる通知つうちを全国ぜんこくの自治体じちたいに出だしました。

これを受うけて、東京とうきょう都と選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいは「選挙せんきょ公報こうほうには写真しゃしんやイラストなども掲載けいさいされているため、文字もじだけを音声おんせい化かすると候補こうほ者しゃ間かんの公平こうへい性せいが保たもたれないおそれがある」として、画像がぞう化かしたＰＤＦファイルを掲載けいさいしているということです。

都と選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいは、選挙せんきょ公報こうほうを点字てんじにしたり、テープに録音ろくおんして配くばったりして視覚しかく障害しょうがい者しゃにきめ細きめこまかく対応たいおうしているとしていますが、「総務そうむ省しょうの見解けんかいや法的ほうてきな根拠こんきょなしに、独自どくじに選挙せんきょの啓発けいはつ活動かつどうを行おこなうことには限界げんかいがある」と説明せつめいしています。

専門せんもん家か「対応たいおうの見直みなおし必要ひつよう」

国連こくれんの障害しょうがい者しゃ権利けんり委員いいんに日本人にっぽんじんとして初はじめて選えらばれ、障害しょうがい者しゃの政策せいさくに詳くわしい、静岡しずおか県立けんりつ大学だいがく教授きょうじゅでみずからも全盲ぜんもうの石川いしかわ准じゅんさんは「日本にっぽんは公共こうきょうの建物たてものや交通こうつう機関きかんのバリアフリーなどは頑張がんばっていると思おもうが、情報じょうほうへのアクセスに関にかんする法ほう制度せいどや政策せいさくは立ち後たちおくれている」と指摘してきしています。そのうえで、石川いしかわさんは「日本にっぽんも批准ひじゅんしている障害しょうがい者しゃ権利けんり条約じょうやくでは、政治せいじへの参加さんかを権利けんりとして保障ほしょうすることを認みとめているため、国くには視覚しかく障害しょうがい者しゃの選挙せんきょ公報こうほうへのアクセスを可能かのうにするべきだ」と述のべ、これまでの対応たいおうを見直みなおす必要ひつようがあるという考かんがえを示しめしています。

ソース：NHK ニュース