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入国制限の大統領令 米連邦最高裁 部分的に認める
2017-06-26 15:10:08

アメリカのトランプ大統領が出した中東などからの人の入国を制限する大統領令は全米で執行が停止されていますが、連邦最高裁判所は政権側の申し立てを部分的に認め、一定の条件を満たす人を対象から除いたうえで執行されることになりました。
トランプ大統領はことし3月、テロ対策として中東とアフリカの6か国の人の入国を制限する大統領令に署名しましたが、連邦地方裁判所が全米で執行の停止を命じる仮処分の決定を出し、連邦控訴裁判所もこの決定を支持したため、トランプ政権は連邦最高裁判所に不服を申し立てていました。
連邦最高裁判所は26日、大統領令の執行が全面的に停止されていることについて、「アメリカの国益を損なう」として政権側の申し立てを部分的に認めました。
そして、アメリカに家族が住む人や大学への入学を許可された人、それに企業に採用された人など、アメリカと正当な関係があるとされた人を対象から除いたうえで、大統領令は執行されることになりました。また、連邦最高裁判所は、ことし10月以降に改めて審理するとしています。
トランプ大統領は声明を出し、「国の安全保障にとって明らかな勝利だ。私の第一の責任は国民の安全を確保することであり、今回の判断によって国を守るための重要な手段を使うことができる」と強調しました。
一方で、野党・民主党の全国委員会は「大統領令は憲法違反であり、闘い続ける」と主張し、反発していて、波紋が広がることも予想されます。
連邦最高裁判所は26日、大統領令の執行が全面的に停止されていることについて、「アメリカの国益を損なう」として政権側の申し立てを部分的に認めました。
そして、アメリカに家族が住む人や大学への入学を許可された人、それに企業に採用された人など、アメリカと正当な関係があるとされた人を対象から除いたうえで、大統領令は執行されることになりました。また、連邦最高裁判所は、ことし10月以降に改めて審理するとしています。
トランプ大統領は声明を出し、「国の安全保障にとって明らかな勝利だ。私の第一の責任は国民の安全を確保することであり、今回の判断によって国を守るための重要な手段を使うことができる」と強調しました。
一方で、野党・民主党の全国委員会は「大統領令は憲法違反であり、闘い続ける」と主張し、反発していて、波紋が広がることも予想されます。
米への入国制限 これまでの経緯
トランプ大統領は、就任直後のことし1月下旬、テロ対策を強化し、入国審査を厳格化するためとして、シリア、イラク、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンの7か国の人の入国を90日間、一時的に禁止し、すべての国からの難民の受け入れも120日間停止する大統領令に署名しました。
しかし、入国禁止の措置はイスラム教徒をねらったもので、差別的だという批判や反発が国内外で広がったうえ、事前の予告がなく大統領令が執行されたこともあり、アメリカ各地の空港に到着した人が入国を拒否されたり、入管当局に拘束されたりして混乱も起きました。
批判や反発が広がる中、ことし2月、ワシントン州の連邦地方裁判所が全米で大統領令の執行の即時停止を命じる仮処分の決定を出します。さらに、高等裁判所にあたる連邦控訴裁判所は、この決定についてのトランプ政権側の不服申し立てを退けます。
これに対して、トランプ大統領は、3月、新たな大統領令に署名します。新たな大統領令ではイラクが対象外となりましたが、シリア、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンの6か国の人の入国を90日間、一時的に制限し、難民の受け入れも120日間停止するとしました。ただ、対象は新たにビザを申請する人に限られ、すでにビザや永住権を得ている人は対象から除かれました。
しかし、この大統領令についても、ハワイ州やメリーランド州の連邦地方裁判所で全米で執行の停止が命じられ、連邦控訴裁判所も決定を支持。トランプ政権は、連邦最高裁判所に不服を申し立てていました。
しかし、入国禁止の措置はイスラム教徒をねらったもので、差別的だという批判や反発が国内外で広がったうえ、事前の予告がなく大統領令が執行されたこともあり、アメリカ各地の空港に到着した人が入国を拒否されたり、入管当局に拘束されたりして混乱も起きました。
批判や反発が広がる中、ことし2月、ワシントン州の連邦地方裁判所が全米で大統領令の執行の即時停止を命じる仮処分の決定を出します。さらに、高等裁判所にあたる連邦控訴裁判所は、この決定についてのトランプ政権側の不服申し立てを退けます。
これに対して、トランプ大統領は、3月、新たな大統領令に署名します。新たな大統領令ではイラクが対象外となりましたが、シリア、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンの6か国の人の入国を90日間、一時的に制限し、難民の受け入れも120日間停止するとしました。ただ、対象は新たにビザを申請する人に限られ、すでにビザや永住権を得ている人は対象から除かれました。
しかし、この大統領令についても、ハワイ州やメリーランド州の連邦地方裁判所で全米で執行の停止が命じられ、連邦控訴裁判所も決定を支持。トランプ政権は、連邦最高裁判所に不服を申し立てていました。
「9対0の決定で満足」
アメリカの連邦最高裁判所は、去年2月、9人の判事のうちの1人が死去したあと欠員が生じていましたが、トランプ大統領が指名した保守派の判事がことし4月、議会で承認されたことで、現在は判事の過半数を保守派が占めています。
このため国内外で物議を醸してきた大統領令をめぐって、どのような判断を示すのか注目されていました。今回、連邦最高裁判所は「裁判所全体としての判断」を示したとしています。
これについてトランプ大統領は声明で、「9対0の一致した決定で満足だ」としています。
一方、連邦最高裁判所によりますと、トランプ大統領が指名したゴーサッチ氏など3人の判事は今回の判断に賛同しながらも、大統領令の全面的な執行を認めるべきだと主張したということです。
このため国内外で物議を醸してきた大統領令をめぐって、どのような判断を示すのか注目されていました。今回、連邦最高裁判所は「裁判所全体としての判断」を示したとしています。
これについてトランプ大統領は声明で、「9対0の一致した決定で満足だ」としています。
一方、連邦最高裁判所によりますと、トランプ大統領が指名したゴーサッチ氏など3人の判事は今回の判断に賛同しながらも、大統領令の全面的な執行を認めるべきだと主張したということです。
ソース:NHK ニュース