津波つなみ可能かのう性せいの認識にんしきが今後こんごの焦点しょうてんに 原発げんぱつ事故じこ裁判さいばん

原発げんぱつ事故じこをめぐって業務ぎょうむ上じょう過失かしつ致死傷ちししょうの罪つみで強制きょうせい的てきに起訴きそされた東京とうきょう電力でんりょくの旧きゅう経営けいえい陣じん３さん人にんの初はつ公判こうはんが６月ろくがつ３さん０ぜろ日にちに開ひらかれ、３さん人にんは無罪むざいを主張しゅちょうしました。一方いっぽう、検察官けんさつかん役やくの指定してい弁護士べんごしは事故じこの３さん年ねん前まえに社内しゃないで作つくられたという防潮ぼうちょう堤つつみの予想よそう図ずの存在そんざいを新あらたに指摘してきし、津波つなみの可能かのう性せいについて３さん人にんがどこまで認識にんしきできたかが今後こんごの焦点しょうてんとなります。

東京とうきょう電力でんりょくの元もと会長かいちょうの勝俣かつまた恒久つねひさ被告ひこく（７なな７なな）、元もと副ふく社長しゃちょうの武たけ黒くろ一いち郎ろう被告ひこく（７なな１いち）、元もと副ふく社長しゃちょうの武藤むとう栄さかえ被告ひこく（６ろく７なな）の３さん人にんは、原発げんぱつ事故じこで福島ふくしま県けんの入院にゅういん患者かんじゃなど４よん４よん人にんを避難ひなんの過程かていで死亡しぼうさせたなどとして、業務ぎょうむ上じょう過失かしつ致死傷ちししょうの罪つみで強制きょうせい的てきに起訴きそされました。

３さん０ぜろ日にちに東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょで開ひらかれた初はつ公判こうはんで、検察官けんさつかん役やくの指定してい弁護士べんごしは東京とうきょう電力でんりょくが事故じこの３さん年ねん前まえに、原発げんぱつが津波つなみで浸水しんすいする可能かのう性せいがあるという想定そうていを内部ないぶでまとめていたと主張しゅちょうしました。

さらに、原発げんぱつの海うみ側がわの敷地しきちに高たかさ１いち０ぜろメートルの防潮ぼうちょう堤つつみを建設けんせつするという予想よそう図ずの存在そんざいを新あらたに指摘してきし、社内しゃないで具体ぐたい的てきな対策たいさくが計画けいかくされたのに先送さきおくりされたと主張しゅちょうしました。

これに対にたいして３さん人にんは、想定そうていが妥当だとうかどうか専門せんもんの学会がっかいに検討けんとうを依頼いらいしていたなどとして、先送さきおくりを否定ひていし、無罪むざいを主張しゅちょうしました。

審理しんりは長期ちょうき化かするものと見みられ、今後こんごは３さん人にんが津波つなみの可能かのう性せいをどこまで認識にんしきできたかが焦点しょうてんとなります。

津波つなみ対策たいさくめぐるやり取やりとり 一部いちぶ明あきらかに

３さん０ぜろ日にちに行おこなわれた初はつ公判こうはんでは、東京とうきょう電力でんりょくの社内しゃないで津波つなみ対策たいさくをめぐって交かわされたメールなどの具体ぐたい的てきなやり取やりとりの一部いちぶが明あきらかにされました。

法廷ほうていでは検察官けんさつかん役やくの指定してい弁護士べんごしが提出ていしゅつした、東京とうきょう電力でんりょく社内しゃないのメールや会議かいぎの議事ぎじ録ろくなど２に０ぜろ０ぜろ点てん余あまりが証拠しょうことして採用さいようされ、その概要がいようが説明せつめいされました。

それによりますと、原発げんぱつが津波つなみで浸水しんすいする可能かのう性せいがあるという想定そうていがまとまる２にか月かげつ前まえの平成へいせい２に０ぜろ年ねん１月いちがつ２に３さん日にちに、津波つなみ対策たいさくを担になう土木どぼく調査ちょうさグループの担当たんとう者しゃが同僚どうりょうに送おくったメールでは、想定そうていされる最大さいだいの津波つなみの評価ひょうかをやり直やりなおした場合ばあい、「ＮＧえぬじ-であることがほぼ確実かくじつな状況じょうきょう」だとして、「原発げんぱつの津波つなみ対策たいさくを開始かいしする必要ひつようがある」という記載きさいがあったということです。

また、同おなじ担当たんとう者しゃの２月にがつ４よん日にちのメールでは、津波つなみが想定そうていを超こえた場合ばあいの対策たいさくについて、「早期そうきに状況じょうきょう確認かくにんする必要ひつようがあるのではないか」という記載きさいがあったとしています。

津波つなみ対策たいさくが必要ひつようだという認識にんしきが東京とうきょう電力でんりょくの中なかでどこまで広ひろがっていたのかは、３さん人にんに刑事けいじ責任せきにんがあったかどうかを判断はんだんするうえで１ひとつの焦点しょうてんになりそうです。

ソース：NHK ニュース