親権しんけん争あらそう裁判さいばん「面会めんかい交流こうりゅうが唯一ゆいいつの判断はんだん基準きじゅんでない」２に審しん判決はんけつ確定かくてい

夫婦ふうふの別居べっきょによって子こどもと離はなれて暮くらす父親ちちおやが「母親ははおやと子こどもの面会めんかいの機会きかいを年間ねんかん１いち０ぜろ０ぜろ日にちは設もうける」と提案ていあんして子こどもの親権しんけんなどを争あらそった裁判さいばんで、「面会めんかい交流こうりゅうが唯一ゆいいつの判断はんだん基準きじゅんではない」と指摘してきして、子こどもと同居どうきょする母親ははおやに親権しんけんを認みとめた２に審しんの判決はんけつが最高さいこう裁判所さいばんしょで確定かくていしました。

この裁判さいばんは、７なな年ねん前まえから別居べっきょしている夫婦ふうふが９きゅう歳さいの長女ちょうじょの親権しんけんなどをめぐって争あらそったもので、子こどもと離はなれて暮くらす父親ちちおや側がわは「自分じぶんが親権しんけんを得えたら母親ははおやと長女ちょうじょの面会めんかい交流こうりゅうの機会きかいを年間ねんかん１いち０ぜろ０ぜろ日にちは設もうける」として、母親ははおや側がわが示しめした案あんよりも日数にっすうを多おおくすることを提案ていあんをしました。

１いち審しんの千葉ちば家庭かてい裁判所さいばんしょ松戸まつど支部しぶは、この提案ていあんを評価ひょうかして父親ちちおやを親権しんけん者しゃと定さだめ、母親ははおやに対にたいして同居どうきょする長女ちょうじょを引き渡ひきわたすよう命めいじました。

これに対にたいし２に審しんの東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょは、「子こどもの養育よういく状況じょうきょうなどを総合そうごう的てきに考慮こうりょして親権しんけん者しゃを定さだめるべきで、面会めんかい交流こうりゅうは唯一ゆいいつの判断はんだん基準きじゅんではない。長女ちょうじょは母親ははおやのもとで安定あんていした生活せいかつをしている」などとして母親ははおやを親権しんけん者しゃと定さだめました。

父親ちちおやが上告じょうこくしていましたが、最高さいこう裁判所さいばんしょ第だい２に小しょう法廷ほうていの鬼丸おにまるかおる裁判さいばん長ちょうは、１いち４よん日にちまでに上告じょうこくを退しりぞける決定けっていを出だしました。

１いち審しん判決はんけつは面会めんかい交流こうりゅうの機会きかいを重視じゅうしする異例いれいの判決はんけつとして注目ちゅうもくされましたが、従来じゅうらいの裁判さいばんと同おなじように面会めんかい交流こうりゅうを考慮こうりょする要素ようその１ひとつと判断はんだんし、母親ははおやに親権しんけんを認みとめた２に審しん判決はんけつが確定かくていしました。

面会めんかい交流こうりゅうめぐる争あらそいが増加ぞうか

子こどもとの面会めんかい交流こうりゅうをめぐる争あらそいは次第しだいに増ふえていて、どのように解決かいけつすべきか議論ぎろんが高たかまっています。

最高さいこう裁判所さいばんしょのまとめによりますと、離婚りこんや別居べっきょなどで別わかれて暮くらす子こどもと定期ていき的てきに会あう面会めんかい交流こうりゅうについて、全国ぜんこくの家庭かてい裁判所さいばんしょに申し立もうしたてられた審判しんぱんと調停ちょうていは、去年きょねん１いち万まん４よん２に０ぜろ０ぜろ件けん余あまりで、１いち０ぜろ年ねん前まえのおよそ２に．２に倍ばいに上のぼっています。

しかし去年きょねん、調停ちょうていが成立せいりつした割合わりあいはおよそ６ろく１いち％にとどまっていて、夫婦ふうふ間かんの感情かんじょうのもつれから調整ちょうせいが難むずかしいケースも多おおいことがうかがえます。

こうした中なか、超党派ちょうとうはの国会こっかい議員ぎいんが別わかれて暮くらす親おやと子こが面会めんかいを続つづけられるよう支援しえんを充実じゅうじつさせる必要ひつようがあるとして、離婚りこんする夫婦ふうふが面会めんかい交流こうりゅうについて書面しょめんで取り決とりきめをすることなどを促うながす、新あらたな法律ほうりつを作つくることを検討けんとうしています。

一方いっぽうで、顔かおを合あわせる機会きかいを作つくると相手あいてからＤＶや虐待ぎゃくたいを受うけるおそれがあるとして、安易あんいに面会めんかい交流こうりゅうを進すすめるべきではないという意見いけんもあり、離婚りこん後ごの親子おやこの関かかわり方かたをめぐって議論ぎろんが高たかまっています。

ソース：NHK ニュース