陸上りくじょう男子だんし１いち０ぜろ０ぜろｍめ-とる 桐生きりゅうが日本にっぽん選手せんしゅ初はつの９きゅう秒びょう台だい

陸上りくじょうの男子だんし１いち０ぜろ０ぜろメートルで、２に１いち歳さいの桐生きりゅう祥さち秀しゅう選手せんしゅが、福井ふくい市しで行おこなわれた大学生だいがくせいの大会たいかいで日本にっぽん選手せんしゅ初はつの９きゅう秒びょう台だいとなる９きゅう秒びょう９きゅう８はちの日本にっぽん新しん記録きろくをマークしました。

桐生きりゅう選手せんしゅは、９きゅう日にち、福井ふくい市しで行おこなわれた日本にっぽん学生がくせい対校たいこう選手権せんしゅけんの男子だんし１いち０ぜろ０ぜろメートルの決勝けっしょうに出場しゅつじょうしました。

桐生きりゅう選手せんしゅは好こうスタートを切きったあと、中盤ちゅうばんから終盤しゅうばんにかけても伸のびのある走はしりを見みせて、日本にっぽん選手せんしゅで初はじめての９きゅう秒びょう台だいとなる９きゅう秒びょう９きゅう８はちの日本にっぽん新しん記録きろくをマークしました。

これまでの記録きろくは、１いち９きゅう９きゅう８はち年ねんに伊東いとう浩司こうじさんが出だした１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ０ぜろで、桐生きりゅう選手せんしゅは０ぜろ秒びょう０ぜろ２に更新こうしんしました。

桐生きりゅう祥さち秀しゅう選手せんしゅとは

桐生きりゅう祥さち秀しゅう選手せんしゅは滋賀しが県けん出身しゅっしんの２に１いち歳さい。東洋とうよう大学だいがくの４よん年生ねんせいで、力強ちからづよく大おおきなストライドとスタートから中盤ちゅうばんにかけての爆発ばくはつ的てきな加速かそく力りょくが持ち味もちあじです。

高校こうこう２に年生ねんせいだった５ご年ねん前まえ、１０月じゅうがつの国体こくたいで、１いち８はち歳さい未満みまんのユース世界せかい最高さいこう記録きろくとなる１いち０ぜろ秒びょう２に１いちを出だし、高校こうこう３さん年生ねんせいの４月しがつには、広島ひろしま市しで開ひらかれた大会たいかいで日本にっぽん記録きろくに１いち０ぜろ０ぜろ分ぶんの１いち秒びょうと迫せまる歴代れきだい２に位いの１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ１いちをマークして、一躍いちやく、脚光きゃっこうを浴あびました。

大学だいがくに入学にゅうがく後ご、おととし３月さんがつにアメリカで開ひらかれた大会たいかいで、追い風おいかぜ参考さんこうの記録きろくながら９きゅう秒びょう８はち７ななを出だして、日本にっぽん選手せんしゅ初はつの９きゅう秒びょう台だいが一気いっきに現実味げんじつみを帯おびました。その後そのご、右みぎ太ふとももの肉離にくばなれのケガを乗り越のりこえ、去年きょねん６月ろくがつ１いち１いち日にちの大会たいかいで、３さん年ねんぶりに自己じこベストに並ならぶ１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ１いちを再ふたたびマークしました。

去年きょねん８月はちがつには、リオデジャネイロオリンピック代表だいひょうとなり、男子だんし１いち０ぜろ０ぜろメートルは予選よせんで敗退はいたいしましたが、４よん０ぜろ０ぜろメートルリレーで、第だい３さん走者そうしゃとして抜群ばつぐんの走はしりを見みせて、銀メダルぎんめだるに貢献こうけんしました。

今こんシーズンは６月ろくがつの日本にっぽん選手権せんしゅけんで４よん位いとなり、世界せかい選手権せんしゅけんの個人こじん種目しゅもくの代表だいひょうを逃のがしましたが、リレーのメンバーとして、銅メダルどうめだる獲得かくとくに貢献こうけんしました。

９きゅう秒びょう台だい達成たっせいの背景はいけいは

桐生きりゅう祥さち秀しゅう選手せんしゅが９きゅう秒びょう台だいを出だした要因よういんには、オリンピック後ごに体からだをつくり直なおし、得意とくいの中盤ちゅうばんでの爆発ばくはつ力りょくを磨みがいたことがあげられます。

桐生きりゅう選手せんしゅはおととし３月さんがつ、アメリカの大会たいかいで、追い風おいかぜ参考さんこうながら９きゅう秒びょう８はち７ななを出だしましたが、その後そのご、右みぎ太ふとももの肉離にくばなれもあり、脂肪しぼうと体重たいじゅうを落おとしてケガのリスクを減へらしました。そして、去年きょねん８月はちがつのオリンピック後ごに早はやめにシーズンを終おえて体からだを休やすめて、室伏むろふし広治ひろじさんに指導しどうを仰あおぎ、ウエイトトレーニングや体からだ幹みきトレーニングを見直みなおして体力たいりょくの強化きょうかに努つとめました。

じっくりと体からだをつくり直なおしたことで、脂肪しぼうの量りょうはそのままで体重たいじゅうが２にキロ増ふえて、得意とくいの中盤ちゅうばんでの爆発ばくはつ力りょくに磨みがきがかかり、中盤ちゅうばん以降いこうの走はしりにスピードが増ましました。さらに苦手にがてだったスタートの課題かだい克服こくふくにも積極せっきょく的てきに取り組とりくんでいました。

日本にっぽん選手せんしゅ１いち０ぜろ０ぜろｍめ-とるの軌跡きせき

日本にっぽん選手せんしゅで初はじめて９きゅう秒びょう台だいに迫せまったのは、１いち９きゅう年ねん前まえの１いち９きゅう９きゅう８はち年ねん、当時とうじ２に８はち歳さいの伊東いとう浩司こうじさんでした。アジア大会たいかいで１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ０ぜろをマークし、日本にっぽん選手せんしゅ初はつの９きゅう秒びょう台だいへ期待きたいが高たかまりました。

このあと、３さん年ねん後ごには、朝原あさはら宣治のぶはるさんが１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ２にを出だし、２に０ぜろ０ぜろ３さん年ねんには末すえ續慎吾しんご選手せんしゅが１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ３さんをマークしました。そして、１いち０ぜろ年ねん後ごの２に０ぜろ１いち３さん年ねん、当時とうじ高校こうこう３さん年生ねんせいだった桐生きりゅう祥さち秀しゅう選手せんしゅが１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ１いちを出だして、一躍いちやく、脚光きゃっこうを浴あびました。

オリンピックイヤーの去年きょねん５月ごがつ、ケンブリッジ飛鳥あすか選手せんしゅが１いち０ぜろ秒びょう１いち０ぜろ、６月ろくがつに桐生きりゅう祥さち秀しゅう選手せんしゅが１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ１いちを再ふたたびマークしたほか、９月くがつに山縣やまがた亮太りょうた選手せんしゅが１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ３さんを出だしました。

今こんシーズンは、大学生だいがくせいの多田ただ修平しゅうへい選手せんしゅが６月ろくがつの学生がくせいの大会たいかいで１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ８はちを出だしたほか、サニブラウン アブデル・ハキーム選手せんしゅが６月ろくがつの日本にっぽん選手権せんしゅけんで１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ５ごを出だして優勝ゆうしょうし、今月こんげつの世界せかい選手権せんしゅけんでも再ふたたび１いち０ぜろ秒びょう０ぜろ５ごをマークするなど、いつ、誰だれが９きゅう秒びょう台だいを達成たっせいするのか、一段いちだんと注目ちゅうもくが高たかまっていました。

世界せかいで戦たたかえる可能かのう性せい広ひろがる

桐生きりゅう選手せんしゅが９きゅう秒びょう台だいをマークし、日本にっぽん選手せんしゅが長年ながねん、越こえられなかった大おおきな壁かべを打ち破うちやぶった結果けっかとなりました。この種目しゅもくの世界せかい記録きろくは、ジャマイカのウサイン・ボルト選手せんしゅが２に０ぜろ０ぜろ９きゅう年ねんの世界せかい選手権せんしゅけんでマークした９きゅう秒びょう５ご８はちです。

国際こくさい陸上りくじょう競技きょうぎ連盟れんめいによりますと、去年きょねん１いち年間ねんかんでは、２に５ご人にんの選手せんしゅが合あわせて６ろく０ぜろ回かい、１いち０ぜろ０ぜろメートルを９きゅう秒びょう台だいで走はしっています。また、去年きょねんのリオデジャネイロオリンピックの男子だんし１いち０ぜろ０ぜろメートルで決勝けっしょうに進すすんだ８はち人にんのうち、６ろく人にんが９きゅう秒びょう台だいをマークしました。

アジアでは、ナイジェリア出身しゅっしんでカタール国籍こくせきを取得しゅとくしたフェミスワン・オグノデ選手せんしゅが９きゅう秒びょう９きゅう１いちのアジア記録きろくを持もっているほか、中国ちゅうごくの蘇そ炳添選手せんしゅが、おととし、９きゅう秒びょう９きゅう９きゅうをマークしています。

日本にっぽん選手せんしゅが過去かこにオリンピックと世界せかい選手権せんしゅけんの男子だんし１いち０ぜろ０ぜろメートルで決勝けっしょうに進出しんしゅつしたのは、１いち９きゅう３さん２に年ねんのロサンゼルスオリンピックの吉岡よしおか隆徳たかのりさんのみです。しかし、今回こんかい、桐生きりゅう選手せんしゅが日本にっぽん選手せんしゅ初はつの９きゅう秒びょう台だいとなる９きゅう秒びょう９きゅう８はちをマークしたことで、日本にっぽん選手せんしゅが世界せかいのトップ選手せんしゅとオリンピックなどの決勝けっしょうで戦たたかえる可能かのう性せいが広ひろがったと言いえます。

ソース：NHK ニュース