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経済けいざい再生さいせいしょう景気けいきは「いざなぎ」をえた可能かのうせいたかい”

2017-09-25 07:05:54

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政府せいふ今月こんげつ月例げつれい経済けいざい報告ほうこくで、景気けいき現状げんじょうは「ゆるやかな回復かいふく基調きちょうつづいている」という判断はんだんしめしました。茂木もぎ経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは、いま景気けいき回復かいふくよんねんいちぜろか月かげつにわたってつづき、ながさでは、高度こうど経済けいざい成長せいちょうまっただ中まっただなかこう景気けいきいざなぎ景気いざなぎけいき」をえた可能かのうせいたかいという認識にんしきしめしました。
政府せいふにち関係かんけい閣僚かくりょう会議かいぎりまとめた今月こんげつ月例げつれい経済けいざい報告ほうこくによりますと、新車しんしゃ販売はんばい個人こじん消費しょうひ持ち直もちなおしていることなどから、景気けいきは「ゆるやかな回復かいふく基調きちょうつづいている」という判断はんだん維持いじしました。

記者きしゃ会見かいけんした茂木もぎ経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは「いま景気けいき回復かいふくながさは戦後せんごの『いざなぎ景気いざなぎけいき』をえた可能かのうせいたかい」とべました。

景気けいき回復かいふく後退こうたい時期じきは、内閣ないかく有識者ゆうしきしゃによる研究けんきゅうかい正式せいしき判断はんだんしますが、茂木もぎ大臣だいじんは、平成へいせいよんねん12月じゅうにがつからはじまったいま景気けいき回復かいふくは、よんねんいちぜろか月かげつにわたってつづき、「いざなぎ景気いざなぎけいき」をえたという認識にんしきしめしたかたちです。

いざなぎ景気いざなぎけいきは、東京とうきょうオリンピックの翌年よくねん昭和しょうわよんぜろねん11月じゅういちがつから昭和しょうわよんねん7月しちがつまでのよんねんきゅうか月かげつで、まさに高度こうど成長せいちょうまっただ中まっただなか時期じきたり、所得しょとく年々ねんねんえて個人こじん消費しょうひおおきく拡大かくだいしました。

今回こんかいは、回復かいふくながさでは、いざなぎ景気いざなぎけいきえましたが経済けいざい成長せいちょうりつ賃金ちんぎんびはひく水準すいじゅんにとどまっていきおいにかけ、おおくの専門せんもん消費しょうひしゃからは回復かいふく実感じっかんとぼしいというこえ目立めだっています。

経済けいざい指標しひょう良好りょうこう

今回こんかい景気けいき回復かいふくはじまったのは平成へいせいよんねん12月じゅうにがつ
デフレから脱却だっきゃくするため、大胆だいたん金融きんゆう緩和かんわ財政ざいせい出動しゅつどう、そして成長せいちょう戦略せんりゃくの「さんほん」をかかげたいわゆる「アベノミクス」のスタートと同時どうじです。

とく注目ちゅうもくされたのが日銀にちぎんによるだい規模きぼ金融きんゆう緩和かんわでした。金融きんゆう緩和かんわえんやすをもたらし輸出ゆしゅつ企業きぎょう採算さいさんおおきく改善かいぜん世界せかい経済けいざい回復かいふくという追い風おいかぜもあって、財務省ざいむしょう法人ほうじん企業きぎょう統計とうけい調査ちょうさでは企業きぎょう経常けいじょう利益りえきは、平成へいせい年度ねんどからよんねん連続れんぞく過去かこ最高さいこう更新こうしんしました。

株式かぶしき市場しじょうにも金融きんゆう緩和かんわ資金しきん流れ込ながれこみ、株価かぶか上昇じょうしょう平成へいせいよんねん11月じゅういちがつには、いちまんえん割り込わりこんでいた日経にっけい平均へいきん株価かぶかまんえんだいに。ぜろねんぶりのかぶだかをうかがう水準すいじゅんになっています。

雇用こよう改善かいぜんつづけています。有効ゆうこう求人きゅうじん倍率ばいりつはことし、よんさんねんぶりのたか水準すいじゅんとなり人出ひとで不足ふそくすすんでいます。さんか月かげつごとに発表はっぴょうされるGDPじ-でぃ-ぴ-国内こくないそう生産せいさんいちねんはんにわたってプラスがつづいています。
このように景気けいき拡大かくだいしめ経済けいざい指標しひょう目立めだっています。

なぜ回復かいふく実感じっかんとぼしいのか

回復かいふくながさでは戦後せんご番目ばんめになったいま景気けいきですが、消費しょうひしゃからは「回復かいふく実感じっかんとぼしい」というこえがあがります。なぜなのでしょうか。

ひとつは過去かこ景気けいき回復かいふくくらべて成長せいちょういきおいがよわいからです。
調査ちょうさ会社かいしゃ三菱みつびしUFJリサーチ&コンサルティングによりますと、景気けいき回復かいふくにどれだけ経済けいざい成長せいちょうしたかをますと、「いざなぎ景気いざなぎけいき」のいちねんたりの実質じっしつGDPじ-でぃ-ぴ-国内こくないそう生産せいさんびに換算かんさんするといちいちいち%というたか成長せいちょうつづけました。これに対にたいして、今回こんかい景気けいき回復かいふくではびはいちさんろくにとどまっていています。

さらに賃金ちんぎんびがにぶいことも、おおきな要因よういんです。
いざなぎ景気いざなぎけいき期間きかんは、賃金ちんぎん毎年まいとし平均へいきんいちさんろくび、物価ぶっか影響えいきょうのぞいた実質じっしつてもはちびていました。しかし、今回こんかい景気けいき回復かいふくではりつ平均へいきんして、毎年まいとしぜろはち物価ぶっか影響えいきょうのぞいた実質じっしつびでますとマイナスぜろさんです。
これがおおくのひと景気けいき回復かいふく実感じっかんできない理由りゆうだと専門せんもん指摘してきしています。

景気けいきは“低温ていおん経済けいざい

今回こんかい景気けいき回復かいふく特徴とくちょうについて、みずほ総合そうごう研究所けんきゅうじょ高田たかだはじめチーフエコノミストは「GDPじ-でぃ-ぴ-成長せいちょうりついちぜろだいだったいざなぎ景気いざなぎけいきくらべるといま成長せいちょうりつ%という水準すいじゅんだ。回復かいふく期間きかんながいがいわば“低温ていおん経済けいざい”のような状態じょうたいで、実感じっかんなき景気けいき回復かいふくという意識いしきぬぐい去ぬぐいさることができない。経済けいざい成熟せいじゅくした先進せんしんこく共通きょうつう特徴とくちょうだ」と指摘してきしています。

また景気けいき回復かいふくつづけている一方いっぽう厚生こうせい労働ろうどうしょう統計とうけい世帯せたい年収ねんしゅう分布ぶんぷ中央ちゅうおう、つまり、ちょうど真ん中まんなか世帯せたい年収ねんしゅうがり、日本にっぽんのいわば「中間ちゅうかんそう」の収入しゅうにゅうちてきました。

これについて高田たかださんは「企業きぎょうがリストラに踏み切ふみきったさいに、正規せいき採用さいようやすといったうごきもあって中間ちゅうかんそうずり落ずりおちるようなかたちになってしまった。中間ちゅうかんそうは、消費しょうひめんでも非常ひじょう重要じゅうようそうだが、消費しょうひ水準すいじゅんがらなくなったり、住宅じゅうたくなどのおおきな投資とうしをしなくなったりすると景気けいき盛り上もりあがらない」と分析ぶんせきしています。

高田たかださんは景気けいき上向うわむかせるには中間ちゅうかんそう底上そこあげがかせないと指摘してきし「企業きぎょう個人こじんも、物価ぶっかがらない、賃金ちんぎんがらないと思い込おもいこんでいるが、それをどうえていくかが大切たいせつだ。企業きぎょうがわ労働ろうどう組合くみあい場合ばあいによってはくに賃金ちんぎん引き上ひきあげに取り組とりくむことが重要じゅうようだ」と指摘してきしています。

鉄連てつれん会長かいちょう個人こじん消費しょうひめん恩恵おんけいけられるように」

鉄鋼てっこうメーカーなどでつくる「日本にっぽん鉄鋼てっこう連盟れんめい」の進藤しんどう孝生たかお会長かいちょう会見かいけんで、「『いざなぎ景気いざなぎけいき』の時代じだいくらべると、日本にっぽん経済けいざい発展はってん段階だんかいちがうので、今回こんかい景気けいき回復かいふく生活せいかつゆたかになったという認識にんしきはあまりないとおもう。ただねんまえは、どこをても閉塞へいそくかんがあったが、経済けいざい政策せいさく転換てんかんとく金融きんゆう政策せいさく影響えいきょうおおきかったのか、その状況じょうきょうはかなりわった」とべました。
そのうえで進藤しんどう会長かいちょうは「これほどなが期間きかん景気けいき回復かいふくつづくとはおもっていなかったが、そのわりに回復かいふく実感じっかんがないのは個人こじん消費しょうひおもったほどびず、物価ぶっかがっていないことがあるとおもう。今後こんごは、個人こじん消費しょうひめん回復かいふく恩恵おんけいけられるようにすることが必要ひつようだ」とべました。
ソース:NHK ニュース