米べい韓かん両りょう軍ぐん 海上かいじょうでの共同きょうどう訓練くんれんを開始かいし

アメリカ軍ぐんと韓国かんこく軍ぐんは、北朝鮮きたちょうせんによる海上かいじょうでの軍事ぐんじ挑発ちょうはつに備そなえて、１いち６ろく日にちから原子力げんしりょく空母くうぼやイージス駆逐くちく艦かんなどが参加さんかする共同きょうどう訓練くんれんを開始かいししました。

韓国かんこく海軍かいぐんは１いち６ろく日にちの記者きしゃ会見かいけんで、アメリカ軍ぐんと韓国かんこく軍ぐんが１いち６ろく日にち午前ごぜんから５ご日間にちかんの日程にっていで、朝鮮ちょうせん半島はんとうの周辺しゅうへん海域かいいきで共同きょうどう訓練くんれんを開始かいししたと発表はっぴょうしました。訓練くんれんの目的もくてきについては、「北きたの海上かいじょうでの挑発ちょうはつへの対応たいおうと、米べい韓かん連合れんごうの作戦さくせん遂行すいこう能力のうりょくの向上こうじょうだ」としています。

今回こんかいは、アメリカ海軍かいぐんの原子力げんしりょく空母くうぼ「ロナルド・レーガン」や、韓国かんこく海軍かいぐんのイージス駆逐くちく艦かんなど艦艇かんていおよそ４よん０ぜろ隻せきのほか、戦闘せんとう機きや哨戒しょうかい機きなどが参加さんかし、朝鮮ちょうせん半島はんとうの東側ひがしがわの海域かいいきで、空母くうぼを護衛ごえいしたり、北朝鮮きたちょうせんの潜水せんすい艦かんやミサイルに対応たいおうしたりする訓練くんれんが行おこなわれる予定よていです。

また、朝鮮ちょうせん半島はんとうの西側にしがわの海域かいいきでは、韓国かんこくに上陸じょうりくしようとする敵てきの特殊とくしゅ部隊ぶたいに対にたいする攻撃こうげき訓練くんれんなどが実施じっしされることになっています。

北朝鮮きたちょうせんは、米べい韓かん両りょう軍ぐんが１いち年ねん前まえの去年きょねん１０月じゅうがつに海上かいじょうで共同きょうどう訓練くんれんを行おこなった際さい、最終さいしゅう日びに、新型しんがたの中距離ちゅうきょり弾道だんどうミサイル「ムスダン」と見みられる１いち発はつの発射はっしゃを試こころみて失敗しっぱいしています。

ことしの訓練くんれんにも反発はんぱつしている北朝鮮きたちょうせんが、期間きかん中ちゅうに、先月せんげつ１いち５ご日にち以来いらいとなる弾道だんどうミサイルの発射はっしゃを強行きょうこうするなど、軍事ぐんじ挑発ちょうはつに出でる可能かのう性せいがあり、米べい韓かん両りょう軍ぐんは、警戒けいかいと監視かんしを強化きょうかしながら予定よていされた訓練くんれんを進すすめる方針ほうしんです。

北朝鮮きたちょうせん「情勢じょうせいは極度きょくどの緊張きんちょう局面きょくめんに」

１いち６ろく日にち付づけの北朝鮮きたちょうせんの朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう機関きかん紙し「労働ろうどう新聞しんぶん」は、１いち６ろく日にちから始はじまったアメリカ軍ぐんと韓国かんこく軍ぐんによる海上かいじょうでの共同きょうどう訓練くんれんについて、「アメリカの原子力げんしりょく空母くうぼ『ロナルド・レーガン』などを引き入ひきいれ、火薬かやくのにおいを漂ただよわせている。われわれに対にたいする軍事ぐんじ的てきな威嚇いかくであり、朝鮮ちょうせん半島はんとう情勢じょうせいは極度きょくどの緊張きんちょう局面きょくめんになる」と非難ひなんしました。

そのうえで、韓国かんこくのムン・ジェイン（文ぶん在ざい寅とら）政権せいけんに対にたいし、「外部がいぶ勢力せいりょくと結託けったくして軍事ぐんじ的てきな挑発ちょうはつに熱ねつを上あげれば上あげるほど、朝鮮ちょうせん半島はんとうから戦争せんそうの根源こんげんを取り除とりのぞくというわれわれの意志いしはさらに固かたくなる」と反発はんぱつしています。

そして労働ろうどう新聞しんぶんは「警告けいこくを無視むしして軍事ぐんじ的てき挑発ちょうはつに躍起やっきとなり続つづけるならば、待ち受まちうけているのは破滅はめつだけだ」として、強つよくけん制けんせいしました。

防衛ぼうえい相しょう「警戒けいかい監視かんしを継続けいぞく しっかり対応たいおう」

小野寺おのでら防衛ぼうえい大臣だいじんは防衛ぼうえい省しょうで記者きしゃ団だんに対にたいし、「今回こんかいのような共同きょうどう訓練くんれんは、北朝鮮きたちょうせんにしっかりとした圧力あつりょくをかける一ひとつのやり方やりかただ。今いままでも、北朝鮮きたちょうせんは、米べい韓かん軍事ぐんじ演習えんしゅうの前後ぜんごで弾道だんどうミサイルの発射はっしゃ実験じっけんを行おこなうなどの挑発ちょうはつ行動こうどうを繰り返くりかえしてきた。１いち８はち日にちからは中国ちゅうごくの共産党きょうさんとう大会たいかいも行おこなわれるが、中国ちゅうごくの重要じゅうような節目ふしめでも核かく実験じっけんを行おこなっている。私わたしどもとしては警戒けいかい監視かんしを継続けいぞくし、しっかり対応たいおうしていきたい」と述のべました。

野上のがみ官房かんぼう副ふく長官ちょうかんは記者きしゃ会見かいけんで、「米べい韓かんの間まの協力きょうりょくが進すすむことは地域ちいきの平和へいわと安定あんていに資しするものであり、わが国わがくにとして支持しじする。わが国わがくにとしては、引き続ひきつづき、いかなる事態じたいにも対応たいおうできるよう、安全あんぜん保障ほしょう面めんを含ふくめ、日にち米べいおよび日にち米べい韓かんの協力きょうりょくを進すすめていく考かんがえだ」と述のべました。

そのうえで、野上のがみ副ふく長官ちょうかんは「北朝鮮きたちょうせんがさらなる挑発ちょうはつ行動こうどうを行おこなう可能かのう性せいは否定ひていできない。政府せいふとしては、引き続ひきつづき、強固きょうこな日にち米べい同盟どうめいのもと、高たかい緊張きんちょう感かんを持もって高度こうどな警戒けいかい監視かんし体制たいせいを維持いじしつつ、国民こくみんの安全あんぜんを守まもるため最善さいぜんを尽つくしていきたい」と述のべました。

さらに、野上のがみ副ふく長官ちょうかんは、記者きしゃ団だんが「衆議院しゅうぎいん選挙せんきょの期間きかん中ちゅうだが政府せいふ対応たいおうに不安ふあんはないか」と質問しつもんしたのに対にたいし、「常々つねづね申し上もうしあげているが、万全ばんぜんの体制たいせいをとっている」と述のべました。

ソース：NHK ニュース