ＳＵＢＡＲＵの無む資格しかく検査けんさ 常態じょうたい化かか

自動車じどうしゃメーカーの「ＳＵＢＡＲＵ」が資格しかくのない従業じゅうぎょう員いんに車くるまの出荷しゅっか前まえの検査けんさをさせていた問題もんだいで、会社かいしゃ側がわは、長年ながねんの慣行かんこうだったとしていて、不適切ふてきせつな検査けんさが常態じょうたい化かしていた可能かのう性せいが出でてきています。

ＳＵＢＡＲＵは、群馬ぐんま県けん太田おおた市しにある「群馬ぐんま製作せいさく所しょ」で、検査けんさの資格しかくを取とるために研修けんしゅう中ちゅうの従業じゅうぎょう員いんが、国くにに義務ぎむづけられた出荷しゅっか前まえの車くるまの検査けんさをしていたことが、社内しゃない調査ちょうさで明あきらかになりました。

これについてＳＵＢＡＲＵの首脳しゅのうは２に７なな日にち朝あさ、各社かくしゃの取材しゅざいに対にたいして「長年ながねんの慣行かんこうとして行おこなわれ、やり方やりかたとしてはずっと同おなじだった」としていて不適切ふてきせつな検査けんさが常態じょうたい化かしていた可能かのう性せいが出でてきています。また、研修けんしゅう中ちゅうの従業じゅうぎょう員いんが検査けんさを証明しょうめいする書類しょるいに、資格しかくを持もつ検査けんさ員いんから借かりた印鑑いんかんを押おして、適正てきせいに検査けんさをしたように装よそおっていた疑うたがいもあるということです。

出荷しゅっか前まえの車くるまの検査けんさをめぐっては、日産にっさん自動車じどうしゃが国内こくないに６むっつあるすべての工場こうじょうで、資格しかくのない従業じゅうぎょう員いんが実施じっししていたことなどが明あきらかになり、検査けんさをやり直やりなおすため、合あわせておよそ１いち２に０ぜろ万まん台だいについてリコールを国土こくど交通こうつう省しょうに届け出とどけでています。

ＳＵＢＡＲＵは今後こんご、リコールが必要ひつようかどうか早急そうきゅうに判断はんだんするとしていますが、日産にっさん自動車じどうしゃに続つづく不適切ふてきせつな検査けんさの発覚はっかくで、日本にっぽんの自動車じどうしゃメーカーへの信頼しんらいが大おおきく揺ゆらぐ事態じたいになっています。

国交こっこう相しょう 検査けんさ制度せいど見直みなおす考かんがえ

石井いしい国土こくど交通こうつう大臣だいじんは、日産にっさん自動車じどうしゃに続つづいてＳＵＢＡＲＵでも、不適切ふてきせつな検査けんさを行おこなっていたことが明あきらかになったことについて、検査けんさが確実かくじつに行おこなわれるように、制度せいどを見直みなおす考かんがえを改あらためて示しめしました。

石井いしい国土こくど交通こうつう大臣だいじんは２に７なな日にち、閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「ＳＵＢＡＲＵからは、法ほう解釈かいしゃくなどの問い合といあわせを受うけているが、正式せいしきな報告ほうこくは受うけていない」と述のべました。そのうえで「ほかの自動車じどうしゃメーカーの報告ほうこくも踏ふまえて、制度せいどの確実かくじつな実施じっしのため、見直みなおす点てんがないか検討けんとうしたい」と述のべ、検査けんさの制度せいどを見直みなおす考かんがえを改あらためて示しめしました。

国土こくど交通こうつう省しょうは自動車じどうしゃメーカー各社かくしゃに同おなじような事例じれいがないか調査ちょうさするよう求もとめていて、来週らいしゅうにも調査ちょうさ結果けっかを発表はっぴょうすることにしています。

トヨタ社長しゃちょう「ルールというのは絶たえず状況じょうきょうが変かわる」

日本にっぽん自動車じどうしゃ工業こうぎょう会かいの会長かいちょう代行だいこうを務つとめるトヨタ自動車とよたじどうしゃの豊田とよだ章男あきお社長しゃちょうは、２に７なな日にちに行おこなわれた東京とうきょうモーターショーの開会かいかい式しきのあと、記者きしゃ団だんに対にたいし、自動車じどうしゃの完成かんせい検査けんさをめぐる問題もんだいについて「製造せいぞう業ぎょうは１いち０ぜろ０ぜろ％の品質ひんしつ確保かくほが期待きたいされているが、人間にんげんが営いとなんでいると間違まちがいを起おこしてしまうときもある。そういうときはいったん立ち止たちどまり、そういうことが二度にどと起おきないようにするのも日本にっぽんのものづくりの強つよみだ」と述のべました。
また、豊田とよだ社長しゃちょうは、今いまの検査けんさ制度せいどについて「国くにであれ民間みんかん企業きぎょうであれ、みんなで車くるま社会しゃかいの安全あんぜん安心あんしんを守まもっていくため、国土こくど交通こうつう省しょうや日本にっぽん自動車じどうしゃ工業こうぎょう会かいが今後こんごも話し合はなしあいをしていく。ルールというのは絶たえず状況じょうきょうが変かわるもので、今いまがベストだというといろんなことが止とまってしまう」と述のべて、見直みなおすことも必要ひつようではないかという考かんがえを示しめしました。

経団連けいだんれん会長かいちょう「信頼しんらいを損そこなうものだ」

ＳＵＢＡＲＵが資格しかくのない従業じゅうぎょう員いんに車くるまの出荷しゅっか前まえの検査けんさをさせていた問題もんだいについて、経団連けいだんれんの榊原さかきばら会長かいちょうは記者きしゃ団だんに対にたいし、「神戸こうべ製鋼せいこうや日産にっさんに続つづいてＳＵＢＡＲＵでもということで、日本にっぽんの強つよみである製造せいぞう業ぎょうの品質ひんしつ管理かんりに対にたいする国際こくさい的てきな信頼しんらいを損そこなうものだ。事実じじつなら非常ひじょうに残念ざんねんであり、経営けいえい者しゃは責任せきにんを持もって原因げんいん究明きゅうめいと再発さいはつ防止ぼうし、それに消費しょうひ者しゃへの説明せつめいを行おこなってほしい」と述のべました。

官房かんぼう長官ちょうかん「原因げんいん究明きゅうめいし業界ぎょうかいで共有きょうゆうを」

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで、「関係かんけいする企業きぎょうは徹底的てっていてきに原因げんいん究明きゅうめいや再発さいはつ防止ぼうしに取り組とりくむとともに、産業さんぎょう界かい全体ぜんたいで調査ちょうさ結果けっかを共有きょうゆうして、同様どうようの事案じあんがほかの企業きぎょうで起おきないよう取り組とりくむことが極きわめて大事だいじだ。多おおくの日本にっぽん企業きぎょうの製品せいひんは、引き続ひきつづき世界せかいで高たかい信頼しんらいを得えている。その信頼しんらいを裏切うらぎることがないよう、産業さんぎょう界かいにはしっかり取り組とりくんでほしい」と述のべました。

ソース：NHK ニュース