石破元幹事長 自民党総裁選挙に立候補を表明
2024-08-24 03:28:33

石破元幹事長は24日午前、自身の地元・鳥取県八頭町の神社で支援者を前に演説しました。
この中で石破氏は「自民党総裁選挙に立候補する。38年間の政治生活の集大成として、これを最後の戦いとして原点に戻り、全身全霊で支持を求めていく」と述べ、総裁選挙に立候補することを表明しました。
その上で「党よりも国民一人一人を見るのが私の政治生活の原点だ。子どものころ、ここで夏祭りがあり本当ににぎやかだった。日本は今ほど豊かではなかったが、若い人も、子どもたちも、高齢者も皆、笑顔だった。もう一度にぎやかで皆が笑顔で暮らせる日本を取り戻していく」と述べ、地方の再生に全力を挙げる考えを強調しました。
また、党の政治とカネの問題をめぐり「ルールを守り政治のためのカネが必要なら集め方は節度を持たなければならない。改正された政治資金規正法を守るのは当然でさらに透明性を深めるための努力を最大限に行う」と述べ、政治改革に取り組む考えを示しました。
さらにみずからが長く安全保障政策に携わってきたことに触れ、「抑止力の強化や防衛力の強化は平和のためのものであり、戦争をするためのものではない。どうすれば抑止力が確保でき、どうすれば多くの国と信頼関係を築くことができるか。安全保障を確立し日本を守る」と述べました。
そして「ルールを守り国民に信頼される政治。日本を守り、国民を守り、地方を守り、そして未来を守る。そのために全身全霊で臨んでいく」と決意を示しました。
このあと石破氏は記者団の質問に応じ、政治とカネの問題への対応を問われたのに対し「いわゆる裏金事件の審判は国民からいただかなければならない。自民党として国民に対して責任を持たなければならない。誰が総理・総裁になるにせよ審判を仰ぐのは、なるべく早い時期に行われるべきだ」と述べました。
また、自身の強みを問われたのに対しては「強みというおこがましいことを言うつもりはないが、あるとすれば経験だ。必要なのは刷新感ではない。本当に刷新されたかどうかだ。未来は、過去の延長線上にある」と述べました。
一方、「選択的夫婦別姓」の考え方を質問されたのに対し「選択的に姓を選べることはあるべきだ。男性であれ女性であれ姓が選べないことでつらい思いをし、不利益を受けていることは解消されなければならない」と述べました。
石破氏が総裁選挙に挑戦するのは今回が5回目となります。総裁選挙への立候補表明は、小林鷹之氏に続き石破氏が2人目です。
石破氏プロフィール
石破氏は、衆議院鳥取1区選出の当選12回で、67歳。総裁選挙には5回目の挑戦となります。
鳥取県知事や自治大臣を務めた石破二朗氏の長男として生まれました。
慶応大学を卒業後、銀行に勤めていましたが、田中角栄・元総理大臣の勧めで政治の世界に入りました。
田中派の事務局職員を経て1986年の衆議院選挙に立候補し、当時、全国最年少となる29歳で初当選します。
そして、リクルート事件をきっかけに党内の若手議員が結成した研究会に参加し、小選挙区制の導入など政治改革を訴えました。
1993年には、政治改革法案の取り扱いをめぐって、野党が提出した宮沢内閣に対する不信任決議案に賛成して自民党を離党。新生党、新進党を経て、1997年に自民党に復党しました。
2002年に小泉内閣で防衛庁長官として初入閣し、防衛大臣、農林水産大臣を歴任しました。
自民党が野党だった2012年の総裁選挙では最も多くの党員票を獲得しましたが、決選投票で安倍元総理大臣に敗れました。
第2次安倍政権発足後は、党の幹事長や地方創生担当大臣として政権を支えましたが、退任したあとは、安倍氏と距離を置きます。
4回目の挑戦となった2020年の総裁選挙では菅前総理大臣に敗れ、前回・3年前の総裁選挙には立候補せず河野デジタル大臣を支援しました。
2015年に当時の安倍総理大臣の後継を目指したいとして立ち上げた派閥は、所属議員の減少などを受けて3年前に事実上解散しています。
ここ数年は、近い議員と政策勉強会を重ね、全国各地を回って講演するなど活動を続けてきました。
今回、党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題が表面化してからは「カネに左右されない政治をつくるべきだ」と述べるなど、政治改革の必要性を繰り返し訴えてきました。
「鉄道オタク」を公言 料理好きな面も
安全保障政策に精通していることで知られ、戦闘機や軍艦のプラモデル作りを趣味としていることもあって「防衛オタク」とも呼ばれています。
また、東京と地元・鳥取の間をあえて鉄道で移動するなど「鉄道オタク」であることも公言しています。
かつての人気アイドルグループ「キャンディーズ」のファンで、ラジオ番組に出演した際、彼女らの解散宣言に触れ「キャンディーズに及びもつかないが、普通のおじさんに戻りたい」と述べて話題になりました。
夏目漱石や森鴎外といった文学から漫画まで幅広い分野の本を読む読書家で、議員会館の事務所には本棚に収めきれない専門書などが机や棚に平積みされています。
料理好きとしても知られ、得意料理のカレーライスをふるまうこともあります。
ラーメンの文化振興を目指す議員連盟の会長も務め、各地で食べ歩いてみずから“振興”を図っているということです。