米べいロ首脳しゅのう会談かいだん 核軍縮かくぐんしゅくなど対話たいわへ サイバー攻撃こうげきなどでは隔へだたりも

アメリカのバイデン大統領だいとうりょうとロシアのプーチン大統領だいとうりょうが会談かいだんし、核かく戦争せんそうのリスクの低減ていげんや核かく軍縮ぐんしゅくに向むけた対話たいわの枠組わくぐみをつくることで合意ごういしました。一方いっぽうで、サイバー攻撃こうげきや人権じんけんをめぐる問題もんだいでの主張しゅちょうの隔へだたりは大おおきく、対話たいわを通をつうじて両国りょうこく関係かんけいの改善かいぜんにつなげられるかが今後こんごの焦点しょうてんになります。

アメリカのバイデン大統領だいとうりょうとロシアのプーチン大統領だいとうりょうは16日にち、スイスのジュネーブで初はじめて対面たいめんでの首脳しゅのう会談かいだんを行おこない、およそ3時間じかん半はんにわたって意見いけんを交かわしました。

この中なかで両りょう首脳しゅのうは、両国りょうこくで世界せかいの核かく弾頭だんとうの9割わりを保有ほゆうする中なか、武力ぶりょく衝突しょうとつや核かく戦争せんそうのリスクを低減ていげんし、将来しょうらい的てきな核軍縮かくぐんしゅくや軍備ぐんび管理かんりの土台どだいを築きずいて戦略せんりゃく的てきな安定あんていを目指めざす対話たいわの枠組わくぐみをつくることで合意ごういしました。

両りょう首脳しゅのうは会談かいだん後ごそれぞれ記者きしゃ会見かいけんし、バイデン大統領だいとうりょうは「アメリカがロシアに向き合むきあっていくうえでの明確めいかくな基礎きそを築きずくことができた」と述のべ、プーチン大統領だいとうりょうは「意見いけんの相違そういはあるが、双方そうほうは相手あいてを理解りかいし距離きょりを近ちかづけるための方法ほうほうを見みいだそうとする気持きもちを示しめした」と評価ひょうかしました。

一方いっぽうで、アメリカがロシアの責任せきにんを主張しゅちょうするサイバー攻撃こうげきをめぐっては、バイデン大統領だいとうりょうが攻撃こうげきを受うけた場合ばあいは相応そうおうの措置そちをとると強つよく警告けいこくしましたが、プーチン大統領だいとうりょうはロシアも被害ひがいを受うけているとして、議論ぎろんは平行へいこう線せんをたどりました。

また、バイデン大統領だいとうりょうがロシアの反はん体制たいせい派はの指導しどう者しゃ、ナワリヌイ氏しの収監しゅうかんをめぐり懸念けねんを表明ひょうめいしたのに対にたいし、プーチン大統領だいとうりょうはロシアの法律ほうりつに違反いはんしたと説明せつめいし、両国りょうこく間かんの主要しゅような問題もんだいでは主張しゅちょうの隔へだたりが改あらためて浮き彫うきぼりになりました。

このため、今後こんご、会談かいだんで合意ごういした対話たいわを通をつうじて、両国りょうこくが冷戦れいせん終結しゅうけつ後ご最悪さいあくともいわれる関係かんけいの改善かいぜんにつなげられるかが焦点しょうてんになります。

長崎ながさきの被爆ひばく者しゃ「両りょう首脳しゅのう 信頼しんらい関係かんけい徐々じょじょに築きずいて」

アメリカとロシアの首脳しゅのう会談かいだんで、新あらたな核軍縮かくぐんしゅくの枠組わくぐみの構築こうちくなど、戦略せんりゃく的てき安定あんていに向むけた2国こく間かん対話たいわを始はじめることで合意ごういしたことについて、長崎ながさきの被爆ひばく者しゃで被団協ひだんきょう＝日本にっぽん原水爆げんすいばく被害ひがい者しゃ団体だんたい協議きょうぎ会かいの田中たなか重光しげみつ代表だいひょう委員いいんは「世界せかいの核かく弾頭だんとうの9割わりを保有ほゆうするアメリカとロシアの対応たいおうが世界せかいの明暗めいあんを分わける鍵かぎを握にぎる。両国りょうこくが核軍縮かくぐんしゅくなどで話し合はなしあいを進すすめれば、他たの国くにも追随ついずいすると思おもうので、両りょう首脳しゅのうには信頼しんらい関係かんけいを徐々じょじょに築きずいていってもらいたい」と期待きたい感かんを示しめしました。

さらにことし8月つき9日にちの長崎ながさき原爆げんばくの日ひを前まえに「『被爆ひばく者しゃを再ふたたび出ださない』という被爆ひばく者しゃが発信はっしんするいちばんの思おもいを両りょう首脳しゅのうには分わかってもらいたい。核かく保有ほゆう国こくが存在そんざいするかぎり、核かく戦争せんそうはいつ起おこるか分わからない。ことし1月つきには核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやくが発効はっこうし、核兵器かくへいきを持もってはいけないことが国際こくさい的てきな規範きはんになったので、これからも世界せかいの市民しみんや国連こくれんと結むすびついた運動うんどうを続つづけていきたい。日本にっぽん政府せいふは核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやくから背せを向むけているので、条約じょうやくに署名しょめい・批准ひじゅんをして、被爆ひばく国こくの役割やくわりを果はたしてほしい」と述のべました。

ソース：NHK ニュース