長崎ながさき 原爆げんばく投下とうかから78年ねん「長崎ながさきを最後さいごの被爆ひばく地ちに」平和へいわ祈念きねん式典しきてん

長崎ながさきに原爆げんばくが投下とうかされて9日にちで78年ねんです。台風たいふうの接近せっきんにともない平和へいわ祈念きねん式典しきてんは規模きぼを縮小しゅくしょうして行おこなわれますが、ロシアがウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうと核かくによる威嚇いかくを続つづける中なか、長崎ながさきは核兵器かくへいき廃絶はいぜつへの決意けついと「長崎ながさきを最後さいごの被爆ひばく地ちに」というメッセージを国内外こくないがいへ発信はっしんします。

長崎ながさきに原爆げんばくが投下とうかされて9日にちで78年ねんです。

9日にち朝あさ、長崎ながさき市しの平和へいわ公園こうえんやミサが行おこなわれた浦上うらかみ天主堂てんしゅどうなどには被爆ひばく者しゃなどが訪おとずれ祈いのりをささげました。

4歳さいの時ときに被爆ひばくした82歳さいの女性じょせいは「78年ねんは早はやいです。原爆げんばくの目めを差さす光ひかりだけは覚おぼえています。夫おっとの祖父母そふぼなど家族かぞくが原爆げんばくで9人にん亡なくなったので永遠えいえんの安息あんそくを願ねがいに来きました。世界中せかいじゅうで戦争せんそうがいつ起おこるかわからないので世界せかい平和へいわを願ねがっています」と話はなしていました。

午前ごぜん10時じ45分ふんから始はじまる平和へいわ祈念きねん式典しきてんでは、この1年ねんに亡なくなった被爆ひばく者しゃなど3314人にんの名前なまえが書かき加くわえられた19万まん5607人にんの原爆げんばく死没しぼつ者しゃ名簿めいぼが納おさめられます。

そして、原爆げんばくがさく裂さくれつした午前ごぜん11時じ2分ふんに黙もくとうをささげ犠牲ぎせい者しゃを追悼ついとうします。

ことし5月つきのG7広島ひろしまサミットは、各国かっこくのリーダーが原爆げんばく資料しりょう館かんを訪おとずれるなど核兵器かくへいきの非ひ人道じんどう性せいを世界せかいに訴うったえる機会きかいになった一方いっぽう、サミットの成果せいか文書ぶんしょである「広島ひろしまビジョン」について核かく抑止よくしを前提ぜんていとした考かんがえだとして長崎ながさきの被爆ひばく者しゃからも批判ひはんの声こえがあがっています。

9日にちの平和へいわ祈念きねん式典しきてんではことし4月つき、新あらたに就任しゅうにんした被爆ひばく2世せいの長崎ながさき市しの鈴木すずき史朗しろう市長しちょうが平和へいわ宣言せんげんを読み上よみあげます。

ロシアがウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうと核かくによる威嚇いかくを続つづける中なか、鈴木すずき市長しちょうは、原爆げんばくで背中せなかに大だいやけどを負おいながら6年ねん前まえに亡なくなるまで核兵器かくへいきの廃絶はいぜつを訴うったえ続つづけた谷口たにぐち稜りょう曄さんの言葉ことばを通をとおして核兵器かくへいきの非ひ人道じんどう性せいや原爆げんばくを肯定こうていする風潮ふうちょうへの警鐘けいしょうを鳴ならします。

そのうえで、核かく保有ほゆう国こくと核かくの傘かさのもとにある国くにに対にたいして核かく抑止よくしへの依存いぞんから脱却だっきゃくし、核兵器かくへいき廃絶はいぜつへの道みちを進すすむよう求もとめます。

台風たいふう6号ごうの接近せっきんにともない平和へいわ祈念きねん式典しきてんは参列さんれつ者しゃの安全あんぜんを優先ゆうせんして、会場かいじょうが平和へいわ公園こうえんから市内しないの屋内おくない施設しせつに変更へんこうされ、一般いっぱんの被爆ひばく者しゃや遺族いぞくのほか岸田きしだ総理そうり大臣だいじんや各国かっこく大使たいしの参列さんれつが見送みおくられるなど規模きぼが大幅おおはばに縮小しゅくしょうされますが、長崎ながさきは、9日にち、核兵器かくへいき廃絶はいぜつへの決意けついと「長崎ながさきを最後さいごの被爆ひばく地ちに」というメッセージを国内外こくないがいへ発信はっしんします。

被爆ひばくした82歳さいの女性じょせい「忘わすれたくても忘わすれることができない」

長崎ながさき市しの平和へいわ公園こうえんでは、午前ごぜん5時じすぎ、平和へいわ祈念きねん像ぞうの前まえで祈いのりをささげる人ひとの姿すがたが見みられました。4歳さいの時ときに被爆ひばくした長崎ながさき市しの82歳さいの女性じょせいは「平和へいわ祈念きねん像ぞうの前まえに立たったら涙なみだが出でてきました。78年ねん前まえのきょうのことは忘わすれたくても忘わすれることができない。それなのに世界せかいにはいまだに核兵器かくへいきを持もっている国くにがある。戦争せんそうや核兵器かくへいきはなくなってほしい」と話はなしていました。

被爆ひばく2世せいの女性じょせい「日常にちじょうが壊こわされないように」

長崎ながさき市しの爆心ばくしん地ち公園こうえんを訪おとずれた長崎ながさき県けん時津とぎつ町まちの被爆ひばく2世せいの74歳さいの女性じょせいは「当時とうじもこんな天気てんきだったら原爆げんばくは落おちてないかもしれないと思おもいながら来きました。姉あねたち3人にんを失うしない、私わたしは戦後せんごに生うまれたので、毎年まいとし、慰霊いれいのために来きています。姉あねたちも生いきていたら79歳さいになっていたと思おもいながら祈いのりました。きょうもあすも起おきられることが平和へいわなので、そういう日常にちじょうが壊こわされないように願ねがっています」と話はなしていました。

18歳さいの男性だんせい「平和へいわへの思おもいを引き継ひきつぐ責任せきにんがある」

ことし、大学だいがく進学しんがくのために京都きょうとから長崎ながさき市しに移り住うつりすんだという18歳さいの男性だんせいは「8月つき9日にちは、戦争せんそうや核兵器かくへいきについて考かんがえるチャンスだと思おもう。自分じぶんは、家族かぞくから戦争せんそう体験たいけんを聞きいたこともあるがそういう話はなしを聞きける最後さいごの世代せだいだと思おもうので、平和へいわへの思おもいを引き継ひきつぐ責任せきにんがある。特とくに、長崎ながさきを最後さいごの被爆ひばく地ちにするためには、自分じぶんたちも努力どりょくをしないといけないと感かんじている」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース