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プール安全あんぜん対策たいさくは?学童がくどうクラブ マニュアル策定さくてい37%どまり

2023-08-20 05:52:54

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先月せんげつ学童がくどうクラブ活動かつどうちゅう小学生しょうがくせいプールおぼれて死亡しぼうした事故じこけて、こども家庭かていちょう全国ぜんこく学童がくどうクラブを対象たいしょう調査ちょうさしたところ、プール活動かつどうおこなっている4300か所かしょあまうち安全あんぜん対策たいさくのマニュアルを策定さくていしているクラブは37%にとどまることがわかりました。

専門せんもんは「マニュアルの大切たいせつさが浸透しんとうしていない」と指摘してきしています。

プール死亡しぼう事故じこ全国ぜんこく調査ちょうさすると…

先月せんげつ滋賀しがけんのプールで放課後ほうかご児童じどうクラブいわゆる学童がくどうクラブの活動かつどうていた小学しょうがく1年生ねんせい男子だんし児童じどうおぼれて死亡しぼうした事故じこけて、こども家庭かていちょう全国ぜんこく2まん5000か所かしょあま学童がくどうクラブを対象たいしょうにプール活動かつどう実施じっし状況じょうきょう調しらべました。

その結果けっかプール活動かつどうなどおこなっているクラブ全体ぜんたいおよそ17%にあたる4315か所かしょで、このうち安全あんぜん対策たいさくのマニュアルを策定さくていしているのは1597か所かしょと37%にとどまることがわかりました。

こども家庭かていちょうは、ども安全あんぜんまもための対策たいさく十分じゅうぶんこうじられていないとして、18にち全国ぜんこく自治体じちたい通知つうちし、学童がくどうクラブへの指導しどうもとめました。

通知つうちでは、学童がくどうクラブプール活動かつどうおこな場合ばあいは、▽監視かんし体制たいせい緊急きんきゅう事態じたいへの対応たいおうなどさだめたマニュアルを策定さくていし、必要ひつようおうじて研修けんしゅう訓練くんれん実施じっしするほか、▽使用しようするプールの状況じょうきょう参加さんかする児童じどうりょく事前じぜん把握はあくするなどして、重大じゅうだい事故じこ防止ぼうしつとめるようもとめています。

こども家庭かていちょう今後こんご、すでにあるマニュアルの内容ないようひろ共有きょうゆうするとともに、滋賀しがけん事故じこ検証けんしょう結果けっかまえて、必要ひつよう再発さいはつ防止ぼうしさく検討けんとうすすめるとしています。


東京とうきょう 八王子はちおうじ 学童がくどうクラブのマニュアルは…

東京とうきょう 八王子はちおうじでは、学童がくどうクラブのプール活動かつどう過去かこきた事故じこけ、独自どくじ安全あんぜん対策たいさくおこなっています。

八王子はちおうじでは、13ねんまえの2010ねん学童がくどうクラブプール活動かつどう参加さんかしていた小学しょうがく2年生ねんせい女の子おんなのこ一時いちじ意識いしきうしな事故じこきました。

事故じこけ、八王子はちおうじこのとし学童がくどうクラブ安全あんぜん管理かんりのマニュアルにプール活動かつどうでの対策たいさく追記ついきしました。

マニュアルには、プール活動かつどうちゅうども見守みまもりについて、
児童じどうすうにあわせ、死角しかくをつくらないよう、適正てきせい人数にんずう指導しどういん配置はいちすること、
監視かんしする担当たんとうエリアを指導しどういんどうしで確認かくにんこと、
指導しどういんは1か所かしょをとられずひろ監視かんしすることなど記載きさいされています。

さらに、
保護ほごしゃからの情報じょうほうふくめ、児童じどう体調たいちょう当日とうじつかなら確認かくにんすること、
活動かつどう児童じどう体調たいちょう変化へんかくばこと、
プール設備せつび異常いじょうがないか、当日とうじつ使用しようまえ確認かくにんすることもかれています。

このマニュアルはがガイドラインとして作成さくせいしていて、それぞれ学童がくどうクラブでさらに詳細しょうさい策定さくていするようもとめています。

また市内しない学童がくどうクラブでは、おぼれるリスクをらすため、全長ぜんちょう10メートルふかさ70センチほどのみじかあさプールで活動かつどう実施じっしすることにしています。

以前いぜんは、全長ぜんちょう25メートルふかさ90センチほどのプール使つかっていましたが、事故じこ翌年よくねんから、みじかあさいプールを使つかようになったということです。

さらに、プール活動かつどうまえには学童がくどうクラブからに対にたい毎回まいかい計画けいかくしょ提出ていしゅつすることが義務ぎむづけられています。

これ翌年よくねんから実施じっしされていて、計画けいかくしょには、
参加さんかする児童じどう指導しどういん人数にんずう
心肺しんぱい蘇生そせいほうふくめた救急きゅうきゅう救命きゅうめい講習こうしゅうけた指導しどういん当日とうじつ現場げんばなんにんいるか
緊急きんきゅう搬送はんそうする病院びょういんを2か所かしょ記載きさいすることがもとめられています。

計画けいかくしょて、十分じゅうぶんではないと判断はんだんした場合ばあいは、プール活動かつどうみとめていないということです。


委託いたくけて学童がくどうクラブ運営うんえいしている、城山しろやま学童がくどう保育ほいくしょ小島こじま祐輔ゆうすけ所長しょちょうは「以前いぜんおおきなプール使つかっていましたが、事故じこちいさいプールを使つかっています。リスクはじゅうじゅうかんじていますが、どもたちはプールたのしんでいて、いろいろ経験けいけんをさせてあげたいとおもっています。安全あんぜん確認かくにんして実施じっししていきたいです」とはなしていました。


専門せんもん「マニュアルつくだけなく活用かつようを」

安全あんぜん工学こうがく専門せんもんどもプール事故じこにもくわしい東京とうきょう工業こうぎょう大学だいがく西田にしだ佳史よしふみ教授きょうじゅは、調査ちょうさ結果けっかについて「37%というのはとてもひく数字すうじで、マニュアル整備せいび大切たいせつさが浸透しんとうしていないことをしめしている。マニュアルがないと、また今回こんかいのような事故じこにつながってしまう」とはなしています。

また、マニュアルには
りょくがないどもにはライフジャケットを使つかこと
監視かんしさいかぎられた範囲はんい分担ぶんたんすること
水面すいめんひかっている場合ばあいみずなかえにくくなるので場所ばしょえてこと
おおきななどしたえにくくなるので使つかわないことといった、
具体ぐたいてき注意ちゅういてん書き込かきこ必要ひつようあるとしています。

そのうえで、マニュアルはつくだけでは意味いみがなく、しっかり活用かつようすることが大切たいせつだとしています。

そして今後こんごひとちからたよだけではなく、技術ぎじゅつちから使つかべきだとしていて、「人工じんこう知能ちのう使つかったカメラおぼれたひとつけられるようにもなってきているので、そういったテクノロジーの導入どうにゅう検討けんとうすることも大切たいせつだ」と指摘してきしています。

ソース:NHK ニュース